まいにち冒険者

12月

12/25(水)雪の日

今日は雪の日だ。
この日は大陸中に雪が降る。
故郷ではパラつく程度だった雪がこの国では積もる。

そしてこの日からしか取れない素材があるので魔術師、錬金術師、彼らに素材を売りたい冒険者や商人がこぞって森に探索に出る日だ。

俺も夜明けと共に森に入った。
特に無属性の魔石はこの時期にしか手に入らない貴重な素材で、採取許可証を事前にもらった上で1人あたりの採取量が決められている。
寒い国でよく見つかる素材なのでこの国では比較的入手難易度が低い。

今年はショコラのおかげで多めに確保できるし、品質が例年より良さそうだ。
自分の分は年明けに魔素が戻ってからしっかり鑑定するとして、今日はギルドで延々魔石の鑑定をしていた。

実際に売れるのは年明けの解禁日からだが、無属性の魔石は氷の魔石と似ていて、魔素が薄い時期は素人目には同じ魔石に見える。
だいたい品質が良い魔石は年内に取りつくされるので確保できる限界まで確保するなら取ったその日にギルドで鑑定した方が確実なのだ。

魔術鑑定ではなく鑑定触媒を使った鑑定になるのが地味にしんどい。


【補足】
雪の日は暦上の呼び名です。
クリスマスみたいなもの。

魔術鑑定は目を瞑って触るだけで鑑定が出来ますが、触媒鑑定は道具や薬を使います。
魔石の場合は同じ属性の音叉で叩いて共鳴すればその属性とわかりますが魔素が弱いと判断が難しくなります。

さらに反目する素材で作った測定器で品質をチェック出来ます。
品質管理用の魔法陣を使えば魔素に左右されませんが、陣を使うのに必要な魔力を考えると魔素が多い場所で使ったほうが賢明かと思われます。

無属性の魔石は専用の測定器を使うので鑑定料も高いですが、それでもギルドで鑑定した方が安いし鑑定書があると高く売れるので、とりあえず簡易鑑定だけして後日再鑑定に出しても本当に良い品なら損はしない感じです。

詳しいと音叉の反応で大体の品質もわかったりします。

また品質が悪かったら報告前に捨てる不届き者もいますが、それでも簡単に手に入るなら欲しい人もいて現状は黙認です。