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養い子
キリトとの関係
「正直、キリトとどうなってるの」
シズさんが、楽しそうに言う。
…矛先がこっちに向いてしまった…。
ユーリは苦笑いした。
「別に…。相変わらず子供扱いだよ…」
ユーリは少し悔しいような…。
この先、どうしていったら良いのか分からず、いつもと同じ毎日を過ごしている。
「この間の慌て振りから言うと、満更でもないような気がするけど…」
シズさんは、クロが狙われたとき、駆け付けたキリトの様子を思い出して言うが、あれがキリトの通常の過保護な状態なのだ。
シズさんもチイさんも、そんなことは知らない…。
「…昔から…あの状態。過保護なの…」
それでもユーリは嬉しくて、子供扱いだと分かってはいても、胸を高鳴らせる…。
「…昔から…」
シズさんが、唖然として言う。
「…子供の頃から…変わらない…」
リーンに頼まれたからって、そこまで過保護でなくても良いよね…。
ユーリは、ここぞとばかりに言った。
「…私が魔力の暴走を起こして、魔力が止まらなくなったとき、この間みたいに止めてくれて、怒鳴って怒ってギュッて抱き締めてくれて…。もう大丈夫だと言っても、抱き上げて運ばれたり…回復するまで寝てろって言って、甘いお菓子とか飲み物を運んできたり…」
ユーリは思い出して頬を染める。
小さい頃は良かったけれど、大きくなるにつれて、恥ずかしくなって、抱き上げられるのを嫌がって抵抗したことも有る。
で、結局、抵抗するのに体力を使ってしまい、動けなくなって抱き上げられていた…。
今も、きっと変わらない…。
「…ちょっと気になったんだけど、ユーリちゃん、キリトに番になって欲しいから、グオルクに来たって言った?」
チイさんが真面目な顔をして、身体をユーリの方に乗り出している。
「…言ってない」
ユーリは耳を真っ赤にして、うつ向いて小声で言う。
とにかくキリトの側に行きたいと、そればっかりを考えていたから、番にって、あまり意識したことなかった。
「「はぁっ…」」
呆れたような、ため息が聞こえた。
チイはドンとソファーに座り込み、シズは頭を抱えてユーリの方を見る。
「…そうよね。番になりたい子を、その気がないのに側に置いておくわけないものね…」
「…言ってないから、キリトは完全に意識していないし、ユーリを子供の様に甘えさせているのよ…」
シズさんとチイさんが、ここぞとばかりに言ってくる。
「ユーリちゃん。ハッキリ言わないとダメよ」
「のらりくらりとしていると、時間が無くなるわよ」
「そうそう。人族は短命なの。キリトに合わせていたら、ずっとこのままよ」
言われなくても、なんとなく分かる…。
キリトは今の時間が充実していて、きっと変えたくないのだ。
「…こじらせて、シズの様になるわよ」
今まで、絨毯の上で寛いでいた筈の、白猫族のアリエスがユーリの隣に座って話しかける。
シズさんのように?
ユーリが首を傾げると、シズがアリエスにクッションを投げつけ、アリエスは笑いながらクッションを受け止める。
「…すれ違い過ぎて、認識すらされてない…」
アリエスがそう言うと、シズはキッとアリエスを睨み付ける。
…触れてはいけない話題なんだ。
ユーリは冷や汗をかきながら、縮こまっていると、チイさんが再び言ってきた。
「キリトの番になりたいって、キリトに言いなさい」
「…。」
ううっ…。
今、キリトにそんなことを言える、雰囲気では無いんだけれど…。
「と、なると、ラビとユバは気がついているわよね…」
一緒に子供達の事を見ているラビと、食事を担当しているユバの事だ。
「気付いているわ。ハラハラして見守っているんじゃないの」
「…あの、そろそろ報告会は、終わりでも…」
ユーリがオズオスと言い出す。
早くこの部屋から出ていきたい…。
このままでは、お姉様方の集中砲火が止まらない…。
助けて…ルナ…。
そう思ったら、談話室の扉が開き、ルナが顔を覗かせる。
「…お母さん。お父さんが呼んでるよ…」
「あら、そんな時間!?」
チイさんが慌ててソファーから立ち上がる。
よし!助かった!
「それでは、失礼します」
ユーリはそう言って、ソファーから立ち上がり、ルナと共に二階の部屋へと逃げて行った。
シズさんが、楽しそうに言う。
…矛先がこっちに向いてしまった…。
ユーリは苦笑いした。
「別に…。相変わらず子供扱いだよ…」
ユーリは少し悔しいような…。
この先、どうしていったら良いのか分からず、いつもと同じ毎日を過ごしている。
「この間の慌て振りから言うと、満更でもないような気がするけど…」
シズさんは、クロが狙われたとき、駆け付けたキリトの様子を思い出して言うが、あれがキリトの通常の過保護な状態なのだ。
シズさんもチイさんも、そんなことは知らない…。
「…昔から…あの状態。過保護なの…」
それでもユーリは嬉しくて、子供扱いだと分かってはいても、胸を高鳴らせる…。
「…昔から…」
シズさんが、唖然として言う。
「…子供の頃から…変わらない…」
リーンに頼まれたからって、そこまで過保護でなくても良いよね…。
ユーリは、ここぞとばかりに言った。
「…私が魔力の暴走を起こして、魔力が止まらなくなったとき、この間みたいに止めてくれて、怒鳴って怒ってギュッて抱き締めてくれて…。もう大丈夫だと言っても、抱き上げて運ばれたり…回復するまで寝てろって言って、甘いお菓子とか飲み物を運んできたり…」
ユーリは思い出して頬を染める。
小さい頃は良かったけれど、大きくなるにつれて、恥ずかしくなって、抱き上げられるのを嫌がって抵抗したことも有る。
で、結局、抵抗するのに体力を使ってしまい、動けなくなって抱き上げられていた…。
今も、きっと変わらない…。
「…ちょっと気になったんだけど、ユーリちゃん、キリトに番になって欲しいから、グオルクに来たって言った?」
チイさんが真面目な顔をして、身体をユーリの方に乗り出している。
「…言ってない」
ユーリは耳を真っ赤にして、うつ向いて小声で言う。
とにかくキリトの側に行きたいと、そればっかりを考えていたから、番にって、あまり意識したことなかった。
「「はぁっ…」」
呆れたような、ため息が聞こえた。
チイはドンとソファーに座り込み、シズは頭を抱えてユーリの方を見る。
「…そうよね。番になりたい子を、その気がないのに側に置いておくわけないものね…」
「…言ってないから、キリトは完全に意識していないし、ユーリを子供の様に甘えさせているのよ…」
シズさんとチイさんが、ここぞとばかりに言ってくる。
「ユーリちゃん。ハッキリ言わないとダメよ」
「のらりくらりとしていると、時間が無くなるわよ」
「そうそう。人族は短命なの。キリトに合わせていたら、ずっとこのままよ」
言われなくても、なんとなく分かる…。
キリトは今の時間が充実していて、きっと変えたくないのだ。
「…こじらせて、シズの様になるわよ」
今まで、絨毯の上で寛いでいた筈の、白猫族のアリエスがユーリの隣に座って話しかける。
シズさんのように?
ユーリが首を傾げると、シズがアリエスにクッションを投げつけ、アリエスは笑いながらクッションを受け止める。
「…すれ違い過ぎて、認識すらされてない…」
アリエスがそう言うと、シズはキッとアリエスを睨み付ける。
…触れてはいけない話題なんだ。
ユーリは冷や汗をかきながら、縮こまっていると、チイさんが再び言ってきた。
「キリトの番になりたいって、キリトに言いなさい」
「…。」
ううっ…。
今、キリトにそんなことを言える、雰囲気では無いんだけれど…。
「と、なると、ラビとユバは気がついているわよね…」
一緒に子供達の事を見ているラビと、食事を担当しているユバの事だ。
「気付いているわ。ハラハラして見守っているんじゃないの」
「…あの、そろそろ報告会は、終わりでも…」
ユーリがオズオスと言い出す。
早くこの部屋から出ていきたい…。
このままでは、お姉様方の集中砲火が止まらない…。
助けて…ルナ…。
そう思ったら、談話室の扉が開き、ルナが顔を覗かせる。
「…お母さん。お父さんが呼んでるよ…」
「あら、そんな時間!?」
チイさんが慌ててソファーから立ち上がる。
よし!助かった!
「それでは、失礼します」
ユーリはそう言って、ソファーから立ち上がり、ルナと共に二階の部屋へと逃げて行った。
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