ゆうみお

あまみや。旧

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2章 夏休み。

101.めんどくさい…

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(澪side)




「は、春樹兄さん……!」




はぐれている最中に、春樹兄さんを見つけた。




「……澪!どうしたの?1人?」
「はぐれた……」




後ろからすぐに優馬が追いついてきて、




「……あ、春樹さん、こんばんは……!」
「こんばんは、2人ではぐれたってこと?」


「う、うん………」
「そっか……じゃあ早く見つけないと………」




すると、人混みの中からもう1人人が出てきた。




「春樹……、次はりんご飴……って、あ…弟さん」



わたあめを左手に、かき氷を片手に………兄さんの恋人…海斗のお兄さんが出てきた。




「えっと……君達も、俺達と同じ?」
「違います…!!他にもいます!はぐれたんです……!!」




こいつと2人とか、デートだと思われたかな………



最悪だ……………





「そうなんだ。……じゃあ、一緒に探そっか」




お言葉に甘えようと頷きかけたその時、



「むぐ」
「いえいえ!せっかくの、お邪魔になるには!」




優馬に体ごと引き寄せられて、口をおさえられた。






「……そう?」
「あ、よかったら俺海斗に連絡しようか…?」
「いえいえ!じゃ、行こっ、澪!」
「む、むぐ……?」






……………?







(せっかくふたりきりだってのに………邪魔されてたまるか!!)








ーーー






しばらく歩いていたら、今度は美優に会った。




「澪……?他の方達はどうしたんですか……?」




美優の隣には未来斗の妹と優馬の従兄弟もいて、ふたりとも浴衣を着て髪を綺麗に結っていた。




「優馬お兄ちゃん…?まさか、美優さまのお兄様を拉致したんですか……?」
「そんな事してないし………」






「はぐれちゃって………でも、多分すぐに会えると思うから。」




流石に、妹には迷惑かけられない。


いつもかけてるし………これ以上は…………







「そうですか……見つけたら連絡……あ、出来ないんですね」





携帯を持ってこなかったことを激しく後悔した。





ーーー




美優達とは別れて、また歩き始めた。




「次は誰に会うかな……!」
「さてはだんだん楽しみになってるね……澪」







すると………




「おっ、澪!」

「……!和樹…!」





今度は、和樹だった。 






「1人……?」
「ううん、姉さんと。姉さんが行きたい行きたいってうるさくて………今ちょっと席外してるから、見つからないうちに逃げた方いいぞ!」




……………





「……あ、中野とは来てないの?」
「え、大輝?あいつは…まぁ、誘ったけど……断られた」




いつの間に夏祭りに誘う仲になってたんだろ。






「………」


(さっきから俺に全く構ってくれない………)





話し終わった頃に優馬のところに戻ったら何故か拗ねてた。






ーーー





「真歩、はい、口開けて?」
「……ん。美味美味」





「人……増えてきたね」




すれ違う人達をなんとなく見て、そのあとは優馬の方に視線を戻した。



「……うん………」






まだ拗ねてるし………






「何拗ねてんの……?」
「そんなんじゃないし、小学生だけで夏祭りにいる妹達が心配なだけです!」



 
いやかなりわかりやすく拗ねてる…………





「……んー…………、………あ………」





………つい、またくらっとしてしまった。





「……!大丈夫?」
「う…うん、ありがと」

 




最近、よく目眩がする。







なんか…………変、かも。











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