【完結】にいちゃん。僕はクラスのギャルのことが好きなので、お尻を開発しないでください〜女の子とエッチ出来なくなったらどうするの!?〜

チョロケロ

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第一話 牧田さん、好き

 学校の昼休み。
 今日も一人ぼっちでご飯を食べた僕は、その後特にやることもなかったので、机の上にノートを広げ、絵を描いていた。
 どんな絵を描いているのかと言うと、『美少女』だ。僕はちょっと気の強いギャルが好きなので、髪は黒くない方が好ましい。よし、金髪のツインテールにしよう。それで、制服のスカートは短くて、ブラウスのボタンは谷間が見えるくらい開けていて……など妄想全開で理想の女の子を描いていたら、後ろから誰かがひょいと僕のノートを覗き込んだ。

青田あおたキモーい。また女の子描いてるー」

 その声にハッとして、僕は後ろを振り返った。
 声の主は牧田まきたさんだ。やったぁ! 牧田さんが話しかけてくれた!
 牧田さんは僕からノートを奪い取ると、他の友達にも見えるようページを開いてキャッキャと笑った。

「見て見てー。青田がまたキモい絵描いてるよー」

 牧田さんの友達の一人があははーと笑う。

「また牧田が青田イジメやってるよ。可哀想じゃん」
「だって青田ってキモいんだもーん」

 えへへ。
 そうです。僕は陰キャのキモいチビです。
 そんなことを思いながらニコニコと笑った。

「青田ー。何笑ってんだよー。キモいやつ」

 牧田さんがクスクス笑いながら僕の頭を人差し指でコツンとつついた。

「だって牧田さんが話しかけてくれてうれしいんだもん」
「はぁー? コイツ、本当キモいわ」

 そう言いつつ、牧田さんの表情は優しい。
 本当にキモいと思っていたら、もっと顔をしかめるはずだ。だが牧田さんは、僕がこんなことを言ってもニコニコ笑っている。

「青田。この前より絵、上手くなったね。またチェックしてやるよ」
「うん、ありがとう!」

 そう言って牧田さんは友達が集まる場所に戻っていった。
 僕は牧田さんの後ろ姿を見つめながら、心の中でギャアギャアはしゃいだ。

 うー! 牧田さん、好き!
 好き好き大好き!

 牧田さんはこのクラスで陽キャピラミッドの頂点に位置するギャルだ。明るく染めたサラサラの髪と短いスカートから覗くむっちりとした太ももが眩しい。顔も目がぱっちりしててとっても可愛いんだ。
 だけど、牧田さんの魅力は見た目だけではない! 牧田さんはなんと、性格も良いのだ。
 どう良いのかと言うと、いつも一人ぼっちの陰キャの僕なんかに話しかけてくれるのだ。
 会話の内容はさっきみたいに『キモい』とか『青田って暗ーい』など基本的に悪口だ。だが、僕はこれらの言葉が牧田さんなりのコミュニケーションだと知っている。
 牧田さんは孤独な僕に話しかけて、クラスの輪に入れてくれようとしているのだ。
 実際牧田さんのおかげで、僕に話しかけてくれるクラスメイトが増えた。おはようとか、またなとか会話は短いものだけど、それだけでも僕は震えるほど嬉かった。
 おかげで僕は、最近高校に行くのが楽しくなってきた。中学の頃は学校が苦痛で仕方なかった。あの頃と今を比べると、雲泥の差だ。
 
 全部牧田さんのおかげだ。
 だから僕は、牧田さんに感謝の気持ちと、ほんの少しの憧れの気持ちをを抱いている。
 だって牧田さん綺麗なんだもん。しかも、性格も良い。こんな完璧な女の子が目の前にいたら、誰だって恋しちゃうよ。
 だけど分かっている。僕なんかが牧田さんの恋人になれるわけがない。そんなことは不可能だと、僕が一番理解している。

 僕はいつもこっそりと牧田さんを眺めているだけでいいのだ。それと、たまにでいいから今みたいに揶揄からかってほしい。そうすれば僕は、一日中ウキウキと過ごせるのだから。

 そんなことを思いながら、僕は楽しそうに友達と話す牧田さんの横顔をこっそりと見つめたのだった。
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