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番外編 宝剣
宝剣の秘密
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鞘から抜いた刀身は、長い時を経てもなお、鈍い光を放っていた。
リヒトが宝剣の柄を握り、その刀身をまじまじと見つめた瞬間、彼の瞳が大きく見開かれた。
刀身の表面には、肉眼ではほとんど見えないほど微細な線で文様が描かれていた。それは、リヒトが自身の短剣に施した文様と、瓜二つ。
アポクリフォスに浮かび上がるこの模様は、魔力を感知し、それを吸収する際に現れる。今ではリヒトにしか知らない特殊な模様だ。
リヒトは、宝剣の刀身を注視し、その構造を細かく観察し始めた。
魔力を動力源とする魔道具には、必ずと言っていいほど、魔石が埋め込まれている。しかし、この賢王の剣には、どこにも魔石がなく、痕跡も見当たらない。
それは、この剣が魔力とは全く異なる原理で動くことを示唆していた。
「陛下…この剣は…」
リヒトの頭の中に、ひとつの仮説が閃く。それは、彼自身の短剣、アポクリフォスがもたらした結論だった。
アポクリフォスは、魔力をほぼ持たないリヒトだからこそ使える短剣。魔力を持つ者が使えば、逆に魔力を暴走させ、己を破壊する危険を伴う。
「この剣は、元々、魔力がほとんどない者でなければ、扱えない魔道具なのでは…」
リヒトの言葉に、セドリック国王は目を丸くして言葉を呑む。
「…そんな…そんな…馬鹿な…」
そんな馬鹿な話があるはずがない。王家の始祖は、伝説に語られるほど強大な魔力を持っていたはずだ。
「始祖さまは…始祖さまは…膨大な魔力でこの剣をふり、魔物を退治したと…」
「魔物たちから吸い取った魔力を解放したとしたら?」
「…それは…」
「陛下。魔力を持つ者は、自らの魔力で宝剣の機能を阻害してしまうはずです。魔力が、剣の力を妨げ、その真の力を引き出せない。だから、誰もこの剣を扱えなかったのです」
リヒトは、確信を持ってそう告げた。長い年月の中で、人々は魔力を中心に世界を理解し、この宝剣の真の性質を忘れ去ってしまったのだ。
魔力が優位な世の中であったがゆえに、「膨大な魔力が必要」という、誤った伝承が広まってしまった。
「まさか…始祖様は…リヒトと同じ、魔力がほぼない方であったと…?」
国王は信じられないというように呟く。その言葉に、リヒトは静かに頷いた。
「はい。そして、この宝剣の本来の力は…魔力を無に帰すことです。」
セドリックはそれでもまだ困惑が隠しきれない。
ずっと信じてきた言い伝えが、こともなくひっくり返されたのだ。
そんな国王を見て、リヒトは微笑んだ。
「陛下、私が試してみても?」
リヒトの言葉に、セドリックは、ためらいなく頷いた。
「もちろんだ」
リヒトが宝剣の柄を握り、その刀身をまじまじと見つめた瞬間、彼の瞳が大きく見開かれた。
刀身の表面には、肉眼ではほとんど見えないほど微細な線で文様が描かれていた。それは、リヒトが自身の短剣に施した文様と、瓜二つ。
アポクリフォスに浮かび上がるこの模様は、魔力を感知し、それを吸収する際に現れる。今ではリヒトにしか知らない特殊な模様だ。
リヒトは、宝剣の刀身を注視し、その構造を細かく観察し始めた。
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それは、この剣が魔力とは全く異なる原理で動くことを示唆していた。
「陛下…この剣は…」
リヒトの頭の中に、ひとつの仮説が閃く。それは、彼自身の短剣、アポクリフォスがもたらした結論だった。
アポクリフォスは、魔力をほぼ持たないリヒトだからこそ使える短剣。魔力を持つ者が使えば、逆に魔力を暴走させ、己を破壊する危険を伴う。
「この剣は、元々、魔力がほとんどない者でなければ、扱えない魔道具なのでは…」
リヒトの言葉に、セドリック国王は目を丸くして言葉を呑む。
「…そんな…そんな…馬鹿な…」
そんな馬鹿な話があるはずがない。王家の始祖は、伝説に語られるほど強大な魔力を持っていたはずだ。
「始祖さまは…始祖さまは…膨大な魔力でこの剣をふり、魔物を退治したと…」
「魔物たちから吸い取った魔力を解放したとしたら?」
「…それは…」
「陛下。魔力を持つ者は、自らの魔力で宝剣の機能を阻害してしまうはずです。魔力が、剣の力を妨げ、その真の力を引き出せない。だから、誰もこの剣を扱えなかったのです」
リヒトは、確信を持ってそう告げた。長い年月の中で、人々は魔力を中心に世界を理解し、この宝剣の真の性質を忘れ去ってしまったのだ。
魔力が優位な世の中であったがゆえに、「膨大な魔力が必要」という、誤った伝承が広まってしまった。
「まさか…始祖様は…リヒトと同じ、魔力がほぼない方であったと…?」
国王は信じられないというように呟く。その言葉に、リヒトは静かに頷いた。
「はい。そして、この宝剣の本来の力は…魔力を無に帰すことです。」
セドリックはそれでもまだ困惑が隠しきれない。
ずっと信じてきた言い伝えが、こともなくひっくり返されたのだ。
そんな国王を見て、リヒトは微笑んだ。
「陛下、私が試してみても?」
リヒトの言葉に、セドリックは、ためらいなく頷いた。
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