私なんて、ほんとはね。

あきよし

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あなたに あいたくて。

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私なんて、ほんとはね、近くで見たら肌がボコボコ、ガタガタよ。みんなに見られて恥ずかしい。

君はとっても美しい。
一寸先も見えないような暗闇を、照らしてくれる希望の光。

私なんて、ほんとはね、大きいだけの役立たず。みんなみたいに小さくて、かわいくなっていたかった。

君はとっても大切だ。他に代わるものなどないよ。
君がいるから暗闇も、正しい道を歩いていける。

私なんて、ほんとはね、年をとっているだけなのよ。若い子なんかにかなわない。

君にはね、素敵な魅力が溢れてる。若い子なんかじゃ、かなわない。

私なんて、ほんとはね、自分勝手に生きているの。自分の事しか考えない、そんな生き方してるのよ。

君だけが自分勝手なわけじゃない。みんなおんなじようなもの。自分勝手と気付いたら、君はやさしくなれるはず。

私なんて、ほんとはね、いつも寂しいひとり者。周りのみんなも寄ってこない。友達なんていないのよ。

君はひとりぼっちじゃない。君は知らないだろうけど、いつもみんなが君のこと、素敵だねって話してる。友達なんていうのはね、いつも一緒にいなくても、心が通じていればいい。


私なんて、ほんとはね、言いたい事も言えないの。嫌われちゃうのが怖いから。

君が怖がることはない。それなら僕に言ってごらん。



すると、かすかに微笑み、こう言った。


“時々でいい。私と一緒にお話ししてください。”


もちろんです。こちらの方こそお願いします。
それからね、僕から君へのプレゼント。

そう言うと太陽は、お月様と重なるように抱き合った。
そのシルエットは、まるで結婚指輪のようにも見えた。


普段は出会うことのない、太陽とお月様。
皆既日食のさなかに起きた、誰も知らない物語。

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