詩集・風の刻印

るりさん

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詩集・風の刻印

簒奪の歴史

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簒奪の歴史

 耐えることは、楽だった
 そこにあって少しも動かぬ
 どっしりとした川底の石のように
 または、大地を掴む木の根のように

 謀略の道具になるために産み落とされ
 隣国の衣装を身にまとい
 風化しきった石碑のように玉座に座る

 その矛盾と理不尽の中から
 逃げ出すことは許されず
 やがて、そんな考えすら消されていった

 それが
 まわりをどれだけ苦しめたことか

 全てを奪われたその日
 耐えることしか知らなかった川底の石は
 大きな嵐に
 その濁流にひっくり返され
 流れの緩い下流に静かに落ち着いて

 また新たな小石が
 その後を埋めた
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