【完結】にいちゃん。僕はクラスのギャルのことが好きなので、お尻を開発しないでください〜女の子とエッチ出来なくなったらどうするの!?〜

チョロケロ

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第八話 牧田さんのお願い

「青田ー! なにこのお弁当!? 可愛い可愛い~!」

 牧田さんはキャアキャアはしゃぎながらお弁当を覗き込んでいる。
 僕はお弁当を見られた恥ずかしさから、『あ……あ……』とよく分からない声を発していた。

「青田のお母さんが作ったの? 凄い!! 本当可愛い~!」

 そう言いながらニコッと微笑んだので、僕は真っ赤になってしまった。

「う、ううん。にいちゃ……じゃなくて、兄貴が作ったの」

 にいちゃんと言ったら子供っぽいような気がしたので、ここはあえて男らしく『兄貴』と呼んだ。

「へー。お兄さんが作ったんだぁ。お兄さん凄いね!」
「うん。兄貴は凄いんだ」

 僕は両親が海外に出張しているので、にいちゃんがお母さんの代わりに毎日お弁当を作ってくれることを説明した。
 説明を聞き終わった牧田さんは、先程よりもっと目を輝かせた。

「青田のお兄さん凄いね。――実は青田のお弁当、いつも美味しそうだなってこっそり見てたんだ。私もそんなお弁当作りたいなぁ。私料理下手だから、こんなのしか作れない」

 そう言って牧田さんは自分のお弁当箱を見せてくれた。
 卵焼きが焦げてたり、いびつな形をしたおにぎりだったけど、僕は感動した。

「わぁー凄い! 牧田さん自分でお弁当作ってるの!? 美味しそう!」

 僕が褒めると、牧田さんは『そんなことないよ』と言って照れ笑いを浮かべた。
 か、可愛い……照れてる!
 僕が牧田さんの可愛さに見惚れていたら、ちょっと離れた場所から『おーい。牧田ぁ、お昼食べようー』と言う声が聞こえてきた。
 あれは牧田さんの友達だ。牧田さんは『うん、分かったー』と返事をしてからもう一度こちらを振り返った。

「青田。お弁当褒めてくれてありがとね。じゃあね」
「うん。牧田さんも褒めてくれてありがとう。兄貴に伝えとくね」
「うん」

 そう言って牧田さんはニコニコしながら友達の方へ歩いて行った。
 牧田さんがいなくなってから、僕は心の中でギャアギャアはしゃいだ。

 やったー! 今日も牧田さんに話しかけてもらえた。しかも、お弁当を褒めてもらえた。にいちゃんのおかげだ。にいちゃんありがとうー!
 そんなことを思いながら、僕はホクホク顔で美味しいお弁当を食べたのだった。

※※※※

 放課後。
 今日は美味しいお弁当が食べれたし、牧田さんにも話しかけてもらえたし最高の一日だったな。などと思いながら帰る支度をしていたら、ポンと肩を叩かれた。不思議に思い振り返ると、そこには牧田さんが立っていた。

「ま、牧田さん!?」

 今日は本当にラッキーだ。一日に二回も牧田さんが話しかけてくれるなんて。
 牧田さんはなぜか知らないがモジモジしている。
 どうしたんだろう? と思いながら眺めていたら、牧田さんが言いづらそうに口を開いた。

「あのさぁ、青田」
「?」
「図々しいとは思うんだけどさぁ……」

 そう言ってまたモジモジと体を揺らした。いつも歯切れの良い青田さんが珍しいな。どうしたんだろう?

「なに? 牧田さん。僕に出来ることがあるならなんでも言って」

 僕の言葉に勇気づけられたのか、牧田さんはコクンとうなずくと話を続けた。

「あのさ! もし都合が良かったらでいいんだけど、今度お兄さんと会わせてくれない?」
「え?」
「お兄さんに料理を習いたいの!」
「!」

 詳しく話を聞くと、どうやら牧田さんはにいちゃんのお弁当のファンらしい。特に今日のお弁当は滅茶苦茶良かった。自分もあんなお弁当を作りたいと思い、意を決して僕に頼み込んでみたとのことだ。
 凄いやにいちゃん! にいちゃんのお弁当、確かに美味しいもんね。僕はなぜか自分が褒められたような気分になり、とても嬉しくなった。

「いいよ。兄貴に聞いてみる。――どうせなら僕のお家でお料理教室開こうよ。話聞くだけじゃなく、実践した方が上達も早いと思うよ?」
「へ!? そんなの悪いよ!」
「いいからいいから」

 僕はにいちゃんの了承も取らずに勝手に話を進めた。
 大丈夫。にいちゃんは優しいから必ずオッケーしてくれるはずだ。
 じゃあ今日兄貴に聞いてみるねと言ってから僕は牧田さんと別れた。
 帰り道を歩く僕の心の中はウキウキだ。

 やったー! お料理教室を開けば牧田さんがお家に来てくれる。今よりもっと仲良くなれるかもしれない!
 一応言っておくが、家に来るからといってやましいことをしようなんて下心は毛頭ない。
 ただ純粋に、牧田さんともっとお喋りがしてみたかっただけなのだ。

 この僕の勝手な判断が後々大変なことになるなんて、この時の僕は知るよしもなかった。
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