魔王様、ずっと記憶喪失のままでいてください

チョロケロ

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第十六話 魔王はチャンスを逃さない

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 ふふ……。魔王が酔うとキス魔になるなんて知らなかった。シラフになったとき、このことを思い切り揶揄からかってやろう。などと思いながら、私はご機嫌でキスを受け入れていた。
 だが、だんだんキスが深くなってくるにつれ、私は笑えなくなってきた。

「んっ……んうっ……」

 魔王の舌が私の口の中を縦横無尽に動き回る。
 あまりにも激しく口の中をかき混ぜるので、私の唇から飲みきれない唾液が伝った。

 な、なんだコイツは! 先程まで可愛いキスだったのに、なぜいきなりこのようなキスをするのだ。
 こんなキスをされたら……されたら……。

 私は快感を逃したくてモジモジと太ももを擦り合わせた。
 やめさせねば……と思い、必死に顔を背けるのだが、そのたびにアゴに手をかけられて魔王の方に顔を固定されてしまう。
 結局魔王の気が済むまでそれは続き、終わった頃には息も絶え絶えになっていた。

「ま、魔王……。やりすぎら……」
「そうか? だが、まだ終わらんぞ?」
「!?」

 なにをするのかと思ったら、魔王は私を横抱きにして、そのままスタスタとベッドに向かった。
 え? なぜベッド? 身の危険を感じた私は魔王の腕の中でバタバタ暴れる。だが、酔っ払っているのとキスの余韻で思うように身体が動かせなかった。
 結果、猫がじゃれついているような弱々しい抵抗しか出来ない。
 あっという間にベッドに連れていかれ、少し乱暴に下される。そのあとすぐに魔王がのし掛かってきた。

「ちょっ……魔王。私はまだ眠くないのら」

 嫌な予感がビンビンするが、私はそんなことを言ってこの状況を冗談で済まそうとした。
 だが、魔王は無表情で私を見下ろす。

「安心しろ。まだまだ寝かさないから」

 こ、怖いのだ……。
 無表情だが、呼吸が荒い。明らかに欲情している。
 魔王は興奮すると無表情になるのだな……などと考えてブルリと背筋が凍った。
 魔王に両手を掴まれる。それから片手一本で頭の上に固定された。

「カイネ……。お前の綺麗な肌に傷をつけたくない。だから、抵抗するなよ?」
「な、何言ってるのら。やめ――」

 やめろ。と言う言葉は魔王の唇に吸い込まれた。
 魔王が再びキスをしてきたのだ。

「んぅ……!」

 思い切り舌を噛んでやろうと思ったのだが、それを察した魔王がすぐに唇を離す。それから私の耳に移動し、耳の中をクチュクチュと舐め回した。

「やぁっ……!」

 耳の穴を舐められると身体がゾクゾクしてしまう。
 私の性器は勃ち上がり、ねっとりと先走りをこぼした。
 更に、魔王の片足が私の股間をぎゅうぎゅう押す。
 そんなことをされたらひとたまりもない。
 私はヘコヘコ腰を動かしながら魔王の足に性器を擦り付けた。
 魔王が耳を舐めるのをやめ、そっと息を吹きかける。

「カイネ……。これからお前を抱く」
「!」
「俺はチャンスは逃さぬ男なのだ。悪いな」

 そう言って魔王は片手で私のシャツのボタンを外し始めた。すぐに肌が露出する。
 魔王は興奮で荒い息のまま、私の乳首に吸い付いた。

「やらぁっ……!」

 やだやだ言う割に身体は正直で、ぷっくりと乳首が立ってしまう。それを長い舌でネロネロ舐められる。かと思えば吸われたり、歯を立てられた。
 それを両乳首に何度も繰り返す。
 気持ちが良くて、だんだん抵抗する気力を失ってきた。それよりも、お尻がうずく。
 お尻を長い指で無茶苦茶にかき混ぜて欲しい。
 私はそんな欲求に耐えられず、ペロリと唇を舐めた。

「ま、魔王……」
「うん?」

 は、恥ずかしいことを言おうとしている。
 でも、もう我慢できない。

「お尻触って……」

 私の言葉に、魔王はククッと含み笑いをした。
 笑うと息が乳首に当たってゾクゾクする。
 魔王が乳首から顔を離し、こちらに顔を向けた。
 必死に魔王から視線を逸らそうとする私のアゴを掴み、無理矢理キスをしてきた。
 それから、そっと囁いたのだ。

「いいぞ」

 魔王が固定していた両手の拘束を解く。
 それから私の下半身に身体をずらした。
 スラックスと下着を下ろされても抵抗しない。しないと言うか、気持ち良いことをして欲しいと言う欲求が強すぎて出来なかったのだ。
 足を持ち上げられて、お尻の穴をじいっと見つめられる。
 恥ずかしいけどそれ以上の興奮で、私の尻穴はヒクヒクと開閉した。
 魔王が唾液で指を濡らし、私の尻穴を撫でた。

「入れるぞ」

 そう言ってぬぷりと指を挿入した。
 私の尻穴は大喜びでそれを受け止め、キュウっと締まったりゆるんだりしながら激しく蠕動ぜんどうした。
 その反応を指で感じながら、魔王は再びククッと笑う。

「お前、なぜこんなに尻の穴が柔らかいのだ?」
「……」

 恥ずかしいので答えない。
 すると、魔王がぐりんと円を描くように指を動かした。

「ふふ……。毎日弄っているのだろう? なんていやらしいやつなのだ」

 うるさい。
 だってしょうがないじゃないか。尻をいじるのが癖になってしまったのだから。
 私は魔王が記憶喪失だったとき、いつも尻を弄っていた。魔王の記憶が戻ったあともそれは変わらず、尻弄りをやめなかったため、こんな淫らな身体になってしまったのだ。
 魔王の指が探るように動く。すると、すぐにシコリを探し出し、そこを執拗に撫で始めた。

「はっ……! あん……。そこぉ~……」
「前立腺がぷっくり腫れてるぞ? 弄りすぎなんだよ、お前は」

 だって……。そこ弄ると気持ち良いんだもん。
 もっともっと弄って欲しい。
 私はヘコヘコ腰を揺らしながら魔王の指を締め付けた。それだけでは飽き足らず、自分で乳首を弄り始めた。

「あんっ……! 気持ちい……」
 
 こうするともっと気持ち良い。
 私は恥も外聞もかなぐり捨てて、この快感に夢中になったのだった。
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