魔女はいまわの際に夢をみる

砂田透

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第8話 先輩ぃぃぃぃぃぃぃ

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「じゃぁ行ってきます」
「あ、太陽待って」

 施設を出発しようとした時、バタバタと陽葵が追いかけてきた。

「これ、死にそうだったら使って」

 手渡されたのは黄色いホイッスルだ。体育で先生が吹いているやつ。

「何これ」
「お守り。首から掛けといて」

 長い紐が付いているので、言われた通り首にかけた。折角見た目だけでもとカッコいい装備にしたのに、中央の黄色がダサさを醸し出している。ダサいとか言ったらここで吹きそうな事態になるので黙っておくけど。

「先輩も気を付けてね」
「ぴっ」
「危なかったら太陽を置いて逃げるか盾にするんだよ」
「ぴっ」
「肯定しないで先輩!」



 そんなやり取りがあったのが早朝。今、先輩と僕はダンジョンの入り口に立っていた。

「おう、坊主。お前さん、噂の亜種かい?」

 門番のいかついおっさんに声をかけられた。噂というのは、ギルド長がポンコツ亜種を発見したというもの。ノームとして生まれながらも、見た目や能力は味噌っかすで役に立たない僕を、見習いとして一から鍛えているという話にしたらしい。
 異世界人ということを隠すために仕方ないとはいえ、半分は面白がって噂を流してるよね、あの人……。
 ただ、亜種でもポンコツでも「ノーム」というのはこの国にとって一目置く存在らしく、噂の出所がギルド長本人ということで効果は抜群だった。瞬く間に広がったおかげで、早々にフードを取り、身分証を出すことなく街を歩けるようになった。

「そうそう、これ身分証。と、ダンジョン挑戦の許可証」
「確かに。初級とはいえ、油断してる奴がたまに死んでるからな。気を付けて行けよ」
「それは怖い。肝に銘じておくよ」

 門番の激励を背に、中へと入っていく。

「へぇ、中は思ってたより明るいね」
「ぴぃ」

 光源があるようには見えないのに、洞窟状になっている内部は間接照明のような明るさが広がっていた。
 ギルドに登録して数か月、自身のレベルや能力の数値などが一切わからない中でも、
ギルドで初級のクエストを受けてはなんとかクリアする日々を続けていた。
 この世界の住人用に作られた武具は、魔女由来とやらの魔力が無ければ持ち上げる事すらできなかったので、特別に「何の変哲もないただの武具」を作ってもらった。
 なんとギルド長お手製である。
 武具は全てノームが作成しており、中でも長たるギルド長の腕は世界一なのだとか。
 そんな人が見習い冒険者に特注してくれたわけだが、いつか身の毛もよだつ様な見返りを求められそうで怖い。
 
「おりゃぁ!」

 次々殴りかかってくるゴブリンを剣で薙ぎ払う。筋力はまだまだだが、魔力を乗せた剣なら威力は面白いほど上がる。
 切れ味と高度を高めることをイメージして、練った魔力を武器に伝えていく。
 作ってもらった武具は三つ。近距離用の片手剣と、身を守るための片手用盾。そして遠距離用の弓矢。
 パッシブスキル、全武器適合のおかげで剣と弓矢はすぐに扱えるようになったが、防具は範囲外らしくて苦労した。構えるだけなんだけど、剣の邪魔にならない動きや効果的な防ぎ方がなかなか掴めなかった。
 集中してイメージをすることで感じられるようになった魔力も、盾の強化にはまだ使えない。
 陽葵は魔力の体外使用が出来ない珍しいタイプらしく、武器・防具の指導は無理だと断られたが、代わりに模擬戦に何度も付き合ってくれた。

「ぴぃぃぃぃ」

 先輩の警戒音。上を向き、僕を誘導するように数メートル先を目掛けて方から飛び降りた。

「天井が⁉」

 次第に大きくなるゴゴゴという振動の後、つかえが取れたように一気に落ちてきた。間一髪で先輩の元に辿り着き、自分のいた場所を見つめる。

「危なかった……ありがとう先輩」
「ぴっ」

 少しでも遅れていたらミンチになっているところだ。
 ゲームでは死んだら街や神殿で生き返るか、アイテムを使用してその場で生き返るかだが、どうやらこの世界にそんなシステムはないらしい。
 重要な部分が現実的なことが多い。
 いくつかクエストをクリアしたと、【初級ダンジョン攻略】のクエスト。ギルド長と 陽葵に確認したが、ギルドを通さずクエストを受注することはあり得ないらしい。ましてや、チュートリアルは見たことも聞いたことも無いそうだ。
 初級ダンジョンに挑めるのは下から二番目のFランクから。しかも一人で挑戦する決まりらしく、聞いた感じでは難易度は低そうだと言ったら、二人にため息をつかれた。
 そのボーダーは、象徴と魔力によって底上げされた身体能力を持つ人類が基準であって、軟弱な異世界人には厳しすぎるとのこと。
 この世界の人たちの方がチートを持っているんじゃないかな。
 せめて、ボーダーの一個上くらいにはなっとけと言われ、めちゃめちゃ頑張った。
 頑張りを見てくれていたのか、半年でEランクくらいはあると判断され、特別にダンジョンへのチャレンジを許可してくれた。
 許可が出たのは切り札のおかげもあるだろう。


「ふぅ、一階は終わりかな」

 順調に進み、階段の前まで来た。
 事前に見せてもらったマップでは全三階層に別れており、それぞれを階段で降りていく仕組みらしい。

「見て先輩!魔石が沢山!」

 外ではモンスターの死骸は消えることはないが、ダンジョン内では魔力として吸収されるため倒すとすぐに消えてしまうらしい。
 消える際、モンスターの核となる魔石だけが残る。外でも、最初のイノシシのように体内のどこかにはあるので収集は可能だ。
 死骸が貴重な素材にもなるため、素材を採取したければ、消えてしまう前に自分の魔力でコーティングを丸っと鞄に入れるらしい。
 自分ははまだ出来ない上に鞄に入れる術が無いので素材回収は諦める。生きて帰ることが大事だ。
 陽葵の話によれば、一階層はGランク相当、二階層はFランク相当、三階層はEランク相当のモンスターがいるらしい。
 二階層は、サッカー場くらいある広場を駆け回るゴブリンライダーが相手だった。常に距離を取られてしまうが、相手も攻撃の際はこちらに近づく。
 時間はかかったが、なんとかクリアした。
 二階層では敵を倒すより、その後の階層への降下手段に肝が冷えた。

 カーンッ

「先輩、行けると思う?」
「ぴー……」

 次はこちらという案内が指示していたのは底の見えない崖だった。大きめの石を落としてみたが、結構深い。
 流石、身体強化がデフォルトな人用ダンジョン。
 このまま飛び降りる勇気は無かったので、持参したロープで可能なところまで下りて飛んだ。幸い思ったよりは距離が短かったようで、お尻を打ったくらいで済んだが、かなり痛かった。

 三階層はモンスターの数ががくんと減る分、だいぶ倒しにくくなる。相手はオーク。巨体が通路を塞いでしまうため、回避は困難で、一体一体地道に倒していくしかない。
 このレベルになると辛いのは、倒すまでの目安が分からないこと。ゲームの様なHP表記が無いため、自分の攻撃が相手をどのくらい削れているのか分かりにくい。根気強く斬撃を浴びせていく。
 ギルド長の話によれば、プーカは体のサイズを自在に変えられ、戦闘能力も高いという。
しかし、ギルドに初めて訪れた時に陽葵が言っていたように、ブラックプーカ……先輩に関しては情報がほとんどなく、能力は定かでないとのこと。
 僕が先頭をしている間の先輩はというと、今のところ隠れるために体をより小さくしているだけで、戦闘には全く参戦していない。
 時折応援するように鼻を鳴らしている。
 それでも、1人よりはずっと心強い。

 順調に進んでいたが、もうすぐラスボスエリアというところで、今までよりも大きなオークが二体同時に待ち構えていた。

「門番かな」

 これまでよりも開けた場所で、奥には大広間が見える。ゴールは近い。
 二体同時に攻撃され、いなしたり交わしたりするので精一杯で中々攻撃できない。

「⁉ 先輩、後ろに何かいる?」

 背後から視線を感じるが、よそ見をすると二体から振り下ろされるハンマーに潰されてしまう。代わりに肩に乗っているはずの先輩に問いかけるが、返事は無い。
 首を傾けても先輩の毛に触れない。
 もしかして、途中で降り落した⁉ 
 前から降ってくるハンマーをかいくぐり、隙を見て振り返った。
 遠くかすかに捉えられたのは、全力で来た道を戻る黒い毛の塊だった。

「嘘だろ⁉先輩ぃぃぃぃぃぃぃ」

 まさかの逃亡に叫ぶが、敵は待ってくれない。
 後ろには何もいなかったし、視線はとりあえず気にしないことにした。警戒心の強い先輩が通過したなら今は大丈夫なはず。

「あー、帰りたい」

 二体のオークをなんとか倒して、疲労困憊の中ラスボスエリアへと足を踏み入れた。スタートからどのくらい経ったか不明だが、ここまでノンストップで進んできたのでへとへとだ。
 加えて、突然一人にされて心細くなり、施設の布団がひたすらに恋しい。
 ラスボスはエリア中央に近づくと現れるらしいので、しばらく端の方で休息を取ることにした。おかみさんから貰った美味しい差し入れを頬張る。鞄に入れられないので、暴れても崩れないよう工夫してくれていた。
 お腹が満たされたら傷の手当。この世界のポーションは、超高回復で超高級なものしかなくて驚いた。聞けば失った腕が生えてくるレベル。異世界人の自分に効くかも怪しいが。
 身体能力・頑丈さが僕の常識外な彼らは、怪我自体するとしても軽度のものばかりで、わざわざ薬やアイテムを使用する必要はないそうだ。病気なんてほぼ無縁らしく、風邪すら知らなかった。
 菌やウィルス自体がいないなら問題ないが、存在して自分だけがかかると笑えない結末になりそうだ。
 インフルエンザにかかった時の苦しさを思い出してゾッとする。

「よし、行くか」

 体力は回復した。魔力も十分に練った。
 いざ、ラスボスへ。
 中央に近づくとポップアップが表示される。

【初級ダンジョンボス:ボスオーク】
【戦闘を行いますか】
【はい】【いいえ】

 はい、を選択するが何も起こらない。辺りを見回し、嫌な予感がして上を見ると巨大な何かが降ってくるのが見えて、転げながらなんとか避けた。

ドオンッ

 着地とともに地響きがする。
 今まで相手をしてきたオークの三倍は有りそうな巨体。体もさることながら、角がかなり大きく殺気がすごい。
 自分が今できるのは、剣で斬りつけることと、弓で遠隔攻撃することと、切り札のあれ。

「グオオオオオオオ」

 鼓膜が破れそうなほどの声量で叫んだ後、でっかい棍棒を振り回してくる。風圧がすごい。図体からは想像できないスピードで殴りかかってくるのを必死で避ける。剣で受け止めるには力も強度も足りない。

「早いけど……陽葵よりは全然遅い!」

 日頃の陽葵との模擬戦を思い出して身震いする。縦横無尽に飛び回り、容赦ない拳や蹴りを入れてくるのだ。自分の代わりに攻撃を受けた岩や地面が粉々に砕けるさまは、今考えても涙が出てくる。
 ボスオークの攻撃の規則性を見つけて切りかかったり、矢を放ったりしてみるものの効果はなさそう。刃は確かに当たっているのに傷もつかない。矢は硬い皮膚にはじかれて終わってしまう。
 生き物の弱点である目を狙ってみるが、急所なのは確かなようで防御がすごい。自分よりもずっと大きいモンスターの頭部付近は、攻撃を届かせるだけでも難しい。

「もう一つある」

 もう一箇所、左足の膝裏も防御を徹底していることに気が付き、あそこなら直接触れそうだと狙いを定める。
 しかし、近づき過ぎて攻撃を交わしきれなかった。かすった程度ではあるが、風圧に負けて壁にたたきつけられた。

「くっ……」

 剣を握っていた右肩に激痛が走り、動かせなくなってしまう。

「陽葵、使うよ!」

 もうこれ以上の戦闘は無理だと、陽葵にもらった笛を思い切り吹くが……、なんの音もしない。何度も吹いてみるが変化はなし。

「え、なんで……あ、これも魔道具……」

 嘘だろと、追いかけてくるオークから逃げるが、肩の激痛でうまく動けず、転げてしまう。

「ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ」

 踏み潰されそうになって、もう駄目かと思った時、先輩の鳴き声が響き渡った。

「先輩……⁉」

 声の方向から、ボスオーガを遥かに超えるサイズの黒い毛玉がどっすどっすと地面を揺らしながら猛スピードで走ってくる。
 ボスオークが驚いた隙に足元から抜け出す。先輩の迫力に気圧されのか、巨体は横に逃げようとするが、逃がしてはなるものかと、なんとかかかとに触れる。

「くらえ!」
 手のひらから魔力を注入すると、小さいながらも内側から破裂し、気をそらすことに成功した。
 これが切り札。ギルド長いわく、この世界にはない異質な魔力だからか、注入された箇所は魔力が中で反発して破裂するそうだ。絶対人には使うなと釘をさされている
 予想外の痛みで気がそれたボスオークは、突進してくる先輩に踏み潰された。
 先輩は止まれなかったのか怖かったのか、そのままエリアの端っこまで走り去ってしまった。
 ドーンと壁にぶつかる音がしたけど、きっと大丈夫。多分。

 オークは地面に半分めり込んでおり、先輩の体重とオークの頑丈さが伺えた。
 起き上がろうとするので、弱点の膝裏に慌てて触る。
 目一杯の魔力を注入し膝を破壊。膝からしたが弾け飛んで、盛大に血飛沫を浴びた。

「グアアアアアアアアアア‼」

 痛みに暴れるオークの腕をなんとかかいくぐり、手のひらにオークの眼球を押し付けて、渾身の魔力を注入した。

 バンッ

 弾け飛ぶ頭。動かなくなるオーク。血まみれの僕。

【ダンジョン攻略】
【クエストクリア:報酬 ショップコイン千枚】

 立て続けに成功を告げるポップアップが出たのを確認し、そこで意識が途絶えた。

 目を覚ますと、いつものサイズに戻った先輩が心配そうに寄り添っていた。

「おはよう先輩、助けに来てくれて嬉しいよ」

 傍らにはダンジョン攻略報酬らしき手袋が落ちていた。

【魔力増幅アイテム】

「これ、どうせ使えないんだろうなぁ。まいっか、帰ろうか」
「ぴぃ!」

 スムーズに帰れるかと思ったが、【出口はこちら】に従い扉を開けて崩れ落ちた。扉の奥には果てしなく長い階段。今まで降りてきた分を、一気に階段で上がれということだろうか。
 四つん這いになりながらもなんとか登りきった先には、夕日の中で陽葵が待っていた。

「お疲れ様。無事の攻略おめでとう!」
「無事って言うのかなぁ」

 モンスターの血で染まり、あちこち痛めて膝は大笑い。

「生きてるんだから無事だよ」
「そっかぁ」

 もう歩けそうになかったので、このまま野宿をすると言ったら陽葵に担がれた。労わってくれているのか、

「これ(脇に抱えられている)とお姫様抱っこどっちがいい?」
と選択肢をくれた。もちろん経験済みの「これ」でお願いをする。
 
 その日の夜、ご飯も食べずお風呂も入らず、泥のように眠るのだった。
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