借金返済のため公爵様に身売りされました

ホシカ

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誕生日パーティー

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誕生日パーティーが来ると、ブロック公爵邸は騒がしくなった。



私は朝からずっと先輩メイド達に体中磨かれ、何かを塗りたくられ、何日もかけて選んだドレス、靴、宝飾品を次々に着せ替えられていく。



一番大変だったのが、コルセットだ。

まるで拷問されるか如くギュウギュウに締められる。



「ウッ、く、苦しいっ!」

吐きそうになるのを堪える。



「ミア、辛いだろうけど頑張んな! 借金が半分になるんでしょ?」

先輩メイドリーダーのレイナが励ましてくれる。



彼女はシャティと違い私をイジメない。



むしろ、他のメイド達一人一人見守り、厳しく接していく。

面倒見が良いので、メイドの中では評判が良かった。





「吐きそう」

「だから、朝食食べるなって言ったのに……トイレ行ってきな」



私は頷くとトイレに一目散に駆け込んだ。

こんなシンドイ思いするなら代行なんてやらなきゃ良かった。

トイレからフラフラ出ると、先輩メイド達が気の毒そうに迎えてくれた。







ラインハルトの誕生日パーティーまで、私はメイドの仕事ではなく、マナーやダンス、来客リストの暗記など短期間でミッチリ勉強した。



マナー講師が朝から晩までヒステリック気味に公爵邸に響き渡るくらい叫んでいた。



先輩メイド達が何事か?と部屋に入って来るのは一度や二度ではなかった。



来客リストの暗記も大変だった。

誕生日パーティーに来る来客はざっと百人は下らない。



しかも、顔と名前を覚えるだけでなく、爵位、家族構成、趣味など話のネタまで頭に叩き込まないといけなかった。



紙に何度も書いたり、壁の至るところにメモを貼ったり、寝る前や隙間時間を見つけては、先輩メイド達とテストをしていた。



「私も社交界に憧れるけど、世の中甘くないわね」

ニアが頑張る私のために紅茶とクッキーを用意してくれる。



「ですね。でも、借金が半分になるならやらないと」

私は捻り鉢巻を頭に巻いて夜遅くまで勉強をしていた。



「ミア、確かに借金返すのも大事かもしんないけど、体壊したら元も子もないよ? 目の下にクマまで作って。むくみもあるし、明日はマッサージだね」



「イヤ、そこまでして頂かなくても」



「何言ってんのよ! 次期、ブロック公爵夫人になるかもしんないのに」

レイナがケラケラ笑う。



「えっ?? 次期公爵夫人って何のことですか? 代行としか聞いてないんですけど?」

私が聞き返したので、レイナは「しまった!!」という顔をしていた。



「そ、そうだったわ。婚約者代行だったわね。ウッカリしてた。アハハ」



いや、「アハハ」じゃないよ。

やっぱり、アイツ、騙しやがった。

旨い話には裏があるっていうけど、やっぱりそうだった。





誕生日当日は、公爵邸の大ホールで誕生日パーティーが開催された。



「ミア、俺がエスコートするからね」



ラインハルトはかなり上機嫌に来客達に挨拶をしていく。

私はラインハルトの腕を組みながら隣に立っていた。

マナー講座で学んだとおりに礼をしていく。



「ミア、マナーも所作も完璧だよ。しかも、来客の名前も間違えてないし、対応も素晴らしいよ」

ラインハルトにべた褒めされて悪い気はしなかった。



「借金が半分になりますから」



「本気で公爵夫人にならない? 全部借金がチャラになるよ。ミアなら出来る。むしろお願いしたい」



「お断りします」

私はキッパリと拒絶した。



「そう。まぁ、予想おりだね。あと、今から皆の前で誕生日パーティーの御礼を言ってくるから、ミアはココで待ってて」

私は頷くと、ラインハルトは大ホールの階段の上に行った。



たぶん、彼は今から皆の前で盛大にあることを伝えるのだろう。



「ご来賓の皆さん、今日は私の誕生日パーティーにいらして下さりありがとうございます。沢山のプレゼントまで頂き大変嬉しく思います。それと、私事ですが、あることをお伝えしたいです。実は……」



バタンッ



「キャッー」

「おいっ、誰か倒れたぞ!」

「医者を呼べ!!」

「口から何か血らしきものが出てる」

「嘘でしょ?! 毒?!」

「毒ですって?!」



私は口から大量にケチャップを出して倒れたフリをした。

ここまで大騒ぎするとは思わなかったけどね。



とりあえず、パーティーをぶち壊したことは大成功だ。

私はほそく笑みながら、ガッツポーズをとった。
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