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1章 優の夢

1. きもちいいゆめ

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夢を 見ていた

とっても気持ちのいい夢
いつまでも見ていたいような あたたかな夢

貴臣たかおみの大きな手が、僕の体中を愛撫して、耳元で優しく僕の名前を呼んでいる。

ゆう――優」

幸せなのに、それだけで何故か涙が出る。

「貴臣――貴臣――」

何度も名前を呼ぶ。

僕の体はいつものように、彼を求めて全身火が付いたように熱くなる。
Ωオメガの体は唯一の相手とつがったときから、ただ一人のつがいの為の体に作り替えられる。

僕は子供の頃からずっと貴臣が好きだった。

でも、とりたてた所のない地味な僕が、大きな家の跡取り息子で、他のα達と比べてもとびぬけて目立つ優秀な貴臣と結ばれる事があるだなんて、思ってもいなかった。
周りより頭ひとつとびぬけた長身に、育ちのよさが現れた姿勢のいい、すっきりとした立ち姿。
やわらかなすこし明るい髪の色と、柔和な微笑み。穏やかに話す低い声のトーン。
彼の何もかもが輝いて見えた。

だから、中学生の時、彼が僕を好きだと言ってくれて、つがいにしてくれた時は本当に夢のようで、嬉しくて嬉しくて、僕は沢山涙を流した。

高校生で初めて貴臣に抱かれた時、僕は初めての発情期で、僕のΩフェロモンで貴臣もαフェロモンを誘発されて、二人とも訳が分からなくなって本当に大変だった。

貴臣はでもそんな中でも優しかったと思う。僕にひどい事をしないように懸命に抑えてくれていた。いつか彼に抱かれたいと思っていたけど、初めてはやっぱり怖かった。

お尻の穴が信じられないくらい濡れて、僕はどうしていいか分からなかった。
貴臣が与えてくれる愛撫の何もかもが気持ちよくて、僕は顔中涙でぐちゃぐちゃにしながら、前からも後ろからもだらだらと漏らした。

貴臣はそれを塗りたくるように指で広げて、太い指でお尻の穴の中をかき回されて僕は何度も小さくイった。

初めて見る貴臣のモノは信じられないくらい大きかった。

そんなの絶対入らないって思ったけど、発情期の僕は痛みも感じずあっさりとそれを飲み込んで、気持ちよすぎてアンアン喘いだ。

貴臣のペニスはα特有の凶悪な形状をしていて、付け根の瘤までぎゅっと押し込まれて、そのまま一晩中抜かれずに精を注がれた。

αの精力はとても強くて、1度射精すると数時間続く。相手を確実に妊娠させるためのαだけの性質だ。

初めてなのに、沢山沢山精を注がれて、その時、僕の腹の中がはらに作り替わって行くのが分かった。
子どもを授かれる体。

Ωオメガは男でも子供を産める性だと言われている。
でも、それはαアルファつがった場合に限られている。

アルファの精を受け入れて初めてオメガ雄は子供を産める体へと性分化する。

アルファとオメガの番の絆がことさら強いと言われているのもその為だ。
アルファの精を受けて体を変えられたオメガは、その相手以外を受け付けなくなる。

首筋を噛まれる番の儀式を行う事で、オメガは番の相手のフェロモンにしか反応しなくなる。

それ以外の相手に抱かれると、強烈な拒絶反応が起きて嘔吐したり失神したりする。
それはアルファが自分のメスを他のオスに取られまいとする習性と関係していると言われている。

貴臣に一晩中精を注がれて、胎の中を熱く満たされて、彼の為だけの体になって、首筋を噛んでつがいにしてもらった。

初めてのセックスなのに、気持ちよくて夢中になった。

ゆう――優―愛してる……愛してる……」

貴臣に何度も名前を呼ばれて、僕もそれに何度も名前を呼び返した。

貴臣たかおみ――貴臣……僕も……好き……大好き……」




何度も何度もイって、出なくなっても中でイって、ビクビクと痙攣して頭の中が真っ白になった。

貴臣に強く抱きしめられて、挿れられたまま腕の中で眠って、今まで生きて来た中で最高に幸せな夜だと思った。





僕はこうなるために産まれたんだと、そう思った。


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