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琴の音
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夕暮れ時どこからか琴の音が聞こえてくる。
座りその音に合わせて横笛を吹く。
「いい音色じゃないか?」
「そうだろう。だからこうやって」
横笛を吹いて見せた。
「そなたにはなしたいことがあってな」
「なんです。父上」
「左近衛中将にとそなたのことをと申しておったのじゃ」
「それは出世じゃないですか?」
「その話で宮中まで呼ばれておったのじゃ」
「また父上は縁談のことで呼ばれたのかと思いましたよ。」
「その話もあるがそろそろそなたも早く決めねばならぬ」
「どちらのはなしですか?」
「またにげよって」
琴音が変わり、中将は横笛をやめてしまった。
中将の父は大納言の役職についてる。
母は名家でいわゆる政略結婚だ。
横笛を吹いていたのは橘 重政、位は中将だ。
琴を弾いていたのは幼馴染の藤原千歳だ。
ドタバタと音を立てて慌ててはいってくるものがおり
幼馴染の平 敦盛だった。
女御が来て
「敦盛様がおいでになりました。」
女御はそれを言うと灯籠に火をともしてでていった。
「父上、お人払いを」
「しょうがない。またにするか?敦盛殿は騒がしいお方だ」
父上はそれだけ言うと部屋を出ていく。
「どうしたというのだ?」
「千歳姫がまた縁談がきてるらしい。またつぶす気か?宮仕えも大変でな
うわさをきいたのだが?」
「どんな噂じゃ」
「教えられぬ」
「なぜ教えられぬのじゃ」
「千歳姫に恋をしてると認めろ」
「認めぬ」
「では教えられぬ」
笛の音が聞こえず千歳は几帳の陰から
「笛の音が聞こえぬがどうしたのじゃ」
「さぁどうしたのでしょう。姫様、文が届いてますよ」
「また父上の持ってきた縁談相手でしょ」
「そういわず見て差し上げたら」
「いい。返事しといて」
「姫さまったらまたですか?」
笛の音が聞こえぬようになって数分経った頃また
笛の音が聞こえてきて琴を弾く千歳。
「姫様1回くらいお返事なされたら」
「いい私にはこのことに合わせて笛を吹いてる方がいるもの」
「そんなこと言わず」
「もういい寝るから準備して」
「はい姫様すぐにご用意いたします。」
帳台に布団を敷き姫が寝るための準備をして
女御が数人用意をしてでていった。
「千歳姫どうぞお入りください」
「ありがとう もう下がっていいよ」
「明日のお支度を先に済ませておきました」
「わかった御簾ごしにはなせばいいんでしょ」
「姫様たらまたそんなこと」
千歳は幼いころに川でおぼれたことがあるその時のことを今も思い出している。
重政の方だったのか?それとも敦盛の方なのか?
わからない元服前の2人のこと助けてくれたのはどっちか?
その時にみた。。。あの光景はうろ覚えでなんだかよくわからない。
柱にもたれて座りながら笛を吹く重政。
「今日は月がきれいだ」
「ほんとに」
女御が返事をして
「おったのか?もうよい下がっていろ」
「はいそれでは仰せの通りにいたします」
絹の擦れる音がして女御は下がった。
薄暗い部屋の中で横笛を吹いてしばらくして眠りにの床についた。
次の日の朝、けたたましい音とともに敦盛が入ってきた。
「どうした騒がしい」
「早く知らせてやりたかったんだ」
「まだ起きたところで何も支度していない」
女御が着替えを手伝って
「もうすぐお支度ができます。お茶の用意をします。」
「悪かった」
したくのできた重政は
「敦盛どうしたというのだ」
「御上が大変なんだ。」
「なにがあった。どうしたというのだ?」
「なんと宮中に千歳が入内することが決まって」
「それは本当か?よいではないか」
「いいのかそんなこと言ってしってるんだぞ」
「何を知ってるというのだ敦盛」
「お前は千歳に恋をしている」
「何をばかなことをたばかるのもいい加減にせぬか」
「幼き頃よりずっと見てきたから知っておる。ホントのことを話せ」
「なんとも思ってないわ」
「ほんとだな。では今宵千歳に。。。」
「なんと無粋なことを申すのじゃ。お落ち着け敦盛」
「これが落ち着いていられるか」
「そなたまさか?千歳に恋をしておるのか?」
「あぁそうさ。何度か文のやり取りをしていい感じなんだよ」
「それでついに思い立ちいてもたってもいれないと」
「あぁどうしてもおもいをとげようと思ってる」
「夜這いはよくないぞ」
「そうでもしないと気持ちが収まらぬわ」
「野蛮なことを」
近くにいた女御もびっくりして
「敦盛様おやめください。千歳姫のもう一度気持ちをお確かめになっては」
「何度も確かめたわ。これをみろ」
女御がきずいて重政に
「これは女御の字ですわ。わたしみたことあります。これは千歳姫の女御の仕業」
「どうしたものか?」
「そんなことしても俺の気持ちは。。。」
「な~にすぐにすむ」
女御がお茶を持ってきて
「気持ちを落ち着かせてください」
「こんなときに。。。」
「どうぞ」
一杯のお茶を飲み
「いつもお前の入れてくれるお茶はうまいのう」
「ありがとうございます。」
おてんば姫になってしまった千歳。
また文が届いても中身もよまずに女御に返事を書かしている。
重政そんなことを分かったうえで文を書いて千歳に送った。
笛の音が聞こえてきて千歳は琴を弾きいつものように2人がたのしんでいた。
千歳の女御が気づいて文に返事を書いて送るとことに
すると重政の気持ちが分かったらしく
姫とすり替わることになった。
「姫様には別のところ電得てもらいます。そのほうがよく笛の音も聞こえるでしょう」
「そうね。じゃあすぐに用意をしてちょうだい」
座りその音に合わせて横笛を吹く。
「いい音色じゃないか?」
「そうだろう。だからこうやって」
横笛を吹いて見せた。
「そなたにはなしたいことがあってな」
「なんです。父上」
「左近衛中将にとそなたのことをと申しておったのじゃ」
「それは出世じゃないですか?」
「その話で宮中まで呼ばれておったのじゃ」
「また父上は縁談のことで呼ばれたのかと思いましたよ。」
「その話もあるがそろそろそなたも早く決めねばならぬ」
「どちらのはなしですか?」
「またにげよって」
琴音が変わり、中将は横笛をやめてしまった。
中将の父は大納言の役職についてる。
母は名家でいわゆる政略結婚だ。
横笛を吹いていたのは橘 重政、位は中将だ。
琴を弾いていたのは幼馴染の藤原千歳だ。
ドタバタと音を立てて慌ててはいってくるものがおり
幼馴染の平 敦盛だった。
女御が来て
「敦盛様がおいでになりました。」
女御はそれを言うと灯籠に火をともしてでていった。
「父上、お人払いを」
「しょうがない。またにするか?敦盛殿は騒がしいお方だ」
父上はそれだけ言うと部屋を出ていく。
「どうしたというのだ?」
「千歳姫がまた縁談がきてるらしい。またつぶす気か?宮仕えも大変でな
うわさをきいたのだが?」
「どんな噂じゃ」
「教えられぬ」
「なぜ教えられぬのじゃ」
「千歳姫に恋をしてると認めろ」
「認めぬ」
「では教えられぬ」
笛の音が聞こえず千歳は几帳の陰から
「笛の音が聞こえぬがどうしたのじゃ」
「さぁどうしたのでしょう。姫様、文が届いてますよ」
「また父上の持ってきた縁談相手でしょ」
「そういわず見て差し上げたら」
「いい。返事しといて」
「姫さまったらまたですか?」
笛の音が聞こえぬようになって数分経った頃また
笛の音が聞こえてきて琴を弾く千歳。
「姫様1回くらいお返事なされたら」
「いい私にはこのことに合わせて笛を吹いてる方がいるもの」
「そんなこと言わず」
「もういい寝るから準備して」
「はい姫様すぐにご用意いたします。」
帳台に布団を敷き姫が寝るための準備をして
女御が数人用意をしてでていった。
「千歳姫どうぞお入りください」
「ありがとう もう下がっていいよ」
「明日のお支度を先に済ませておきました」
「わかった御簾ごしにはなせばいいんでしょ」
「姫様たらまたそんなこと」
千歳は幼いころに川でおぼれたことがあるその時のことを今も思い出している。
重政の方だったのか?それとも敦盛の方なのか?
わからない元服前の2人のこと助けてくれたのはどっちか?
その時にみた。。。あの光景はうろ覚えでなんだかよくわからない。
柱にもたれて座りながら笛を吹く重政。
「今日は月がきれいだ」
「ほんとに」
女御が返事をして
「おったのか?もうよい下がっていろ」
「はいそれでは仰せの通りにいたします」
絹の擦れる音がして女御は下がった。
薄暗い部屋の中で横笛を吹いてしばらくして眠りにの床についた。
次の日の朝、けたたましい音とともに敦盛が入ってきた。
「どうした騒がしい」
「早く知らせてやりたかったんだ」
「まだ起きたところで何も支度していない」
女御が着替えを手伝って
「もうすぐお支度ができます。お茶の用意をします。」
「悪かった」
したくのできた重政は
「敦盛どうしたというのだ」
「御上が大変なんだ。」
「なにがあった。どうしたというのだ?」
「なんと宮中に千歳が入内することが決まって」
「それは本当か?よいではないか」
「いいのかそんなこと言ってしってるんだぞ」
「何を知ってるというのだ敦盛」
「お前は千歳に恋をしている」
「何をばかなことをたばかるのもいい加減にせぬか」
「幼き頃よりずっと見てきたから知っておる。ホントのことを話せ」
「なんとも思ってないわ」
「ほんとだな。では今宵千歳に。。。」
「なんと無粋なことを申すのじゃ。お落ち着け敦盛」
「これが落ち着いていられるか」
「そなたまさか?千歳に恋をしておるのか?」
「あぁそうさ。何度か文のやり取りをしていい感じなんだよ」
「それでついに思い立ちいてもたってもいれないと」
「あぁどうしてもおもいをとげようと思ってる」
「夜這いはよくないぞ」
「そうでもしないと気持ちが収まらぬわ」
「野蛮なことを」
近くにいた女御もびっくりして
「敦盛様おやめください。千歳姫のもう一度気持ちをお確かめになっては」
「何度も確かめたわ。これをみろ」
女御がきずいて重政に
「これは女御の字ですわ。わたしみたことあります。これは千歳姫の女御の仕業」
「どうしたものか?」
「そんなことしても俺の気持ちは。。。」
「な~にすぐにすむ」
女御がお茶を持ってきて
「気持ちを落ち着かせてください」
「こんなときに。。。」
「どうぞ」
一杯のお茶を飲み
「いつもお前の入れてくれるお茶はうまいのう」
「ありがとうございます。」
おてんば姫になってしまった千歳。
また文が届いても中身もよまずに女御に返事を書かしている。
重政そんなことを分かったうえで文を書いて千歳に送った。
笛の音が聞こえてきて千歳は琴を弾きいつものように2人がたのしんでいた。
千歳の女御が気づいて文に返事を書いて送るとことに
すると重政の気持ちが分かったらしく
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