Pop Step

慰弦

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- 11章 -

- おたまじゃくしにしか見えない -

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一生懸命なんだよね。

みんな みんな

…………

………………


「ほら、もっと口開けろ」

「でもっ……」

「さっさとしろよ」

「ぅっ、うん…分かった。じゃぁー…」

「…もっと。そんなんじゃ2本しか入らないぞ」

「頑張ってはっ、居るんだけどっ」

「そう…じゃぁー」

「んっ!? んンー~~っ、んンッ!?」

「Σっ!?」


放課後、今日は班乃と安積がいつも練習をしている公園に植野と鈴橋も来ていた。


「…会長」

「なんですか?」

「なんか、すっごく如何わしく聞こえるのは俺に問題ありなんですかね?」

「いたって健康的な高校男児じゃないですかね」

「…だよねっ」


2人の手にはそれぞれ2本ずつのアイスクリーム。そしてその視線の先では、鈴橋と安積がなにやら言い争っている。


「痛っ!!いったっ!!ちょー痛っ!!顎ガキっつったっ!!」

「っ、それはこっちのセリフだっ!! おもっ、思いっきり指噛みやがって…!」


顎を押さえて悶絶する安積と3本の指をもう片方の手で握りしめ怒鳴り付ける鈴橋は、2人とももれなく涙目になっていた。


「あー…良いなぁー。がっくんの指おいしそー」

「…か、どうかは同意しかねますが…。ほら、いい加減アイス溶けますから、早く2人の所にー」

「Σ ねぇっ!溶けたアイスってなんかエロくないっ!?」

「…まずは2人の心配が先では?」

「指に、伝う、アイス…」

「…まぁ、分からなくもないです…けど」


若干溶けかけたソフトクリームを見つめ顔を赤らめる。そんなオープン過ぎる植野に引き気味な班乃をよそに、鈴橋の怒鳴り声はどんどんとはっきり聞こえるようになって来ている。

早く行かないと収集がと思えど、植野は未だに妄想の世界に飛び立っている。どちらを放っておくかは迷うまでもない。トリップしている植野を放置し、班乃は安積達の元へと急いだ。


「はいはい、そこまでにしてください。アイス買ってきましたから、一時休戦しましょう?」

「あっ…あっきぃ…っ!」

「ありがとう…ございますっ」

「少し溶けはじめてるので急いだ方が良いかもです」


お礼と共に差し出されたアイスを受け取った2人は、忠告通り直ぐにアイスへと口を付ける。わりと豪快にかぶり付く安積と、あまり大口を開けずに食べ進める鈴橋の様子が性格の違いを表している様で、見ていてなんだか面白い。


「それで、なにがあったんですか?ずいぶんお怒りのようでしたが」

「…思いっきり、指を噛まれまして」

「違っ、くないけど、口あけてたら顎がガコってなって、チョー痛くて反射的に思いっきり閉じたら」

「思いっきり噛んじゃったと…」
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