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ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

25.中ボス4

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 昼休憩し、回復スポットに触れHP/MPも全回復させた。まだ時間は早いし、もう少し進んでみるか。
 
「これから次のボスの広間を確認してから帰ろうか?」

 二人に確認すると元気良く「「りょーかーい」」と返ってきた。

「今日はまだMP回復を使ってないから、魔法をどんどん使っていくね」

 久奈……俺はMP回復するアイテムみたいな扱いだな。

 道中の雑魚も、相変わらず軽く一蹴し、難無く大扉のあるボスの広間までたどり着いてしまった。大扉の前には石像のドラゴンだ。久奈は一目見るなり言う。

「じゃあ、あいつは私が倒すね」

「えっ、倒すの? 大丈夫?」

「多分余裕で勝てるよ。樹、MP回復して」

 俺は言われるまま、久奈に軽くキスする。

「よーし、やる気出てきた!」

 久奈は、ふわりと浮かび上がるとドラゴンに向かって飛んでいく。

 ドラゴンは咆哮を上げ動き出し、久奈に向かって石弾のブレスを吐き出す。久奈の周りには風の壁があるようで一つも命中することはない。

「私、魔法使い系のスキル持ちなんだけど、けっこう刀に憧れてるんだよね」

 久奈が右手を上げると、頭上に空を覆いつくすほどの巨大な火球が出現する。ゴォォ……と地鳴りのような音とともにみるみる圧縮され、久奈の身長の3倍はあろうかという一本の刀の形になった。

 久奈が右手を振り下ろすと、白い光を放ち、赤く揺らめく炎を纏った刀が、ドラゴンに向かって飛んでいく。石でできている如何にも固そうなドラゴンをたやすく貫ぬいた。串刺しにしたところで刀が炸裂し轟音と閃光、少し遅れて衝撃波が辺りにまき散らされる。

 俺が衝撃波に吹き飛されそうになっていると、結月が魔刃で壁を作って守ってくれた。あたりが静かになったころには、石像のドラゴンは消滅していた。また、オーバーキルのワンパンだよ……。

「ゴーレムドラゴンを倒しました1000000Cr獲得。魂力が1000増化しました」

 一日で中ボスを2体撃破か。しかもワンパン。この調子だと意外と早くクリアできるかもしれないな。

 さすがに今日は大扉を開放したら帰ろう。

「扉開放ボーナスとしてパーティーメンバー全員が1000000Cr獲得しました」

 俺達は、新しく出現した回復スポットに触れ、新しく出現した転移ゲートに入り帰路についた。



 夕食を済ませて家に帰ってきた。一日中フィールドで戦っていたので、久奈も結月も疲れているようだ。

「もう眠くて無理だわー、おやすみー」

 久奈は風呂から上がると、さっさと自分の部屋に寝に行ってしまった。結月も風呂から出て髪を乾かしながら、リビングのソファーで寝てしまった。俺もとりあえず風呂に入ってこよう。

 俺が風呂から出てくると、結月はまだリビングのソファーで寝ている。可愛いなーと思って近くに寄って眺めた。起きているときにジッと眺めると「どうしたの?」と言われてしまうので、この機会にじっくり眺めることにする。
 
 結月の顔に近づき見つめる。整った顔立ち、白い肌、長いまつ毛は目を閉じていてもよくわかる。スースーと寝息を立てている。

 見つめているうちに俺は心臓が高鳴ってきたが、寝ているときにキスするのは悪いだろうと思って離れる。
 
 すると結月の目がパチッと開く。膨れっ面をしながら、俺に文句を言う。

「なんでキスしてくれないの? 好きな女の子が寝てたらキスくらいするのがマナーだよ!」

 いや、そんなマナー知らんし。っていうか起きてたんだね……。

「こんなところで寝てたら、風邪ひくかもよ?」

「樹が抱っこして部屋まで連れて行って」

 結月が甘えた声を出すので、俺はわざとらしく「承知しました。姫様」と応えて、結月をお姫様抱っこして部屋に連れていくことにする。魂力の上昇のおかげか、結月の体重は本当に羽根のように軽い。

 結月の部屋に着くと、そっとベットに寝かせる。すると結月は俺の首に腕を回して捕まえる。

「キスして……濃厚なやつ。昼間約束したでしょ」

 俺は頷き、結月とねっとりと絡めるように唇を重ね合った。

「ねえ、……しよっか」

 結月の吐息が肌で感じられるほど顔を寄せた状態で囁かれて、俺はドキッとする。しかし、どうにか我慢して結月の頭を撫でた。

「今日は結月も疲れてるでしょ? ゆっくりやすんでね。おやすみ」

 結月のおでこに軽くキスをして、俺は自分の部屋に戻っていった。

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