私がいる。

ゆき

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約束

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私の引っ越しが近づくにつれ、さみしさを感じる日々。
それに気づいたのか相馬さんはある日私を遊びに誘ってくれた。

「ことはー、今日は夜景見に行こうか」

「おーいいね!そろそろ広島の夜景も見納めかな?」

夜景を見に来た私たち、車の中で夜景を見ていると、ふと相馬さんが言った。

「ことは、青森いったら俺と約束するか。」

「約束?」

「そう、約束」

相馬さんはやけに真剣な目を向けた。
私はそんな相馬さんの目を見るのは初めてだったから
何の約束か、すごく嫌なほうのドキドキがあった。

「まず一つ、自分を作るな。」

「え?」

私は考えていた約束と違くて変な声を出してしまった。
そんなわたしをよそに、どんどん約束事を作っていく。

「二つ、うそをつくな。三つ自分を軽く売るな。四つ、いい友達を作れ。」

「・・・。」

私はその約束の意味が少しわかった気がして何も言えなかった。

「自分を作ると、相手も自分をつくようになる。嘘をつくと信じてもらえなくなる。自分を軽く売ると自分なんてそんなもんって思うようになっちまう。だから、お前はお前でいろ。もう二度と自分を軽く売るな。嘘をつくな。ありのままのお前といてくれる友達を1人でいい。作れ」

「そしたら、お前は絶対いい女になる。俺はそれを約束する。」

私は涙が止まらなかった。
実は、私も青森にいってうまくやれるかすごく不安だった。
友達ができるか、就職先でうまくできるか。
できなかったらいつものように自分を作ればいいとまで思っていた。
だから、すべてを読んだかのような約束をしてきた相馬さんに驚きとうれしさが沸いた。

「せっかくお前はいい女なのにもったいないしな。ちなみに、俺は約束破ったことないから、お前は破らせるようなことすんなよ」

その時はこの言葉の意味が分からなかったけど。
今考えるとわかる気がする。

私が一つの約束を破ったとしたら相馬さんは私との約束を必然的に破ることになるということ。
まだまだ私は子どもだけど少しは成長できた気がした。
今はもう相馬さんとは連絡も取っていないし、会ってもいない。
引っ越してきてから私も相馬さんも仕事が忙しくて連絡ができないでいる。
それでも私はいまでも相馬さんとの約束を破らないで守っている。
できるだけ自分のままで接して、そんな私といてくれる友達も少ないけどできた。


今ひとりぼっちだという人
生きることがつらい人、
私もすごくつらかったし、生きるのもつかれる時がいまでもある。
それでも、生きているとかならず神様はみていてくれるから

どうか、一緒に頑張って生きよう。

ご視聴ありがとうございました。
すべて本当の出来事です。
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