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- 23章 -
- 創始 -
しおりを挟むなんだかんだ言って安積からの拒絶はかなり堪えたものがあった。どうしたら良いのか、どこまで踏み込んで良いのかも分からず立ち止まりかけた。
けれど放って置くことなど出来る筈はなく、安積の異変に気が付いた鈴橋ならばとそれとなく助言を求めた。そのおかげで足を止める事はなかったけれど、それでもやはり不安は拭えず目的地を言わずに連れてきてしまった。
それはそれでちゃんと楽しんでくれるか不安はあったけれど、思った以上に喜んでくれたみたいで一安心だ。
『後でもう一回鈴橋にお礼ー…は言わなくて良いか。しつこいの嫌いそうだし』
「ちょっとっ!?聞いてる睦月!?」
「あ?」
どうやらずっと話しかけられていたらしい。楽しげに話していた安積だったが返答がないことに気が付き、市ノ瀬を見上げると膨れっ面で不満を漏らした。
「あぁー…悪い。完全に聞いてなかったわ」
「なんでよぅっ!?」
「や、喜んでくれて良かったなって」
「…………」
「なんだよ」
「……よっ、喜ぶに決まってんじゃんっ!ってかなに言ってんのっ!?まだなにも乗ってないしっ!?まだまだこれからでしょっ!!」
子供のようにはしゃいでしまって恥ずかしかったのか、微かに頬を赤らめさっさとアトラクションへと歩みを進める安積を追いかけながら一度静かに目を閉じた。
そうだ、まだまだこれからだ。
まだ自分にはやることがあるのだから。
『…びっ、びっくりしたっ!』
返答が失くなったかと思ったら良かったなんて言って急に笑うもんだから焦ってしまった。歩みを進めながら胸に手を当てた安積は動揺を落ち着かせようと大きく息を吐く。
『こいつ、こんな素直なこと言うやつだったっけ?』
無駄に早く波打つ鼓動を感じつつ、取りあえず目についたアトラクションの列に並ぶ。数年振りの遊園地。なにもせず悩んでる時間が勿体ない。
『折角連れてきてくれたんだ。楽しまないと!ってか、もう既に楽しいんだけどねっ!!』
パンフレットとにらめっこし食事や展示などでちょくちょく休憩を挟みつつ、なんだかんだの末お目当てのアトラクションを全制覇した頃には、色とりどりのイルミネーションが全力で仕事をしていた。
途中安積が落とし物を拾ってあげたお姉さん方の、やだ!可愛い!一緒に回る!?回ろっ!!?と言う押し強な発言には困ったものだったが、しどろもどろで断りずらそうにしてる安積の後ろから視線を送っただけで何処かに行ってくれたのは幸いだったと、市ノ瀬は1人安堵していた。
邪魔をしないでほしい。
本当に邪魔をしないでほしい。
その後、女の子と一緒に回るのが普通なのかな??と気にしたように言う安積の言葉を冷静に拒否したのは言うまでもない。
良いから、今余計なこと考えないで良いから。
なかなかに濃い時間を過ごした後、噴水エリアの椅子に並んで座ると、大きく息を吐いた。そしてー
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