Pop Step

慰弦

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- 28章 -

-とある休日-

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『なんなんだよこの収集のつかなさはっ!?』

なんだかんだ、市ノ瀬が秋山と月影とまともに話しをしたのは、今回が初めてだったりした。文化祭の2人の会話を聞けば、それなりに癖のある人達だと言うことは分かっては居たけれど…

『まさかここまでとは…』

姉のわけ分からない発言をなんなく受け流すどころか、むしろ乗っかってくるせいで全く収集がつかず、頭痛までしてきそうだ。


「……睦月」

「なんだよ」


溜め息と共に頭を抱えた市ノ瀬の肩に、ふいに優しげな手が置かれ、疲弊しきった顔で見上げたその手の主は、達観しきったような表情で市ノ瀬を見つめていた。


「こういうのはですね、まともに相手しちゃ駄目です。適当に相槌しとくか、全力で乗っかるか、傍観者に徹するかしないと」

「…確かに、明は全力で傍観者だもんな」

「睦月のように全力で突っ込み続けるのも、見てて面白いのでありだと思いますが」

「気力体力に不安しかねぇなぁ…ってか、楽しんでんじゃねぇよ…」


姉だけで手一杯だと言うのに、3人相手に気力体力が足りるなんて事があるんだろうか?取りあえず腐っても兄妹だ。姉が失礼な行動を起こさないようにだけは気を付けないと、と、思うには思うのだが…


「ねぇ、アスパラさん」

「「なぁに?」」

「あー……」

「貴女が呼んだのはただのアスパラ?」

「それとも、真のアスパラ?」

「真のアスパラ」

「なんでしょう、お嬢さん?」


アスパラと呼ばれて喜び、すんなり受け入れネタにする程強者な相手だ。どんな発言が失礼にあたるのか今一良く分からない。頭を悩ませながら、自然とどこかへと歩き出した姉とアスパラ達を、班乃兄妹と共に追いかける。


「前、2m級ドラッグクイーンが言ってるの聞いて気になってた」

「なにを?」

「背が高いと他人の声が聞こえづらいって。本当?」


『声が、聞こえづらい?』

腰が痛くなりやすいか、や、よく頭をぶつけるのか、等はよく聞かれるけれど、声が聞こえづらいのか、は初めて聞かれたかもしれない。それどころか、秋山自身でさえも気にしたことがないことで…


「そうだなぁ…1m級だから参考にならないかもだけど、あんまり不便に思ったことはないかなぁ」

「いやいやっ、ほぼ2m級じゃんのんちゃんw でもさ、誰かと話す時良く身ぃ屈めてるの見るし、無自覚に聞こえづらいなって思ってるんじゃない? 俺でも思う時あるくらいだし」

「えっ、そうなの? …俺、そんな事してる?」

「してるしてるwたまにめちゃくちゃ腰くるの、しんどいよねぇw」
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