ほしぞら

hitomi

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千歳の父上のこと

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「父上おまちください」
「早く日取りを決めなくてはな」
「父上~おまちください」
「なんだうるさい重政」
「父上お待ちください。そのようなことお決めになって」
「よいではないか」
父上同士が幼馴染で仲の良いあいだがらでいやとはいえない重政と千歳
敦盛はなんとか葵と付き合いだしたようだ。
重政と千歳は相変わらず、琴の音に合わせて笛を吹いて音を奏でて遊んでいた。
父親同士が仲良くなんと祝言の日取りまで勝手に決めようとしている。
2人は困って妨害しようとしてる。
だがどれも同じで何ともないみたいでどんどん進んでいく。
「こまった。」
いつものように敦盛が遊びに来ていて
「おいどうした?」
「どうしたじゃないんだ。敦盛」
「ほう~、困っておるのか」
「千歳のことだ。妻にもう祝言の日取りまで決めてる」
「よいではないか」
「よくないから困ってるんだ。」
立膝をつきすわると頭を抱えている重政。
それをあざ笑う敦盛。
「千歳姫との祝言だがもうきめたぞ」
「父上!!」
笑う敦盛
困り果てている重政
縁側に行きドカッと座り袂から笛を取り出すと
音を奏でた。
千歳からの文が来て読んでみると
勝手に親同士が決めて困ってるということ
「それはこちらも同じ」
柱にもたれながらおもいにふけっていると敦盛がいることをわすれていた。
「どうした?重政」
「おう、おったのか?忘れておった」
「重政~何を申すさっきからおったわ」
「そうか済まない一服はどうじゃ」
女御がお茶を持ってきて置いて行ったので
「ここに置いておきます重政殿」
「おぉわかった。今日は、まんじゅうがあるぞ」
「ではいただくか」
敦盛は饅頭とお茶をとると
「どうした重政うまいぞ」
「よくないことを思い出した」
「なにがあったのじゃ」
「そうちゃかすな敦盛」
「だがどうするだ。父上はもう決めたんだろ」
「そうなんだが親の決めたこと」
「そうだがおれも幼馴染だがなんでお前なんだ重政」
「知らぬがな。」
「知らぬとは何か」
女御がお茶を持ってきて
「仲のおよろしいこと」
「仲なんかよくない」
「そうおしゃらずにどうぞ。新しいお茶を持ってまいりました。」
「よかろう」
「何を偉そうにあやめは俺の女御だぞ」
「そう怒るな重政」
柱を背にもたれながら座り笛を持ち
「俺に気を使っているのか?重政」
「何を申す」
「千歳姫のことできにでもしてたのか」
「あぁそうだ。」
「だが俺には葵さんがいる」
「そうだったな」
お茶を飲み
「なんだ饅頭はないのか」
「なんだお前はずうずうしやつめ」
「よいではないか」
「まぁよい」

しばらくして祝言の日になり
2人とも何も言わずに父上の言うことに従っていた。
千歳も重政も婚儀に間に合わせようと忙しい
敦盛がやってきて
「どうだ。千歳姫は」
「別にいつもと一緒だ敦盛」
「そうなのか 今日の宴を楽しみにしてるぞ重政」
「そういうことか?敦盛」
「酒と女よ」
「葵さんに話すぞ」
「冗談だ重政」
「ならよいが今夜の宴、葵さんが琴を弾くらしい」
「そうなのか葵が弾くのか 楽しみだな」
「そうだな はぁ~忙しい」
祝言の準備で忙しいみたいでバタバタしている。
女御たちも忙しく宴の準備をしている。
宴の準備も終わり公達たちもあつまって宴が始まり
琴の音が聞こえてきてそれに合わせて公達が
それに合わせて奏でる音楽
白拍子の舞、葵の琴の音も
「始まったな千歳」
「そうだね重政」
「いや~よかった2人とも」
「父上また飲みすぎですよ」
「父上」
「わかっておる 気分がよく飲んでおったのじゃ」
「父上」
「そうですぞ フラフラではないか」
「これは娘婿に嫌われたのう」
よろけて重政がとっさに腕をつかみ寝室のに運ぶ
「ちょっと行ってくる」
「わたしもいくわ もう父上たら」
「しょうがない乳上も喜んでおられた」
「そうね」
寝室に寝かせると2人は宴に戻り楽しんだ。
千歳も琴を弾き重政も笛を吹き楽しく音楽を楽しんでいた
宴に来ているはずの敦盛の姿が見えず探していると
屏風の裏で葵さんと2人でいるところを見つけて
「どうしたの?2人とも」
「姫もうしわけありません」
「どうしてあやまるの?」
「何度か文をかわすうちに好きになってしまい。。。」
「重政から聞いて知ってるわ べつに2人をどうのこうのする気はないわ」
「よかった。。。」
2人は抱き合い喜んだ
「父上が酔いつぶれたの だから見つかる前に」
「そのようだな」
「ではこれで失礼する」
「お待ちを敦盛殿これをおもちください」
べっこうでできた櫛を敦盛に渡すと
「次に会う時までお持ちください」
「わかった」
「さぁはやくいって」
「わかったよ千歳姫もういくよ」
「敦盛きをつけてな」
「あぁおめでとう」
「ありがとう」
屋敷の裏口から敦盛は出ていき2人はあんどした。
2人は部屋に戻り初夜については内緒

朝が来て重政が腕枕をしてくれて
千歳は目が覚めて気づくと横に重政がいなく
柱のにもたれながら座り笛を吹いていた
「もう起きてたの」
「なんだか寝れなくって」
「そう」
女御が着替えの手伝いをして千歳は重政のもとへと行く。
「どうした?」
「なんか変な気分今までそんな気持ちなかったのに急に実感わいちゃって」
「そうなのか?いままでともだちだったからな」
「そうだね」
「それもよい。千歳」
「なに」
「これをおまえにやる」
「なにさいしくれるの?」
さいしとは髪留めをくれた。
たいそう千歳は喜び大事にしまい
女御に渡す。
重政は笛を吹いて音楽を楽しんでいる。
琴を持ってこさせて横に座り千歳も琴を弾き
いっしょに楽しんだ。























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