借金返済のため公爵様に身売りされました

ホシカ

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グロリア

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私はラインハルトの部屋から出ると、一目散に自室へと戻った。

ゼエゼエ息を切らし、ベッドに座る。



えっーーと、私、さっきラインハルトとあんなことやこんなことをしちゃった!?

イヤイヤイヤ、ないわー。





確かに、実の父親から売られた事実はかなりショックだった。

私の価値はドレス一枚分以下なのだから。

  

だからといって、ラインハルトに身を委ねるのは違う。

さっきの私は完全にラインハルトに身を任せされるがままになっていた。



レオのノックで助かった。

もうちょっと遅かったら……。



急に冷水をかけられた気分になり、私は両腕をさすった。

冷静に考えて結構やばいよね?

でも、無理矢理とは違うような……。



あと、ラインハルトからやたらと甘ったるい匂いがした。

庭でキスを強引にされたときはそんな匂いはしなかったのに。



気持ちがモヤモヤしたまま、ベッドでゴロンと横になった。





ドンドンドン



急にドアの叩く音が部屋に響き、私は慌てて起きた。



いつの間にか寝てしまったようだ。

窓から差し込んでくる夕日に思わず顔をしかめた。

昼ご飯を食べそこなったみたいだ。



まぁ、食堂で食べれるかどうかわからないが。





私はドアを開けると、そこには腕を組んで仁王立ちしている綺麗なご令嬢が立っていた。

腰まであるユルフワの金髪パーマをかけていて、ブルーアイズのきつい目つきが特徴だ。



ドレスがピンク色したリボンやフリルが沢山あり、派手な印象を受けた。



「あんたがミア?」

やたら馴れ馴れしく話す。



頭からの靴まで見定められ、不愉快MAXだ。



「ハイ」

「はあ? あんたみたいな薄汚いドブネズミみたいな奴のどこがいいのかしら」

ため息まじりにこちらを見下さす。



初対面なのに言動が失礼過ぎる。



「どちらさまでしょうか?」



どこかの由緒正しい家柄のご令嬢だったならば、メイドの失礼な態度は命取りだ。

下手したらクビだ。



「ハアアア? あんた、私を知らないのっ?! 信じらんないっ。ラインハルト様の婚約者のグロリア公爵令嬢よ」



見下されるように言われたが、ラインハルトの婚約者と公爵のワードを聞いて私は敬礼した。



「大変失礼しました。入ったばかりの新人でして、わかっておらず申し訳ございません」



「よっく言うわね。あんたのせいでこっちは婚約破棄されたのよ! 私はね、あんたと違って親同士で決めてんのっ。借金のために体売る女と同じにされちゃあかなわないわ」

グロリアは肩を怒らせ一気にまくし立てる。



「申し訳ありません。話がイマイチよくわからなくて」



バシッ



私は右頬をグロリアに思いきり平手打ちされた。

ジンジン痛む。



コイツ、思いきり叩きやがった。



私は手で右頬を擦りながら、鹿を殺す目つきでグロリアをギロッと睨む。

生半可な気持ちでメイドをやっているわけじゃない。

私が泣き出すと思っていたグロリアは一瞬怯んだ。



「婚約破棄が私のせいであるというのは初耳です。あと、体は売ってません。父の借金を返済するために私はメイドをしてるんです!」

努めて冷静に伝えた。

本音は返りうちにしてやりたい。

顔面を殴りたかった。



「ふんっ! そんなのは私には関係ないわよ。それよりラインハルト様に今後近づかないでよねっ! あんたがメイドしてから、彼は私に冷たくなったのよ? あんたさえいなければ、私は公爵夫人になれるのよっ! 邪魔しないで」

グロリアは息を切らしながら声高に叫んだ。



「どうかされましたか?!」

私達の争う声が廊下に響いたのか、一人のメイドが血相を変えて近づいてきた。



「シャティ!!!」

グロリアが叫んだので、私は近づいたメイドを見つめた。
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