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最終話 一生離さなくていいんだぜ?
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目を開けると、洒落た模様の天井が見えた。
あぁ……、この模様は知っている。
マクベガスの寝室だ。
さっきまで玄関でヤラれまくっていたのに、いつの間にか寝室のベッドに寝かされている。
俺が気絶している間にマクベガスが運んでくれたのだろう。
どうせベッドに寝かせるなら、玄関でなんかおっ始めるなよなと呆れながら、のっそりと起き上がる。
なぜだか視線を感じて横を見ると、すぐそばにボロボロ涙をこぼしてこちらを見るマクベガスがいた。
「うおっ」
驚いて飛び上がってしまった。
マクベガスはかなり長い時間泣いていたようで、目が真っ赤になっていた。それに、いつもきっちりセットされた髪も乱れている。
かなり憔悴しているようだが、それでもイケメンなのが腹立つ。
「セ、セシルー……」
マクベガスは俺の右手を震える両手で掴むと、泣きながら謝罪した。
「ごめん……。本当にごめん。あんな酷いことする気なんてなかったんだ……。セシルー怖がってた。やめろって抵抗してた……。それなのに僕、無理矢理君を抱いてしまった……。痛かっただろう? ごめん……、ごめんよ……」
「……」
そこ謝るのか!? どうせなら勝手にアパート解約したことを謝れよ。
まぁ、確かに無理矢理ヤラれたのにはビビったけどな。
マクベガスってセックスするときは必ず俺の了承を取るからな。
嫌がってるのに無理矢理するのは、いけないことだと思う。
……でも、実は俺も途中からあの異常なシチュエーションに燃えて射精しまくったから、あまりマクベガスだけを責められない。
謝罪を受け入れるかどうか迷い、うーん……と唸っていたら、マクベガスが再び口を開いた。
「君を解放するよ。このまま監禁していたら、いつかもっと酷いことをしてしまうかもしれないからね……」
なに!?
解放するってことは、俺をマクベガスの家から追い出すってことか!?
ふざけんなこの野郎。アパート解約されたから、もう帰る場所がねーんだよ!
俺は頬杖を付きながら、ムスッとした表情で口を開いた。
「なんて薄情な奴だ。俺がひもじい思いをしてもいいのか?」
「?」
金もない。家もない。しかも弱い。
そんな俺をひとりぼっちにしたら、路頭に迷うのは目に見えているだろうが。
「解放なんかするな。このまま一生養ってくれ」
「え?」
マクベガスは目を見開き、信じられないという表情で俺を見ている。
そんな視線を受けながら、俺は今の心情を正直に伝えた。
「仕事したくない。メシ作るのも面倒くさい。そういうの、マクベガスが全部やれ。俺を一生世話しろ」
「……」
「ただし! 外へは自由に出させろ! 家にばっかいたら太っちまうだろ!」
我ながら図々しいな。
俺がマクベガスの立場だったら、『なんだコイツ……?』と呆れてしまうだろう。
だが、マクベガスは絶望の中から一つの希望を手にした勇者のように目を輝かせている。
「セシルー……。僕のしたこと、許してくれるの?」
「許すもなにも、別に怒ってないしな。至れり尽くせりで大満足な一カ月だった」
「セシルー!」
マクベガスは歓喜の表情を浮かべ、ギュッと俺に抱き付いた。
「ありがとう! 僕はなんて幸せ者なんだ!」
これを幸せ者と称するか……!
やっぱりコイツ、ちょっと変わってるな。
まぁ、俺もちょっと変わってる自覚はあるけど。
「そうだぞ。俺がズレてることに感謝しろよ。普通だったら訴えられて慰謝料払わされるんだからな」
「うん。分かってる!」
マジで聞き分けが良くて申し訳なくなってきた……。
俺みたいなクズを好きになったのが、運の尽きだな……。なんて同情しつつ、マクベガスがまた元気になってくれてホッとした。
ずっとショボくれたままだと可哀想だからな。
とにかくこれで俺の生活は安泰だ。
一生マクベガスに世話してもらえる! こんな幸せなことはない!
そうと決まれば――。
「よし、じゃあマクベガス。メシを作れ。腹減った」
「うん! 愛してるよ、セシルー!」
「はいはい。俺も嫌いじゃないぜ、お前のこと」
マクベガスは俺の言葉に、ブルブル体を震わせた。
『嫌いじゃない』って言葉が震えるほど嬉しかったようだ。
か、可愛いな、コイツ……!
これで『俺も好きだぞ』って言ったらどうなるんだ? 鼻血噴いてぶっ倒れそうだな。
明日にでもセックスのときに囁いてみよっと。
お気楽な俺と、ヤンデレなコイツ。
凸凹コンビだけど、意外と上手くいくんじゃね?
そんな能天気なことを考えながら、メシを作るためニコニコとキッチンに走っていくマクベガスを見送る俺なのであった。
あぁ……、この模様は知っている。
マクベガスの寝室だ。
さっきまで玄関でヤラれまくっていたのに、いつの間にか寝室のベッドに寝かされている。
俺が気絶している間にマクベガスが運んでくれたのだろう。
どうせベッドに寝かせるなら、玄関でなんかおっ始めるなよなと呆れながら、のっそりと起き上がる。
なぜだか視線を感じて横を見ると、すぐそばにボロボロ涙をこぼしてこちらを見るマクベガスがいた。
「うおっ」
驚いて飛び上がってしまった。
マクベガスはかなり長い時間泣いていたようで、目が真っ赤になっていた。それに、いつもきっちりセットされた髪も乱れている。
かなり憔悴しているようだが、それでもイケメンなのが腹立つ。
「セ、セシルー……」
マクベガスは俺の右手を震える両手で掴むと、泣きながら謝罪した。
「ごめん……。本当にごめん。あんな酷いことする気なんてなかったんだ……。セシルー怖がってた。やめろって抵抗してた……。それなのに僕、無理矢理君を抱いてしまった……。痛かっただろう? ごめん……、ごめんよ……」
「……」
そこ謝るのか!? どうせなら勝手にアパート解約したことを謝れよ。
まぁ、確かに無理矢理ヤラれたのにはビビったけどな。
マクベガスってセックスするときは必ず俺の了承を取るからな。
嫌がってるのに無理矢理するのは、いけないことだと思う。
……でも、実は俺も途中からあの異常なシチュエーションに燃えて射精しまくったから、あまりマクベガスだけを責められない。
謝罪を受け入れるかどうか迷い、うーん……と唸っていたら、マクベガスが再び口を開いた。
「君を解放するよ。このまま監禁していたら、いつかもっと酷いことをしてしまうかもしれないからね……」
なに!?
解放するってことは、俺をマクベガスの家から追い出すってことか!?
ふざけんなこの野郎。アパート解約されたから、もう帰る場所がねーんだよ!
俺は頬杖を付きながら、ムスッとした表情で口を開いた。
「なんて薄情な奴だ。俺がひもじい思いをしてもいいのか?」
「?」
金もない。家もない。しかも弱い。
そんな俺をひとりぼっちにしたら、路頭に迷うのは目に見えているだろうが。
「解放なんかするな。このまま一生養ってくれ」
「え?」
マクベガスは目を見開き、信じられないという表情で俺を見ている。
そんな視線を受けながら、俺は今の心情を正直に伝えた。
「仕事したくない。メシ作るのも面倒くさい。そういうの、マクベガスが全部やれ。俺を一生世話しろ」
「……」
「ただし! 外へは自由に出させろ! 家にばっかいたら太っちまうだろ!」
我ながら図々しいな。
俺がマクベガスの立場だったら、『なんだコイツ……?』と呆れてしまうだろう。
だが、マクベガスは絶望の中から一つの希望を手にした勇者のように目を輝かせている。
「セシルー……。僕のしたこと、許してくれるの?」
「許すもなにも、別に怒ってないしな。至れり尽くせりで大満足な一カ月だった」
「セシルー!」
マクベガスは歓喜の表情を浮かべ、ギュッと俺に抱き付いた。
「ありがとう! 僕はなんて幸せ者なんだ!」
これを幸せ者と称するか……!
やっぱりコイツ、ちょっと変わってるな。
まぁ、俺もちょっと変わってる自覚はあるけど。
「そうだぞ。俺がズレてることに感謝しろよ。普通だったら訴えられて慰謝料払わされるんだからな」
「うん。分かってる!」
マジで聞き分けが良くて申し訳なくなってきた……。
俺みたいなクズを好きになったのが、運の尽きだな……。なんて同情しつつ、マクベガスがまた元気になってくれてホッとした。
ずっとショボくれたままだと可哀想だからな。
とにかくこれで俺の生活は安泰だ。
一生マクベガスに世話してもらえる! こんな幸せなことはない!
そうと決まれば――。
「よし、じゃあマクベガス。メシを作れ。腹減った」
「うん! 愛してるよ、セシルー!」
「はいはい。俺も嫌いじゃないぜ、お前のこと」
マクベガスは俺の言葉に、ブルブル体を震わせた。
『嫌いじゃない』って言葉が震えるほど嬉しかったようだ。
か、可愛いな、コイツ……!
これで『俺も好きだぞ』って言ったらどうなるんだ? 鼻血噴いてぶっ倒れそうだな。
明日にでもセックスのときに囁いてみよっと。
お気楽な俺と、ヤンデレなコイツ。
凸凹コンビだけど、意外と上手くいくんじゃね?
そんな能天気なことを考えながら、メシを作るためニコニコとキッチンに走っていくマクベガスを見送る俺なのであった。
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