俺の初恋

覚醒筋肉

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初恋

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俺は廊下を走って下駄箱に向かっていたが、だれかのこえでとめられる。

「廊下は走ったらダメでしょ。小学校のときならわなかった?ってあれ何であなた泣いているの?」

俺を止めたのはきれいな女性だった。制服を着ているから2、3年の先輩だろう。その女性は相談に乗ってくれようとしているが、俺はその女性に強く当たってしまった。

「ほっといてくれよ!お前には関係ないだろ」

その俺の言葉に女性は笑顔でこういった。

「私は関係ないかもしれない。でも私はこの学校の生徒会長。生徒の話に乗るのは当然でしょ!さあ、私に話してみなさい。」

俺はこの無駄に胸を張っている女性だけど、そんな女性に相談することにした。俺は、今日あったことをすべてその女性に話した。その話を女性はうなずきながら聞いてくれた。話してみると気持ちが楽になった。何より、その女性がちゃんと聞いてくれているんだということで嬉しかった。話終わると、女性がくちをひらく。

「まあ確かに見た目で人の印象変わってくるもんね」

その女性は少し考えたあとに、なにか思い付いたような表情をしてこんな提案をした。

「そうだ。私と友達になろうよ。これで君はボッチじゃなくなる」

その提案に俺は

「俺なんかと友達になってくれるんですか?」

その俺の言葉に女性は

「勿論よ」

とこたえてくれる。

「私の名前は、沢田 陽菜よろしくね。あなたの名前は?」

その女性の言葉に俺は

「斗沢 碧樹。これからよろしくお願いします。沢田さん。」

それにたいして沢田さんは

「陽菜でいいわ。それと、無理に敬語つかわなくてもいいわよ。」

俺はそういってくれたので遠慮なくそうさしてもらうことにした。
「キーンコーンカーンコーン」とチャイムが鳴った。時計を見る。もう4時だった。俺が相談にのってもらっているうちに結構時間がたっていたらしい。

「帰ろうか。」

と陽菜が言うので俺はその言葉にうなずく。俺と陽菜は、靴箱で靴をはきかえて正門の前で別れる。

「今日はありがとうございました。さようなら」

俺のその言葉に陽菜は

「さようなら。また明日」

とこたえてくれた。そうして俺らは別れた。10分ぐらい歩くと家に着いた。玄関のドアを開けて俺は

「ただいま」

とだけいって2階に上がった。自分の部屋のドアを開けベッドに飛び込んだ。

「陽菜。可愛かったな」

俺はそう独り言を呟く。そう、俺は陽菜に恋をしてしまった。人を好きになったのははじめてだ。つまり初恋ということだ。これが本当の恋か一時的なものかは知らないが、俺が陽菜を好きなことはたしかだ。そんなことを考えていると、まぶたがだんだん重くなってくる。それに俺は抗わずに眠りに落ちた。

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