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8 ドラゴン(仮)狩り②
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―――あ、これ死んだわ
そう思ったのは俺だけでは無かったはず。
きっとレフィーネも思ったであろう。
なぜなら……
俺らは白い糸にぐるぐる巻きにされていたからだ。
首から下、全てが白い糸で巻かれており、その上、天井から、吊るされているでは無いか!!
きっと寝てる間に何者かに拐われ、こうして捕まっているのだ。
無限ループ×糸でぐるぐる巻き これ呪われてるとしか言いようが無いですね?
そして俺は我に返ると、首を横に振りながらすぐさまレフィーネとエリザベスを探した。
「レフィーネっ!!!!!!……エリザベスっ!!!!!!
助けて~~~!!!!!!」
そうするとすぐ近くから、
「……うるさいわね。すぐ隣にいるでしょ。」
と言う声が聞こえた。
「(´・ω・`)あっごめん」
俺はレフィーネの怖さにすぐさま謝る。
すぐ隣、レフィーネはすぐ右で吊されていた。
―――小さい体に糸をぐるぐる巻きにされて。なぜだか笑っちゃうなぁ笑
そしてエリザベスも、左隣で同様に巻かれながら吊されていた。しかし寝心地がいいのか、ぐぅぐぅ寝ていた。それからも、糸がほどかれるまで起きる事はなく。
あぁそろそろやばいことになったぞ、これ。
俺達は今、洞窟の中で天井から吊されている状態だ。周りは魔法なのか、明るく照らされているのが唯一の救いである。=お互いの場所が分かる。
と言っても、この事態はどうにも出来ないのには間違いない。
どんなに踏ん張ってもこの糸はちぎれず、解く事もできないのだ……。
「なぁ、レフィーネ、これほんとにどうしよっか。レフィーネ、どうにかして?妖精なんでしょ?解く位魔法使えるっしょ?」
「……静かにして。考え事してるのよ。」
「(´・ω・`)あっごめん」
レフィーネはこの状況にビクともせず、ただじっと考え込んでいるようだった。
なんだよ、そんな事してる暇あったら早く逃げる策見つけろよな!!!
そして3分程経ったあと、やっと口を聞き始めた。
「……非常にまずい事態になったわね」
いやいや、気づくの遅い!!!!!!
「だから!!さっきから言ってるだろ僕ちゃん!!今頃気づきましたか?なんです?この3分間何してました?寝ぼけてました?ふざけんじゃねぇ!!」
「だから!うるさいって言ってるじゃない!!黙って!!!!!!」
レフィーネは珍しく、こしょこしょ声で俺に向かって怒鳴りつけた。
それから今まで考えていた事を話し出した。
「……此処は確かに洞窟よ。だけどただの洞窟じゃない。住処よ、それも『蜘蛛』のね。それで納得が行くでしょ?この白くて私たちを縛り付けてる物質。蜘蛛の糸よ。はぁ、私たちは寝てる間に蜘蛛に捕まって捕えられたのね。きっと私たちは食べられるのよ」
「……あ、そうなんですか。ってかあれだけ考えててそれだけかよ?!?!」
「いいえ、違うわ。前聞いたことがあったの。どこかの森に、ドラゴンではなく蜘蛛が住み着いていて、そこへ来た冒険者を食うの。その蜘蛛の名は―― マテリオオグモ。その名の通り、マテリ地方に生息する巨大な蜘蛛よ。体長5mってとこかしら。こんなに生きてて会ったことないから、もう何だかよく分からないわ」
「いや、もう何だか分かんないのって、異世界召喚されて速こうなった俺よ。それより体長5mって……」
「そのマテリオオグモは、とても耳が良いから直ぐに私たちを見つけることが出来たんでしょうね。 あとマテリオオグモは、干からびた物しか食べない習性があるから、逃げ出せる隙は結構あるわよ、私たちが干からびるまで、ね」
レフィーネはウィンクして説明をしてくれた。
正直この状況においてウィンクは不要。
「でもさぁ……住処ってことは寝る時、あのでっけぇ蜘蛛ここに戻ってくるんでしょ?」
「多分戻ってくるはずよ。でも食べられはしないから大丈夫。逃げ出したのバレたら、ただ私たちがもっと頑丈に糸に締め付けられるだけじゃない?」
「やっぱ死ぬじゃん」
マテリオオグモ。
それはこの異世界の地に、古くから存在する大グモだ。大きい個体だと10m位は軽く超えるほど。だがその代わり、強い訳でもなく、早く動ける訳でも無い。
このクモは群れで行動する事は少なく、いつも単体行動をしているのが特徴である。その為、ドラゴンの群れに遭遇してしまうと対抗出来ずに食われてしまうのだ。
このマテリオオグモに出会うのはたいへん珍しく、絶滅危惧種に指定されている。
そんな説明より逃げる事優先!!
「おいレフィーネ、早くしないと夜になるしドラゴン狩りできねーから早く!」
「分かってるわよ!ここで魔法使えるか分からないから待ってほしいのよ」
そう言うと、レフィーネは漸く魔法を使って糸を解き始めた。
だが開始1秒ですぐ諦め、
「無理。」
と呟いた。
「ええーーーーーっ?!…あ、諦めるの早くない???」
俺は咄嗟に驚く。
「しょうがないでしょ!使おうとしても使えないんだからっ!!なーんも魔法使えないあんたに、言われたくないわ~」
まぁ確かに魔法使ったことない俺に、何が分かるんですか、っていう話なんだけど。
っていうかレフィーネ早く出たくないの?
もし食われたらどうするの?
「ぶつぶつうるさいわ。…この手だけは使いたく無かったのだけれど…………」
そう言ってレフィーネは舌打ちをした。
「おっ?!おっ?! なんか必殺技みたいなのくる?!おーーー!俺はこういうのを期待し☆て☆た☆んだよ!」
心に期待が湧く。
やっときた!異世界あるある、ピンチの時に隠していた必殺技を使う!ktkr~
助かるやーん!
「そんな期待する様なもんじゃないのよ、ただ糸を解くだけが目的なんだから」
レフィーネが明らかに乗り気じゃ無かった。
表情が仏頂面なのだ。
まぁ、俺的には必殺技なら凄いもの見れそうだからいいんだけど~?
「さぁ、始めるわよ。あなたにとって初めての魔法となるかしら?見るの初めて?」
「うんうん、初めて初めて~!」
俺はにっこり笑顔で応えた。
―――そしてレフィーネの掛け声と共に、洞窟内が緑色に、明るく照らし出された。
さらにレフィーネの体も、じんわりと発光してきた。まるで神秘のオーブのような。
しまいに、何だかポカポカ暖かくなってきた。その感触を感じ、目を瞑った瞬間、
「はい、終わり」
と、終了の合図が聞こえた。
あぁ、もう糸切れたんだ、と思うよりも早く、
「あらっ、」
と言う、次はレフィーネでは無い、誰かの声が聞こえた。
思考が追いつかない。その中で分かることはまだ解かれていないこと。じゃあこの声の正体は?
我に返り、目を開ける。
「え?」
そして目の前の光景にあったものは、
「いやだーん♡、全くぅ、レフィーネったらぁ、久しぶりじゃなーい♡」
「辞めてっつってんのよ!ベタベタベタベタうざいのよ、このくそババアっ!!」
「あらヤダァ~~、私の事女だって、み♡と♡め♡て♡く♡れ♡て♡る♡」
「はぁ、だから呼びたくなかったの……」
という会話。
さらに真横で真顔のレフィーネが、誰かに抱きしめられていると思えば、それは狂人、オネエ。
後ろで長い髪を結んでいる、20代後半くらいの男だった。しかし―――美男だった。
「えっ、あの、ご友人……でしょうか?」
俺は目を丸くしながら訪ねる。
オネエはすぐこちらに顔を向けた。
「…………、レフィーネぇ、誰このオトコ。……まさかレフィーネっ?!?!私以外のオトコと、契約なんてしちゃってないでしょうねぇ?!」
「イヤイヤ……あっさり自分男って認めてんじゃねーか」
その後、レフィーネが鬱陶しそうにしながら質問に返答した。わ
「はぁ、いちいちうるさいわねほんとに。そうよ、契約してるのよ。これでいーい?」
「れ、れ、レフィーネ……?嘘でしょ?今世紀初の契約は私とするって、約束してたのにぃぃぃ!!酷いわぁぁぁ!」
「誰がお前なんかとするって言ったのよー!」
レフィーネの小さい1発が、オネエの頭にぶち当たった。だが正直、その威力は無い……
そこでレフィーネが仕切り直す。
「ごほんっ、連、あなたに言ってなかったわね、彼はリンと言って、このクラフト本の主よ。全く失礼しちゃったわね。見ても分かる通り、オネエなのよ。もうリンったら」
「なによレフィーネちゅわん♡私悪い事したかしら♡罪なオンナ♡」
「…あー、えーとうん、本の主だって事は分かったけど、この状態をどうするつも……」
「あらやだごめんなさい、私、自己紹介してなかったわぁ! 私はこの通り、リン・アルテナスと言いまして、ね。魔法科学器取扱管理人第568代目を務めますわ」
そうしてリンは深く、お辞儀をした。
くそ、俺の話を遮りやがってぇぇぇ!
その後も、リンは話を続けた。俺に対して。
「人間より先に名乗ったのに、そちら様、名乗らないというのは、どうか、と?」
そして、お辞儀の姿勢のまま俺を細目で見た。
確かに名乗らないのもやばみだと思ったので、一応名乗った。
「あ、どうも、レフィーネの契約者、杉瀬 連です。よろしくお願いします」
ちょこんと頭を下げる。
その後、リンは「ふーん」と顔を上げながら「レン、ね」と繰り返しながら俺を細目で睨んでいた。
レン、ね―――
レン、ね―――
何故だ。可笑しいか、俺氏?
まるで―――
恋のライバルみてーじゃねぇか――!!
レフィーネ(女子)を取り合う男のライバル!?
俺は全くそんな気しないし、レフィーネならどうぞどうぞ!!彼女にしちゃってください!
その光景で、レフィーネがその場を空気を読んだのか、
「……あっ、はやくリン、糸解いて!」
とリンを急かした。
それからは早かった。特に話もせず、リンはどこからとなくナイフを取り出し、どんどん体に巻き付けられた糸を、用心深く切っていった――――
ただしレフィーネの分だけ。
そう、それからがイラついた。
「ふふーん、レフィーネさまぁ、こいつ解いてやらなくてよろしいですかー?…この牛ちゃんはカワイイので解いてあげますけどぉ♡」
「えっ、あの…?俺……ですか?」
「そうよ、アンタよ。だって解きたくないんだもぉーーんっ」
「ちょっ、リン、何言ってんのよ、早くほどいてあげて!」
「レフィーネが認めた人、って聞いたから見てみたけど……全く普通の人間だし、どこに見る目があるの―――っていうね、」
「リン!!!!!!はやく解いてあげなさいっ!」
「そーいわれてーもね~、」
「あの、リンさん早くほどいてモラエマスカ……」
「でも~、マテリオオグモはまだ戻ってこないわよ~?まだ夜じゃないもの。アンタ男なら自分で解きなさい」
「俺自分で解けてたら今頃こうなってないよ~~~っ……」
「ねーーっリン!」
オネエが煽る、焦らす、煽る、焦らす。
レフィーネも、必死で糸をちぎろうとしているが、全く効果なし。
さらに、俺はリンから上目で見られながら、必死に糸切って~~頼みの繰り返し。
それもようやく、15分程経った後、終わったのだった。
俺も、長く付き合っているらしいレフィーネも、オネエの本質に気づけないまま―――。
つづく
今回はいつもより長くなってしまいました汗
これから更新速度上げていけたらな、と思います!
そう思ったのは俺だけでは無かったはず。
きっとレフィーネも思ったであろう。
なぜなら……
俺らは白い糸にぐるぐる巻きにされていたからだ。
首から下、全てが白い糸で巻かれており、その上、天井から、吊るされているでは無いか!!
きっと寝てる間に何者かに拐われ、こうして捕まっているのだ。
無限ループ×糸でぐるぐる巻き これ呪われてるとしか言いようが無いですね?
そして俺は我に返ると、首を横に振りながらすぐさまレフィーネとエリザベスを探した。
「レフィーネっ!!!!!!……エリザベスっ!!!!!!
助けて~~~!!!!!!」
そうするとすぐ近くから、
「……うるさいわね。すぐ隣にいるでしょ。」
と言う声が聞こえた。
「(´・ω・`)あっごめん」
俺はレフィーネの怖さにすぐさま謝る。
すぐ隣、レフィーネはすぐ右で吊されていた。
―――小さい体に糸をぐるぐる巻きにされて。なぜだか笑っちゃうなぁ笑
そしてエリザベスも、左隣で同様に巻かれながら吊されていた。しかし寝心地がいいのか、ぐぅぐぅ寝ていた。それからも、糸がほどかれるまで起きる事はなく。
あぁそろそろやばいことになったぞ、これ。
俺達は今、洞窟の中で天井から吊されている状態だ。周りは魔法なのか、明るく照らされているのが唯一の救いである。=お互いの場所が分かる。
と言っても、この事態はどうにも出来ないのには間違いない。
どんなに踏ん張ってもこの糸はちぎれず、解く事もできないのだ……。
「なぁ、レフィーネ、これほんとにどうしよっか。レフィーネ、どうにかして?妖精なんでしょ?解く位魔法使えるっしょ?」
「……静かにして。考え事してるのよ。」
「(´・ω・`)あっごめん」
レフィーネはこの状況にビクともせず、ただじっと考え込んでいるようだった。
なんだよ、そんな事してる暇あったら早く逃げる策見つけろよな!!!
そして3分程経ったあと、やっと口を聞き始めた。
「……非常にまずい事態になったわね」
いやいや、気づくの遅い!!!!!!
「だから!!さっきから言ってるだろ僕ちゃん!!今頃気づきましたか?なんです?この3分間何してました?寝ぼけてました?ふざけんじゃねぇ!!」
「だから!うるさいって言ってるじゃない!!黙って!!!!!!」
レフィーネは珍しく、こしょこしょ声で俺に向かって怒鳴りつけた。
それから今まで考えていた事を話し出した。
「……此処は確かに洞窟よ。だけどただの洞窟じゃない。住処よ、それも『蜘蛛』のね。それで納得が行くでしょ?この白くて私たちを縛り付けてる物質。蜘蛛の糸よ。はぁ、私たちは寝てる間に蜘蛛に捕まって捕えられたのね。きっと私たちは食べられるのよ」
「……あ、そうなんですか。ってかあれだけ考えててそれだけかよ?!?!」
「いいえ、違うわ。前聞いたことがあったの。どこかの森に、ドラゴンではなく蜘蛛が住み着いていて、そこへ来た冒険者を食うの。その蜘蛛の名は―― マテリオオグモ。その名の通り、マテリ地方に生息する巨大な蜘蛛よ。体長5mってとこかしら。こんなに生きてて会ったことないから、もう何だかよく分からないわ」
「いや、もう何だか分かんないのって、異世界召喚されて速こうなった俺よ。それより体長5mって……」
「そのマテリオオグモは、とても耳が良いから直ぐに私たちを見つけることが出来たんでしょうね。 あとマテリオオグモは、干からびた物しか食べない習性があるから、逃げ出せる隙は結構あるわよ、私たちが干からびるまで、ね」
レフィーネはウィンクして説明をしてくれた。
正直この状況においてウィンクは不要。
「でもさぁ……住処ってことは寝る時、あのでっけぇ蜘蛛ここに戻ってくるんでしょ?」
「多分戻ってくるはずよ。でも食べられはしないから大丈夫。逃げ出したのバレたら、ただ私たちがもっと頑丈に糸に締め付けられるだけじゃない?」
「やっぱ死ぬじゃん」
マテリオオグモ。
それはこの異世界の地に、古くから存在する大グモだ。大きい個体だと10m位は軽く超えるほど。だがその代わり、強い訳でもなく、早く動ける訳でも無い。
このクモは群れで行動する事は少なく、いつも単体行動をしているのが特徴である。その為、ドラゴンの群れに遭遇してしまうと対抗出来ずに食われてしまうのだ。
このマテリオオグモに出会うのはたいへん珍しく、絶滅危惧種に指定されている。
そんな説明より逃げる事優先!!
「おいレフィーネ、早くしないと夜になるしドラゴン狩りできねーから早く!」
「分かってるわよ!ここで魔法使えるか分からないから待ってほしいのよ」
そう言うと、レフィーネは漸く魔法を使って糸を解き始めた。
だが開始1秒ですぐ諦め、
「無理。」
と呟いた。
「ええーーーーーっ?!…あ、諦めるの早くない???」
俺は咄嗟に驚く。
「しょうがないでしょ!使おうとしても使えないんだからっ!!なーんも魔法使えないあんたに、言われたくないわ~」
まぁ確かに魔法使ったことない俺に、何が分かるんですか、っていう話なんだけど。
っていうかレフィーネ早く出たくないの?
もし食われたらどうするの?
「ぶつぶつうるさいわ。…この手だけは使いたく無かったのだけれど…………」
そう言ってレフィーネは舌打ちをした。
「おっ?!おっ?! なんか必殺技みたいなのくる?!おーーー!俺はこういうのを期待し☆て☆た☆んだよ!」
心に期待が湧く。
やっときた!異世界あるある、ピンチの時に隠していた必殺技を使う!ktkr~
助かるやーん!
「そんな期待する様なもんじゃないのよ、ただ糸を解くだけが目的なんだから」
レフィーネが明らかに乗り気じゃ無かった。
表情が仏頂面なのだ。
まぁ、俺的には必殺技なら凄いもの見れそうだからいいんだけど~?
「さぁ、始めるわよ。あなたにとって初めての魔法となるかしら?見るの初めて?」
「うんうん、初めて初めて~!」
俺はにっこり笑顔で応えた。
―――そしてレフィーネの掛け声と共に、洞窟内が緑色に、明るく照らし出された。
さらにレフィーネの体も、じんわりと発光してきた。まるで神秘のオーブのような。
しまいに、何だかポカポカ暖かくなってきた。その感触を感じ、目を瞑った瞬間、
「はい、終わり」
と、終了の合図が聞こえた。
あぁ、もう糸切れたんだ、と思うよりも早く、
「あらっ、」
と言う、次はレフィーネでは無い、誰かの声が聞こえた。
思考が追いつかない。その中で分かることはまだ解かれていないこと。じゃあこの声の正体は?
我に返り、目を開ける。
「え?」
そして目の前の光景にあったものは、
「いやだーん♡、全くぅ、レフィーネったらぁ、久しぶりじゃなーい♡」
「辞めてっつってんのよ!ベタベタベタベタうざいのよ、このくそババアっ!!」
「あらヤダァ~~、私の事女だって、み♡と♡め♡て♡く♡れ♡て♡る♡」
「はぁ、だから呼びたくなかったの……」
という会話。
さらに真横で真顔のレフィーネが、誰かに抱きしめられていると思えば、それは狂人、オネエ。
後ろで長い髪を結んでいる、20代後半くらいの男だった。しかし―――美男だった。
「えっ、あの、ご友人……でしょうか?」
俺は目を丸くしながら訪ねる。
オネエはすぐこちらに顔を向けた。
「…………、レフィーネぇ、誰このオトコ。……まさかレフィーネっ?!?!私以外のオトコと、契約なんてしちゃってないでしょうねぇ?!」
「イヤイヤ……あっさり自分男って認めてんじゃねーか」
その後、レフィーネが鬱陶しそうにしながら質問に返答した。わ
「はぁ、いちいちうるさいわねほんとに。そうよ、契約してるのよ。これでいーい?」
「れ、れ、レフィーネ……?嘘でしょ?今世紀初の契約は私とするって、約束してたのにぃぃぃ!!酷いわぁぁぁ!」
「誰がお前なんかとするって言ったのよー!」
レフィーネの小さい1発が、オネエの頭にぶち当たった。だが正直、その威力は無い……
そこでレフィーネが仕切り直す。
「ごほんっ、連、あなたに言ってなかったわね、彼はリンと言って、このクラフト本の主よ。全く失礼しちゃったわね。見ても分かる通り、オネエなのよ。もうリンったら」
「なによレフィーネちゅわん♡私悪い事したかしら♡罪なオンナ♡」
「…あー、えーとうん、本の主だって事は分かったけど、この状態をどうするつも……」
「あらやだごめんなさい、私、自己紹介してなかったわぁ! 私はこの通り、リン・アルテナスと言いまして、ね。魔法科学器取扱管理人第568代目を務めますわ」
そうしてリンは深く、お辞儀をした。
くそ、俺の話を遮りやがってぇぇぇ!
その後も、リンは話を続けた。俺に対して。
「人間より先に名乗ったのに、そちら様、名乗らないというのは、どうか、と?」
そして、お辞儀の姿勢のまま俺を細目で見た。
確かに名乗らないのもやばみだと思ったので、一応名乗った。
「あ、どうも、レフィーネの契約者、杉瀬 連です。よろしくお願いします」
ちょこんと頭を下げる。
その後、リンは「ふーん」と顔を上げながら「レン、ね」と繰り返しながら俺を細目で睨んでいた。
レン、ね―――
レン、ね―――
何故だ。可笑しいか、俺氏?
まるで―――
恋のライバルみてーじゃねぇか――!!
レフィーネ(女子)を取り合う男のライバル!?
俺は全くそんな気しないし、レフィーネならどうぞどうぞ!!彼女にしちゃってください!
その光景で、レフィーネがその場を空気を読んだのか、
「……あっ、はやくリン、糸解いて!」
とリンを急かした。
それからは早かった。特に話もせず、リンはどこからとなくナイフを取り出し、どんどん体に巻き付けられた糸を、用心深く切っていった――――
ただしレフィーネの分だけ。
そう、それからがイラついた。
「ふふーん、レフィーネさまぁ、こいつ解いてやらなくてよろしいですかー?…この牛ちゃんはカワイイので解いてあげますけどぉ♡」
「えっ、あの…?俺……ですか?」
「そうよ、アンタよ。だって解きたくないんだもぉーーんっ」
「ちょっ、リン、何言ってんのよ、早くほどいてあげて!」
「レフィーネが認めた人、って聞いたから見てみたけど……全く普通の人間だし、どこに見る目があるの―――っていうね、」
「リン!!!!!!はやく解いてあげなさいっ!」
「そーいわれてーもね~、」
「あの、リンさん早くほどいてモラエマスカ……」
「でも~、マテリオオグモはまだ戻ってこないわよ~?まだ夜じゃないもの。アンタ男なら自分で解きなさい」
「俺自分で解けてたら今頃こうなってないよ~~~っ……」
「ねーーっリン!」
オネエが煽る、焦らす、煽る、焦らす。
レフィーネも、必死で糸をちぎろうとしているが、全く効果なし。
さらに、俺はリンから上目で見られながら、必死に糸切って~~頼みの繰り返し。
それもようやく、15分程経った後、終わったのだった。
俺も、長く付き合っているらしいレフィーネも、オネエの本質に気づけないまま―――。
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