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第一章 四葉のクローバー
四枚の葉と一つの軸
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少し草原を進むと、三人は確実に南に進んでいるにもかかわらず、疲れてきてしまった。エリクは荷物を持って疲れていたし、リゼットとジャンヌは喧嘩をして、錬術を使ったり狩をしたりする元気がなくなっていた。陽が落ちる直前、エリクは空腹を思い出し、先程残したランチをみんなで仲良く食べようと提案した。あまりの空腹と疲れで、他の二人は賛成するしかなかった。
「こりゃ、馬がいるわね」
夕食の途中、周りの草をどかしたり倒したりして焚火をし、そこを囲っている二人に、リゼットが提案した。
「荷物を持つ専用の馬ならいいわよ。じゃなきゃ、誰が乗るかでまた喧嘩になるでしょ」
ジャンヌが返す。
「まあ、喧嘩するのは私たち二人だけなんだけどね」
そう言って、ふと、ジャンヌはエリクを見た。
「ねえ、エリク。あんた、家族は何人がいいの?」
「家族?」
聞き返したのは、リゼットだった。
「うん、家族。あの手紙には、エリク、家族を作りなさいって書いてあったんだよね。家族を作って、この町ではない、どこか遠い場所で暮らしなさいって」
「そうだったのね」
リゼットは、なんとなく納得してエリクを見た。エリクは、先程倒した草むらの中から何かを探している。見ると、クローバーの茂みだった。
「何か落としたの?」
リゼットか問いかけると、エリクは首を振って、こう答えた。
「あ、ほら、あった。四葉のクローバー」
エリクは、顔を上げて二人に自分の手に持っているクローバーの葉を見せた。
「わあ、確かに四葉だ。ラッキーじゃん。見つけると幸せになれるっていう! よくこんな暗いところで見つけたね!」
ジャンヌが感嘆の声を上げると、エリクは嬉しそうに笑った。そして、自分の手につまんだ四葉のクローバーの茎と葉をそれぞれ指さした。
「僕は、この軸、そしてあと四枚の葉は、家族」
「じゃあ、エリクの家族は五人ね」
頬杖をついて、リゼットが笑う。すると、エリクもジャンヌもつられて笑っていた。
「四葉のクローバーの家族か。私たち、幸せになれるといいな」
そう言って、ジャンヌが微笑んだまま頬杖をついた。緩やかな時間が三人の間に流れていた。
三人は、しばらく焚火を眺め、その火が小さくなって消えてしまうと、柔らかな草の上で眠った。
エリクには、初めての野宿だった。
「こりゃ、馬がいるわね」
夕食の途中、周りの草をどかしたり倒したりして焚火をし、そこを囲っている二人に、リゼットが提案した。
「荷物を持つ専用の馬ならいいわよ。じゃなきゃ、誰が乗るかでまた喧嘩になるでしょ」
ジャンヌが返す。
「まあ、喧嘩するのは私たち二人だけなんだけどね」
そう言って、ふと、ジャンヌはエリクを見た。
「ねえ、エリク。あんた、家族は何人がいいの?」
「家族?」
聞き返したのは、リゼットだった。
「うん、家族。あの手紙には、エリク、家族を作りなさいって書いてあったんだよね。家族を作って、この町ではない、どこか遠い場所で暮らしなさいって」
「そうだったのね」
リゼットは、なんとなく納得してエリクを見た。エリクは、先程倒した草むらの中から何かを探している。見ると、クローバーの茂みだった。
「何か落としたの?」
リゼットか問いかけると、エリクは首を振って、こう答えた。
「あ、ほら、あった。四葉のクローバー」
エリクは、顔を上げて二人に自分の手に持っているクローバーの葉を見せた。
「わあ、確かに四葉だ。ラッキーじゃん。見つけると幸せになれるっていう! よくこんな暗いところで見つけたね!」
ジャンヌが感嘆の声を上げると、エリクは嬉しそうに笑った。そして、自分の手につまんだ四葉のクローバーの茎と葉をそれぞれ指さした。
「僕は、この軸、そしてあと四枚の葉は、家族」
「じゃあ、エリクの家族は五人ね」
頬杖をついて、リゼットが笑う。すると、エリクもジャンヌもつられて笑っていた。
「四葉のクローバーの家族か。私たち、幸せになれるといいな」
そう言って、ジャンヌが微笑んだまま頬杖をついた。緩やかな時間が三人の間に流れていた。
三人は、しばらく焚火を眺め、その火が小さくなって消えてしまうと、柔らかな草の上で眠った。
エリクには、初めての野宿だった。
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