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現状を把握しよう
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時間を越えた。
体が妙にずっしりと鈍っているの感じる。この頃は運動不足だったっけ。これは鍛えるのに苦労が必要だ。またあの苦しみを味わうのか。はぁ。
クロノの言い分で、部屋にいるときは、なるべくスマホをベッドの頭辺りに立てておくことにした。何もしていないのは暇なんだと。
さてと、まずは現状把握からだな。
ベッドの布団をめくると、なんとも言えない清々しさを全身に受けた。そしてじとっと汗をかいていることに気がついた。服の首もとを前後し空気を送る。あー涼しい。つーことは夏か。
スマホの日にちを確認すると、8月14日と書いてある。
もはや夏でいいだろうに。夏休みを延ばせ。
頭でそう思いながら、勉強机の本棚を探る。
「何してるんだ?」
スマホからクロノが僕の行動に質問する。
「ノート探してるんだよ。っとこれこれ」
百均で買っておいたノートが新品で袋に入ったまま突っ込んであった。多分足らなくなった時の買い置きだろう。我ながら几帳面何だかがさつなんだか。
スマホを拾い、ベッドから勉強机に移し、筆箱からペンを取り出してノートを広げる。
これは僕が高校を卒業してしばらくしてから身につけたスタイルである。ノートにとりあえず考えを色々と書き込み、考えを整理する。
「さて、クロノ君。君にいくつか質問させてもらう。よろしいね?」
「お、おう。何だその口調?」
「気にするな。」
僕は圧迫面接官さながら、肘をつき、クロノに見下ろして質問する。
「まずクロノ。僕は何をすれば帰られるんだ?」
「え、あぁ、えっ、帰るの?」
「帰るよ!当たり前じゃんか!」
何でそこで狼狽えるんだよこっちが驚きだよ!先が思いやられるぜ全く。とりあえず僕の考えを話す。
「別に僕は過去に戻りたい訳じゃなかったんだ。お前が新手の詐欺師かと思ってからかってやろうとしたら、これだよ。マジもんだよ。」
「いやいや、過去をやり直せるんだぜ?ショウジにとっても悪くない所か願ったり叶ったり何じゃないの?」
見方によっては、いや、一般的には過去を変えるなんてことをするのはとても魅力的だ。過去の失敗を取り戻すことができる時点でチートである。そういや「死に戻り」なんてのをどこかのラノベで見たことがあったな。
やり直せる。
大学入試の問題も下見できるし、宝くじの番号も予めわかる。過去をやり直すってのは、無限の可能性を秘めている。
しかし、僕はそんなまやかしの希望を捨てた。
まやかしであり、幻であり、虚無であるから捨てたのだ。過去を「変えることができないもの」と割りきることができたからこそ、今の自分があると思っている。別に過去をやり直そうとは思わない。
...。
あれ、
今の状況は「変えられる」状況...か?
やばい、変えられる奴だ。おいおい、なんということだ。余りにも非現実的で実感が湧かなかった。
「変えられる」じゃないか!
「おーい、何考えてるんだよー?」
「うるせぇちょっと黙ってろ」
変えられる。
何から変える?体か?体だな。まずは運動しないと。基盤となる体が良くないと他が全て瓦解しかねないからな。
その次は、、、んー、多過ぎてまとまらない。とりあえずノートに書きまくろう。
ノートに書き込む。
ノートに書き込む。
書き込む。
「ふぅ。」
目を閉じて、少し息を整える。
「ふぅ。じゃなくて、で、何してるんだい?」
「いや、変えられるものをひたすら書いてた」
「あっそぉ、で、帰るの?」
「いや、帰らない。せっかく過去が「変えられるもの」になってるんだ。変えてやるさ。」
「そうなの良かったね。で、話はおわり?」
あれ、何の話だったっけ?
そうだ、僕が帰るための目的を考えてたんだ。
でももう意味ないよな、帰らなくてもいいんだし、
「あ、ちなみに頼みを聞いてくれないと良くないことが起こる。そのつもりで」
「何だよ良くないことって、」
急にふわっとしたな、まぁついでに頼みを聞くくらいならしてやろう。なにせ、過去を変えるという機会をいただいたのだからな。
「で、何だっけ、その頼みって?」
「あの時に言ったよね、過去を改竄しようとしている者がいるって。そいつを突き止めて、元の時間に戻す。これが君の最終ミッションだ。」
なるほど、そういうことね。
ノートに書き込む。
とすると、
「どうやって探すんだ?その犯人っての?まさか、この世界中のどこかにいるってんじゃないだろうな?」
「大丈夫だよ。ちゃんと大まかな場所と時間は把握している。だからこの時間に飛んだんだ。」
ほう、そこんところはちゃんとしているんだな。てか、高校生活を送りながら世界の犯人を探すって、一体何年休学すれば果たせるんだって話だよな。ほっとしたぜ。
時間は今らへんか。で、問題は
「ok。で、その場所ってのはどこなんだ?」
「君の通っていた、いや現在は通っている、
高校だよ。」
「高校?」
高校に、その改竄者がいるっていうのか?
改竄者は、一体どうやって、何を思って高校なんかに行く必要が?あれか、大学の第一志望滑ったのか?それでテスト問題頭に持ち帰ってる感じか?
「君の高校にいる。というか、そこら辺の座標から時空の歪みが観測されたんだよ。だから君には、高校に通いながら、その改竄者を探してほしい。」
歪み、か。そこんところはよくわからんが、要するに僕の高校にいる改竄者を探せば良いわけだ。
ふと気になる。
「あれ、僕と同じく意識だけ時間を飛んだのか?」
「まず間違いないだろう。ボクの時代でも肉体程のデータ量を運ぶ技術はないからね。」
なるほど、学校の人物の中に、誰かが未来の意思を持っているわけだ。うーん、だが
「なぁ、それでもかなり難しい気がするんだが、」
我が校は一般的な高校と比べて生徒数が少ない方ではある。しかし、だからといってその大勢の中から一人を絞り混むってのは、 なかなか酷だ。
「ま、まぁ何とかなるよ。ほら、暮らしていけば違和感出たりするし、ね?」
スマホ内のクロノの笑顔がひきつる。ははーん、無策だなまさか。
「これは骨が折れるぞ、」
ひきつる笑顔からため息が漏れる。違和感といっても、高校時代にろくな思い出がない僕がそんなもの覚える訳がないんだがなぁ。
こうして、無理難題を解決するための過去生活が始まった。
8/14。
夏休みがそろそろ終わりそうである。あの頃の苦い経験からしばらくが経過した、今が丁度その頃だ。当時は、何を考えていたのだろう。きっと学校が始まるまで、推測だけの恨みを募らせていた事だろう。コウが何故あのような事をしたのかは謎のままだ。だが、
そんなことはどうでもいい。
誰が何を思おうが、僕の人生にとっては、どうでもいい。僕でないものを僕が変えることはできない。ならば、考えるだけ仕方がない。今ならそう思える。
時刻はそろそろ7時を回ろうとしている。
よし、まずは
運動から始めよう。
過去ノート
20××年/8/14
クロノの言い分
1.過去には戻れる。が、過去を変えられる。
2.僕が過去に飛ばされた目的は、時間の改竄者を突き止め、そいつを元の時間に送還することである。
3.改竄者の手がかり
3.1.高校(か、その周辺)のどこかにいる。
3.2.最近時空の歪みが確認された。最近から差異があると思われる。
やること
1.まずは痩せる。体は資本。体調は全ての軸となる。
2.勉強は基本。とりあえず成績に不安がない程度にはあげよう。ついでに興味のある科目を掘り下げて色々と知識を蓄えよう。この時間が大量にある機会を逃すて手はない。
3.部活は、やめておく。図書館で本を借りる程度で。
etc.etc.
※今出来ることはこれくらいなので、ここまでとする。
日記
時間を飛ぶとは予想外だった。
しかし、過去をやり直すメリットはとても大きい。バタフライ効果が怖いところだが、今考えると、現代が進行することも何が起こるか分からない。過去干渉によるバタフライ効果もそれは変わらない。ならば、好きなだけ動かせてもらおう。つっても目立たぬように。改竄者に勘づかれる可能性を考えないといけないからな。
とりあえずやることは、標準体型にまで鍛えること。
では、おやすみ。
体が妙にずっしりと鈍っているの感じる。この頃は運動不足だったっけ。これは鍛えるのに苦労が必要だ。またあの苦しみを味わうのか。はぁ。
クロノの言い分で、部屋にいるときは、なるべくスマホをベッドの頭辺りに立てておくことにした。何もしていないのは暇なんだと。
さてと、まずは現状把握からだな。
ベッドの布団をめくると、なんとも言えない清々しさを全身に受けた。そしてじとっと汗をかいていることに気がついた。服の首もとを前後し空気を送る。あー涼しい。つーことは夏か。
スマホの日にちを確認すると、8月14日と書いてある。
もはや夏でいいだろうに。夏休みを延ばせ。
頭でそう思いながら、勉強机の本棚を探る。
「何してるんだ?」
スマホからクロノが僕の行動に質問する。
「ノート探してるんだよ。っとこれこれ」
百均で買っておいたノートが新品で袋に入ったまま突っ込んであった。多分足らなくなった時の買い置きだろう。我ながら几帳面何だかがさつなんだか。
スマホを拾い、ベッドから勉強机に移し、筆箱からペンを取り出してノートを広げる。
これは僕が高校を卒業してしばらくしてから身につけたスタイルである。ノートにとりあえず考えを色々と書き込み、考えを整理する。
「さて、クロノ君。君にいくつか質問させてもらう。よろしいね?」
「お、おう。何だその口調?」
「気にするな。」
僕は圧迫面接官さながら、肘をつき、クロノに見下ろして質問する。
「まずクロノ。僕は何をすれば帰られるんだ?」
「え、あぁ、えっ、帰るの?」
「帰るよ!当たり前じゃんか!」
何でそこで狼狽えるんだよこっちが驚きだよ!先が思いやられるぜ全く。とりあえず僕の考えを話す。
「別に僕は過去に戻りたい訳じゃなかったんだ。お前が新手の詐欺師かと思ってからかってやろうとしたら、これだよ。マジもんだよ。」
「いやいや、過去をやり直せるんだぜ?ショウジにとっても悪くない所か願ったり叶ったり何じゃないの?」
見方によっては、いや、一般的には過去を変えるなんてことをするのはとても魅力的だ。過去の失敗を取り戻すことができる時点でチートである。そういや「死に戻り」なんてのをどこかのラノベで見たことがあったな。
やり直せる。
大学入試の問題も下見できるし、宝くじの番号も予めわかる。過去をやり直すってのは、無限の可能性を秘めている。
しかし、僕はそんなまやかしの希望を捨てた。
まやかしであり、幻であり、虚無であるから捨てたのだ。過去を「変えることができないもの」と割りきることができたからこそ、今の自分があると思っている。別に過去をやり直そうとは思わない。
...。
あれ、
今の状況は「変えられる」状況...か?
やばい、変えられる奴だ。おいおい、なんということだ。余りにも非現実的で実感が湧かなかった。
「変えられる」じゃないか!
「おーい、何考えてるんだよー?」
「うるせぇちょっと黙ってろ」
変えられる。
何から変える?体か?体だな。まずは運動しないと。基盤となる体が良くないと他が全て瓦解しかねないからな。
その次は、、、んー、多過ぎてまとまらない。とりあえずノートに書きまくろう。
ノートに書き込む。
ノートに書き込む。
書き込む。
「ふぅ。」
目を閉じて、少し息を整える。
「ふぅ。じゃなくて、で、何してるんだい?」
「いや、変えられるものをひたすら書いてた」
「あっそぉ、で、帰るの?」
「いや、帰らない。せっかく過去が「変えられるもの」になってるんだ。変えてやるさ。」
「そうなの良かったね。で、話はおわり?」
あれ、何の話だったっけ?
そうだ、僕が帰るための目的を考えてたんだ。
でももう意味ないよな、帰らなくてもいいんだし、
「あ、ちなみに頼みを聞いてくれないと良くないことが起こる。そのつもりで」
「何だよ良くないことって、」
急にふわっとしたな、まぁついでに頼みを聞くくらいならしてやろう。なにせ、過去を変えるという機会をいただいたのだからな。
「で、何だっけ、その頼みって?」
「あの時に言ったよね、過去を改竄しようとしている者がいるって。そいつを突き止めて、元の時間に戻す。これが君の最終ミッションだ。」
なるほど、そういうことね。
ノートに書き込む。
とすると、
「どうやって探すんだ?その犯人っての?まさか、この世界中のどこかにいるってんじゃないだろうな?」
「大丈夫だよ。ちゃんと大まかな場所と時間は把握している。だからこの時間に飛んだんだ。」
ほう、そこんところはちゃんとしているんだな。てか、高校生活を送りながら世界の犯人を探すって、一体何年休学すれば果たせるんだって話だよな。ほっとしたぜ。
時間は今らへんか。で、問題は
「ok。で、その場所ってのはどこなんだ?」
「君の通っていた、いや現在は通っている、
高校だよ。」
「高校?」
高校に、その改竄者がいるっていうのか?
改竄者は、一体どうやって、何を思って高校なんかに行く必要が?あれか、大学の第一志望滑ったのか?それでテスト問題頭に持ち帰ってる感じか?
「君の高校にいる。というか、そこら辺の座標から時空の歪みが観測されたんだよ。だから君には、高校に通いながら、その改竄者を探してほしい。」
歪み、か。そこんところはよくわからんが、要するに僕の高校にいる改竄者を探せば良いわけだ。
ふと気になる。
「あれ、僕と同じく意識だけ時間を飛んだのか?」
「まず間違いないだろう。ボクの時代でも肉体程のデータ量を運ぶ技術はないからね。」
なるほど、学校の人物の中に、誰かが未来の意思を持っているわけだ。うーん、だが
「なぁ、それでもかなり難しい気がするんだが、」
我が校は一般的な高校と比べて生徒数が少ない方ではある。しかし、だからといってその大勢の中から一人を絞り混むってのは、 なかなか酷だ。
「ま、まぁ何とかなるよ。ほら、暮らしていけば違和感出たりするし、ね?」
スマホ内のクロノの笑顔がひきつる。ははーん、無策だなまさか。
「これは骨が折れるぞ、」
ひきつる笑顔からため息が漏れる。違和感といっても、高校時代にろくな思い出がない僕がそんなもの覚える訳がないんだがなぁ。
こうして、無理難題を解決するための過去生活が始まった。
8/14。
夏休みがそろそろ終わりそうである。あの頃の苦い経験からしばらくが経過した、今が丁度その頃だ。当時は、何を考えていたのだろう。きっと学校が始まるまで、推測だけの恨みを募らせていた事だろう。コウが何故あのような事をしたのかは謎のままだ。だが、
そんなことはどうでもいい。
誰が何を思おうが、僕の人生にとっては、どうでもいい。僕でないものを僕が変えることはできない。ならば、考えるだけ仕方がない。今ならそう思える。
時刻はそろそろ7時を回ろうとしている。
よし、まずは
運動から始めよう。
過去ノート
20××年/8/14
クロノの言い分
1.過去には戻れる。が、過去を変えられる。
2.僕が過去に飛ばされた目的は、時間の改竄者を突き止め、そいつを元の時間に送還することである。
3.改竄者の手がかり
3.1.高校(か、その周辺)のどこかにいる。
3.2.最近時空の歪みが確認された。最近から差異があると思われる。
やること
1.まずは痩せる。体は資本。体調は全ての軸となる。
2.勉強は基本。とりあえず成績に不安がない程度にはあげよう。ついでに興味のある科目を掘り下げて色々と知識を蓄えよう。この時間が大量にある機会を逃すて手はない。
3.部活は、やめておく。図書館で本を借りる程度で。
etc.etc.
※今出来ることはこれくらいなので、ここまでとする。
日記
時間を飛ぶとは予想外だった。
しかし、過去をやり直すメリットはとても大きい。バタフライ効果が怖いところだが、今考えると、現代が進行することも何が起こるか分からない。過去干渉によるバタフライ効果もそれは変わらない。ならば、好きなだけ動かせてもらおう。つっても目立たぬように。改竄者に勘づかれる可能性を考えないといけないからな。
とりあえずやることは、標準体型にまで鍛えること。
では、おやすみ。
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