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約束

発情 2

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 チイは同じ獣人の男に組敷かれていた。
 発情期が始まったから…。
 …そう言われた。
 自分で自分の身体が制御出来ず、男にされるがままに、身体を委ねていた。

「はぁ…んっ…あぁ…」
 火照る身体は敏感に、少し触れられただけで、勝手に甘い吐息を洩らす。
 上着とズボンが脱がされ、男の手がなぞるように胸の膨らみに触れ、硬く立ち上がった先端に口付けられる。
「あああぁ…!」
 身体が悲鳴をあげる。
 ドクドクと心音が鳴り響き、身体の火照りがさらに加速する。
 ぴちゃぴちゃと胸の先端をめられ、身体に知らないしびれが起こる。
「あぁ…はぁ…何…コレ…怖い…」
 触られて、身体がむずむずしてくる。
 反対側の胸の先端を指でね回され、きつくままれ、身体全身にしびれが走る。
「ああぁ、イヤ…!もう…やめて…」
 男が口を離して、顔を覗き込んでくる。
 いつの間にか、チイの目から涙が溢れていた。
「…このままでは、余計に辛いぞ」
「…自分の…身体じゃ…ないみたい…。…怖い…」
 潤んだ金色の瞳で男を見上げる。
「…そんな顔で…あおるな」
「んっ…」
 男はチイに口付けし、口内に舌を入れてきて、舌が掻き回され、大きな手が身体をなぞっていく。
 息切れと、舌が触れ合う生々しさに朦朧もうろうとして、触られるたび痺れが全身を襲う。
 その痺れが次第にむずむずと、甘い痺れに変わっていく。
「んっ…あぁ…」
 口付けの合間にチイの声が洩れる。
 男の手が下着の中に入り込みクチュクチュと、水音をたて、何かを探っている。
 チイの身体が急にビクンと跳ね、狼狽うろたえる。
「!!」
「ここがイイみたいだな」
 男は同じ所を指先で前後し、何度もこする。
 チイの身体がビクン、ビクンと何度も跳ねる。
「…あんっ…そこ…触ら…ないで…」
「気持ちイイだろ」
 男が耳を甘噛みしながらささやいてくる。
 その声にゾクゾクして、男の手を太股で挟み込みここすり合わせてしまう。
「…わからない。けど…どっか…行っちゃいそう…」
「イクといい…」
 そう言われて、指の動きが速くなる。
「あっ、あっ、あっ、あっ、…ダメ…イッちやう」
 同時に胸の突起を強く、ままれた。
「ああぁ…!」
 チイの身体が弓なりになり、どっとベッドに沈んだ。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
 力が抜け、身体全身に火照ほてりがともつ。
 男はベッドを降り、コップに何か飲み物を持ってきた。
「抑制剤だ。飲めば少し楽になる」
 そう言って男が口に含み、口付けして飲ませてくれる。
「んっ…」
 冷たくて気持ちいい…。
 でもまだ、火照りは収まらない。
 ぼんやりと見上げると、男は服を脱ぎ全裸になって、ベッドの上に上がってきた。
 体格のいい男の、大きく勃起したモノに目を奪われ、かあっと顔が赤くなったのを感じた。
「安心しろ。最後まではしない」
 そう言ってチイにおおい被さってきた。
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