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第一章 逃走と合流
第25話 街道にて(2)
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「あっ、モモ。殺すのはやめろ」
俺はモモの行動を止める。彼女はその態勢のまま俺のほうへと振り向き、不思議そうな顔をして首をかしげる。その可愛らしい大きな目には、疑問が浮かんでいるようだった。
「どうしてですか?」
軍隊にいたからか、彼女たちは人を殺すのに躊躇がない。それはそうだろう、そんな事を迷っていたら、先に殺されてしまうからだ。
下になっている山賊が苦しいのか、それとも反撃しようとしているのか、腕を少し動かす。それを見逃さずに、「動くな」と威圧するように低い声で言うと、モモは再びこちらを向いた。
「いや、下手に殺すとやっかい事になる可能性があるからな」
「ええと、相手は山賊ですよ」
モモはさも殺されて当然の輩だ、と言わんばかりに正義感丸出しで言った。
その言葉を後ろで会話を聞いていたラフランは、少し慌てたように口をはさんでくる。
「そうか、こいつらの仲間がいたらやっかいですよね」
そうか、もしあの逃げた男が仲間に合流するとして、戻ってきて仲間が生きていれば、そんなにやっきになって探しに来ない。ナイスだ、ラフラン。
俺はラフランの言葉にのっかる事にした。
「よく気がついたなラフラン。仲間が生きていれば、そんなにやっきになって探しに来ないからな。ここに縛っておいとこう」
「はい! よーし、ライム縛るぞ!」
ラフランは褒められたのが嬉しかったのか、ライムに声をかける。
「はい!」
ラフランは我先にと茂みから山賊のものと思われる荷物を探し出す。そして、その荷物の中からロープを見つけると、ライムとモモへと手渡し、三人一緒に山賊たちを縛りあげた。
「俺にも一本くれ」
「はい! 隊長」
俺の言葉にいつの間にか一人を縛りあげていたモモ。彼女はそんな返事と共に残りのロープを俺のほうへ放り投げる。
俺はそれを難なく掴むと、これも動きを体が覚えていたのか、簡単に目の前の男を縛りあげる事ができた。
「よし、これでいいだろ」
「はい!」
三人はそう答えると、それぞれ自分の荷物を抱えると村に向かって歩き出した。
「さすが隊長です。まったく思いつきませんでした」
モモは俺のとなりにくると、その可愛らしい笑顔を俺に向けると言った。
俺は「ん、そうか?」と少し照れ隠しに言うと、モモは「ええ」と答えて満足そうに前を向いて歩くのだった。
俺はモモの行動を止める。彼女はその態勢のまま俺のほうへと振り向き、不思議そうな顔をして首をかしげる。その可愛らしい大きな目には、疑問が浮かんでいるようだった。
「どうしてですか?」
軍隊にいたからか、彼女たちは人を殺すのに躊躇がない。それはそうだろう、そんな事を迷っていたら、先に殺されてしまうからだ。
下になっている山賊が苦しいのか、それとも反撃しようとしているのか、腕を少し動かす。それを見逃さずに、「動くな」と威圧するように低い声で言うと、モモは再びこちらを向いた。
「いや、下手に殺すとやっかい事になる可能性があるからな」
「ええと、相手は山賊ですよ」
モモはさも殺されて当然の輩だ、と言わんばかりに正義感丸出しで言った。
その言葉を後ろで会話を聞いていたラフランは、少し慌てたように口をはさんでくる。
「そうか、こいつらの仲間がいたらやっかいですよね」
そうか、もしあの逃げた男が仲間に合流するとして、戻ってきて仲間が生きていれば、そんなにやっきになって探しに来ない。ナイスだ、ラフラン。
俺はラフランの言葉にのっかる事にした。
「よく気がついたなラフラン。仲間が生きていれば、そんなにやっきになって探しに来ないからな。ここに縛っておいとこう」
「はい! よーし、ライム縛るぞ!」
ラフランは褒められたのが嬉しかったのか、ライムに声をかける。
「はい!」
ラフランは我先にと茂みから山賊のものと思われる荷物を探し出す。そして、その荷物の中からロープを見つけると、ライムとモモへと手渡し、三人一緒に山賊たちを縛りあげた。
「俺にも一本くれ」
「はい! 隊長」
俺の言葉にいつの間にか一人を縛りあげていたモモ。彼女はそんな返事と共に残りのロープを俺のほうへ放り投げる。
俺はそれを難なく掴むと、これも動きを体が覚えていたのか、簡単に目の前の男を縛りあげる事ができた。
「よし、これでいいだろ」
「はい!」
三人はそう答えると、それぞれ自分の荷物を抱えると村に向かって歩き出した。
「さすが隊長です。まったく思いつきませんでした」
モモは俺のとなりにくると、その可愛らしい笑顔を俺に向けると言った。
俺は「ん、そうか?」と少し照れ隠しに言うと、モモは「ええ」と答えて満足そうに前を向いて歩くのだった。
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