インヴィンシブル・ライフ

レウ

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死に戻りの高原

キャラメイク

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見渡す限りの草原。

目印をつけようものなら一つもくもくと上がる天を焦がすようなその、煙突煙だけだろう。

一度命を落とした少年鈴音無月はその草原にぽつんと独り落とされた。


『おめでとうございます。貴方は異世界への転生権を得ました!』

「はぁ?異世界?何言って……」

何言ってんだこいつ……と、言いたげだったが自分の現状を理解し反論は避けた。

「俺……死んだよな?」

『死にましたね!それはもう……腸ぶちまけて!酷い酷い食事中には見たくない光景でしたよ!』

「そこまで言うことなくないか?」

『しかも焼肉の最中ですよ?』

「それはほんーっとすいませんでしたっ!」

そこまで無月が言うと相手の少女は「やってやったり」とクスッと笑った。

『さて?自己紹介がまだでしたね?私の名前はアポカリプス!気安くリプとお呼びください!』

「お、おう……俺の名前は……」

『リンカです』

「えっ?」

なんのこっちゃと呆ける無月にリプはこう続けた。

『あなたの名前はリンカです!間違ってますか?』

「何言ってんだよ?」

そう何言ってんだよ……俺の名前は。

「俺の名前はリンカ……そう言ってるだろ?」 

そう、リンカ……転生……生まれ変わりという意味……。

母親が生まれ変わっても家の子でいてほしいと付けてくれた名前だ。

「さっきからそう言ってるだろ?俺本人が言ってんだ間違いもクソもあるかよ」

『そうだよねぇー!!いやーごめんごめん!あ、そうだ!』

「今度はどうしたよ?」

リプは古びたヨレヨレの紙を取り出した。

『もし、異世界につきましたらこの人を探してください!きっとお役に立ちますよ?』

「え?めんどくせぇな……この幼女なんなの?」

『幼女?ババアですよ?』

「まさかのロリババアかよ!?異世界あるある来やがったか……」

頭をボリボリ掻きながら吐き出された声にリプはこう返した。

『リンカさんはこの人に会わなくちゃ行けないんです、この人はあなたに新しい世界を見せてくれますよ?』

その新しい世界とは一体……そんな事がリンカの頭の半分を占めていた。

「じゃあさ?会えなかったらどうなんの?」
『野垂れ死にますね』

「いきなりぶっちゃけたな!?ここまでズバッと言われると逆に清々しいわっ!」

『ホントですよ?この世界で真っ先に頼らなくてはならないヴァンガードなんです』

「ヴァンガード……導くもの……か」

『どうされました?』

「いや、何でもねぇ……んじゃさっさと転送しちまってくれ」

『リョーカイでーす!では、死ぬ気で生きてみてくださいね!』

「へ?」

反応した時にはもう遅かった……。

あたりが一瞬にして蒼い空へと変わった。

「いやぁぁぁぁぁぁ!!死ぬぅぅぅぅぅぅ!!…………なんてな?これはお約束の加護かなんかが目覚める瞬間……」

しかし何も起こらなかった。

「リプぅぅぅぅぅぅ!!どうなってんのぉぉぉぉぉぉ!?」

『ふふふんふーん……呼びました?』

「呼びましたじゃねぇよっ!?絶賛大ピンチなんだけどっ!!」

うーんと唸りリプはこう続けた。

『ポンポコピーヤって呪文を唱えると助かりますよ?』

「ポンポコピーヤ」

恥じらいはなかった……リンカは恥というものを死ぬと同時に捨てたらしい。

『では少しお待ちください、えっと……ポンポコピーヤとフリーフォールしながら叫ぶヤツワロタ……っと』

「お前何してんのッ!?いいから助けろ!!」

『あ、下の地面クッションになってるから死にませんよ?』

「まずチート能力得たらお前殺すわ」





「なんてことあったんだよな……さて?」

まずは言われた通りロリババアなるものを探すことにしたが……リンカにはその手がかりはなかった……。

「……まずは、あの村らしいところに行ってみるかな?」

だが、向かってみるとそこは村と呼べる場所ではなかった。

「……んだよこれ……死体の山?」

そこにあったのは年もしれぬ死体の山……そしてその上に座り読書を楽しむ幼女……。

「聞いてたやつより随分と人が悪そうだな?……」

こちらに気づき鋭い視線をこちらに向けた。

「ロリババアってのに殺戮兵器ってのもプラス……し……」

リンカは感じ取ったのだ……その者の溢れ出る膨大な殺意を。

「……な、なんだ?殺意の収め方も習ってないただのガキか?はっ、俺はなー?自分を欺くことには長けて……」

「口を閉じろ下等生物……」

「!?」

ロリボイス、ロリ体型からは想像出来ない口の悪さ……自分がこの物語の読者ならそれでも需要を感じたかもしれないが……。

「はんっ!どうした?いきがるだけのガキか?……残念なからなぁ?」

そこまで言うとロリは大空に手を掲げ巨大炎球を創りだした。 

「……残念ながらいきがってたのは俺の方だったみたいだ」

リンカは異世界に来て初めてのピンチに遭遇した。



















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