年越しを君と

ゆき

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年越し

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 12月31日の11時55分。
僕は君と一緒に神社に来ていた。
「寒いね。」
君がそう言った瞬間、君の手を握った。
「ありがとう。」
君は顔を赤くしながら言った。
「そろそろ、進もうか。あと少しで年越しだから。」
「うん。」
僕は君の手を握ったまま歩いた。提灯の明かりに照らされて、神社の境内についた。
「ついたね。」
「そうだな。」
二人で境内にある椅子に座った。
「もうすぐで今年も終わるね。」
「あっという間だったな。」
「うん。あっという間だった。」
境内は提灯の明かりもあるが月の明かりも明るかった。
「来年は、どんなことしてるのかな。」
君は僕の顔を見ながら言った。
「私は、今年以上に楽しいことがあると思ってる。」
「僕もそう思うよ。」
気付くと時刻は11時59分。
「あと10秒で年越しだよ!」
君は立ち上がって僕の手を引いた。
「5!」
「4!」
「3!」
「2!」
「1!」
「ハッピーニューイヤー!」
君は楽しそうにジャンプしていた。僕も君につられてジャンプしていた。
「今年もよろしくね。」
君は笑顔でそう言った。
「そうだな。」
僕は覚悟を決め、君に向かい合って
「僕は、君のことが好きです。君のことを幸せにします。“今年も”じゃなくてこれからもよろしくお願いします。」
僕は君の前に手を伸ばした。
「そっか、“今年も”じゃなくなるね。」
君は僕の手を握った。
「“これからも”よろしくお願いします。幸せにしてくれないと怒るからね。」
「もちろん。君を幸せにするよ。」
僕は君を抱きしめた。君も僕の背中に手を回した。
僕と君と新しい1年が始まった。


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