Belbe Golla 1

辺留琶誤者

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B3のはじまり

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 (???)人間と怪物は当然共存できないじゃろう。だからどちらかが滅びるのは当然なんじゃが、どちらも滅びることもあるという良い例じゃ。よく見ればどちらも大したもんじゃないからあり得るとは思っどったんじゃが、ここまでうまくいくとはな。

Belbe Golla 1

B3のはじまり

 「この惑星には7つの大陸があり、すべてにそこを治めるものの名前がついておる。ガルフィ・ギド、ガルフィ・ジド、ガルフィ・ディド、ディ・マルコス、ペルト・マイツォ、ベルベ・サナギとそしてあと1つがここなのだ。ただ、7人も族長がいないのは知っておるだろう。だからわしらのように幹部が地方を治め、族長の名前である大陸に首都があるのだ。よく覚えとけ、息子よ。ここがベルベ・ゴジャ、我がグルー1族の首都である。」そこには大きな建物が無数に建っていた。

 父が族長だった頃の話である。
 
 彼は世界1の「グルー」、つまり人間の長であった。グルーはこの惑星でただ1つの知性を持つことを許された生き物だ。グルーが文明を作り、建物を建てる。他にはできないことだ。
 
 「ガルフィ」どもはそんな我らにたまにではあるが反乱を起こす。彼らの大きな図体にはグルー1人では敵わない。だから我らは昔から奴らと戦うためにグルーはいつも全員で行動する。

 当時の王で父のベルベ・ゴジャは強い王であった。前の王に5歳の頃から支え、忠実な部下のように見せかけていたある夜にベッドで前の王の顔を握りつぶして王となった。
 
 それとは対照的に実に政治的な王でもあった。私たち3人の子供を立派に育て、憲法、防衛設備、そして惑星で初めて「戸籍というものを作った。

 この惑星「マリドリオン」のすべてのグルーはベルベ・ゴジャの戸籍管理塔で全てを管理されていた。誕生、成人、結婚、離婚、死亡はもちろん「初体験」までも全てだ。親類関係と身体上の管理はすべて戸籍管理塔で管理されていた。
 
 叔父が反乱を起こすまではだが。

 その日の昼のことだ。いきなりうちに3000人の憲兵が殴り込んできた。ベルベ族はグルーにしては段違いの力持ちだったので父・ゴジャは憲兵レベルのグルーはものの3分ほどで全滅させた。父はものすごい速さで憲兵を素手で八つ裂きにしたのだ。

 しかし、無数の憲兵の奥に見えた影を見て父の手は止まった。そして一瞬のうちに真っ二つにされた。

 物陰に隠れていた私たち兄弟3人は衝撃のあまり泣きそうになった。

 だが、次の瞬間我々は目を疑った。父の死体の上に立っていたのは叔父のサナギだった。

 ベルベ・サナギは父・ゴジャの腹違いの弟だった。昔から仲が良く王になった時は補佐として前の王のベッドルームのドアの前で立ち、誰かが来てこの謀反を見つかってはならんと近寄って来たものを暗闇の中問答無用で切り殺した。したいの中には同じく謀反を企てた「同士」もいたという。

 だがある時彼らの中は悪くなる。暴君であった前の王を殺したゴジャはとても褒め称えられたのに対し、ドアの前で罪のない者の死体の山を作ったサナギはひどく非難された。

 さらにそれを見かねたサナギの母はゴジャの母を殺した。そしてそれを聞いたゴジャはサナギの母を見つけるやいなや犯して殺し、死体を八つ裂きにして焼いてサナギの前で食べたのだ。

 私たち兄弟はベルベ・ゴジャを即刻離れ、父と幼馴染のマルコの治めるディ・マルコスへと逃げた。

 それから私たちの戦いが始まった。

 兄のベルベ・スペード、弟のベルベ・ジョーカー、そして私ベルベ・クローブ。私たち3人はサナギを殺さんと誓いを立てた。8年も前の出来事である。
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