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第十七章 風に舞う葉
これから
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次の日の朝早く、エリクは早起きをしてシリウスとアースに話をして、ナリアのところへ行った。すると彼女たちが寝泊まりしている家の軒先で、母に会った。
母、エルヴィールは朝食当番のため、リゼットと一緒にお店の方にパンを焼きにいくところだった。料理はほとんどしたことがないため、リゼットに教わりながらだった。リゼットは一人暮らしが長かったためパンを自分でよく焼いていたのだ。
エリクは、たくさんの丸太を組んで作られた家のドアをノックした。するとセベルが出てきたのでナリアに会いに来たことを伝えると、一緒に奥の部屋へ行ってくれた。
「エリク、君は今何かに疑問を持っているんだね」
セベルがそう聞いてきたので、エリクは目を丸くしながらも頷いた。
「はい。でもどうしてわかるんです?」
聞き返すと、セベルは優しく笑った。
「そんな顔してる。だから師匠やシリウスも君をここによこしたんだろう」
「アースさんも、わかっているんですね」
答えると、セベルは嬉しそうに笑った。
そして、ナリアのいる部屋の前に着くと、ドアをノックした。
すると、どうぞという声が聞こえたので、セベルがドアを開けた。
部屋にはナリア一人だったが、いつもと違い、長い銀の髪を解いて櫛をかけている彼女はどこか、いつもの神聖さよりも艶めいた魅力を持っていた。
セベルはナリアの部屋に残った。エリクはナリアと二人だけだと緊張してしまうだろう。
エリクは、ナリアとセベルを交互に見た。ナリアは何も言わずに笑ってくれたので、エリクは彼女にこう告げた。
「ナリアさん、レストランはこのままではいけないと思います」
その言葉を受けて、ナリアは自分の髪を梳くのをやめて、ベッドの上に櫛を置いた。エリクが話を始めたので、彼女は興味深げにエリクを見た。
「アースさんとシリウスさんと、昨夜少し話したんです。確かにレストランはうまく行っているし、この先もうまくいくと思う。でも、それじゃダメなんだ。このままだったらローマの時と同じで、レストランは終わって、僕たちは旅立たなければならなくなってしまう」
エリクの意見に、ナリアは優しく笑った。
「では、エリクはどうしたらいいと思いますか?」
エリクは、ナリアが話を聞いてくれたので、心強くなった。なので、次の意見がするすると出てきた。
「レストランは、そんなに派手に繁盛しなくてもいいと思うんです。ただ、この村や、この村に移住してきた人とか、旅行者の人たちの心地よい居場所や休憩場所になればなって。この村で根付いて、クロヴィスの花屋さんもちゃんとやって、みんなが幸せになれるには、今みたいな流行り方だと、僕らだけが忙しくて、居場所がなくなっちゃう。そう思うんです。今のままだとショービジネスとそんなに変わらないってアースさんも言っていました」
エリクの言い分を聞いていたナリアは、満足そうに頷いた。
そして、エリクをしっかりと正面に見据えると、その手をとってこう言った。
「おそらくここ一週間はショービジネスの状態でしょう。それは受け入れてください。しかし、それから二週間、三週間と経つうちにどこかに変化があるはずです。それを見ていきましょう」
ナリアはそう言って、エリクの手を離した。ナリアの温かい手が離れていくことに一瞬、エリクは不安を覚えたが、それでもナリアの手が離れることで、自分の考えをきちんと伝えられたことに誇りが持てるようになっていた。
エリクは、ナリアに丁重に挨拶をしてその場を去った。顔が真っ赤になっていた。
庭に出るとパンを焼くいい香りが店の方から漂ってきた。急いで自分の泊まっている家に帰ると、残りの二人がエリクの分まできちんと準備をして待っていてくれた。
ナリアの出した答えをアースとシリウスに知らせると、二人は納得してくれた。しばらくすると時間が来たので、準備をしてレストランに向かった。
母、エルヴィールは朝食当番のため、リゼットと一緒にお店の方にパンを焼きにいくところだった。料理はほとんどしたことがないため、リゼットに教わりながらだった。リゼットは一人暮らしが長かったためパンを自分でよく焼いていたのだ。
エリクは、たくさんの丸太を組んで作られた家のドアをノックした。するとセベルが出てきたのでナリアに会いに来たことを伝えると、一緒に奥の部屋へ行ってくれた。
「エリク、君は今何かに疑問を持っているんだね」
セベルがそう聞いてきたので、エリクは目を丸くしながらも頷いた。
「はい。でもどうしてわかるんです?」
聞き返すと、セベルは優しく笑った。
「そんな顔してる。だから師匠やシリウスも君をここによこしたんだろう」
「アースさんも、わかっているんですね」
答えると、セベルは嬉しそうに笑った。
そして、ナリアのいる部屋の前に着くと、ドアをノックした。
すると、どうぞという声が聞こえたので、セベルがドアを開けた。
部屋にはナリア一人だったが、いつもと違い、長い銀の髪を解いて櫛をかけている彼女はどこか、いつもの神聖さよりも艶めいた魅力を持っていた。
セベルはナリアの部屋に残った。エリクはナリアと二人だけだと緊張してしまうだろう。
エリクは、ナリアとセベルを交互に見た。ナリアは何も言わずに笑ってくれたので、エリクは彼女にこう告げた。
「ナリアさん、レストランはこのままではいけないと思います」
その言葉を受けて、ナリアは自分の髪を梳くのをやめて、ベッドの上に櫛を置いた。エリクが話を始めたので、彼女は興味深げにエリクを見た。
「アースさんとシリウスさんと、昨夜少し話したんです。確かにレストランはうまく行っているし、この先もうまくいくと思う。でも、それじゃダメなんだ。このままだったらローマの時と同じで、レストランは終わって、僕たちは旅立たなければならなくなってしまう」
エリクの意見に、ナリアは優しく笑った。
「では、エリクはどうしたらいいと思いますか?」
エリクは、ナリアが話を聞いてくれたので、心強くなった。なので、次の意見がするすると出てきた。
「レストランは、そんなに派手に繁盛しなくてもいいと思うんです。ただ、この村や、この村に移住してきた人とか、旅行者の人たちの心地よい居場所や休憩場所になればなって。この村で根付いて、クロヴィスの花屋さんもちゃんとやって、みんなが幸せになれるには、今みたいな流行り方だと、僕らだけが忙しくて、居場所がなくなっちゃう。そう思うんです。今のままだとショービジネスとそんなに変わらないってアースさんも言っていました」
エリクの言い分を聞いていたナリアは、満足そうに頷いた。
そして、エリクをしっかりと正面に見据えると、その手をとってこう言った。
「おそらくここ一週間はショービジネスの状態でしょう。それは受け入れてください。しかし、それから二週間、三週間と経つうちにどこかに変化があるはずです。それを見ていきましょう」
ナリアはそう言って、エリクの手を離した。ナリアの温かい手が離れていくことに一瞬、エリクは不安を覚えたが、それでもナリアの手が離れることで、自分の考えをきちんと伝えられたことに誇りが持てるようになっていた。
エリクは、ナリアに丁重に挨拶をしてその場を去った。顔が真っ赤になっていた。
庭に出るとパンを焼くいい香りが店の方から漂ってきた。急いで自分の泊まっている家に帰ると、残りの二人がエリクの分まできちんと準備をして待っていてくれた。
ナリアの出した答えをアースとシリウスに知らせると、二人は納得してくれた。しばらくすると時間が来たので、準備をしてレストランに向かった。
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