隣人

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図書室で本借りる時、栞挟まってたことないですか?
ああいう時って「ああ、前の人はここで止まっちゃったんだなあ」って、何とも言えない気持ちになったりするんですよね。

この間、古典の授業でやった話の続きが気になったので、古典文学の書架を訪ねたんです。
埃こそ積もってはいないものの、ほとんど動いてないんだろうなあって言うのが感じられる一角です。

目当ての本は少し探して見つかったので、早速手に取りました。
そしたら、その本に1本髪の毛が挟まってて。飛び出していたそれを取り払おうと引っ張りました。

ズルっ・・・て。

引っ張った感触が、明らかに1本じゃないんですよ。
束になった髪が、ページに擦れて抵抗してる、みたいな。

いや、最後まで見てはいないんですが。
何も知らないふりして、書架に戻しました。
もうあの一角には近寄りたくないですね。
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