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20話 黒とか白とか意味がわからん。
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おれは体が震えているのを感じた。
こいつは─────弟は────ヤバい、奴だ。
「させないぞ。おれが────亮を守る。」
おれは思ったんだ、おれが───この弟から亮を守ってあげないとと、救ってあげないと───と。
「守る?クソ兄貴を、お前が?なにいってんだ?その役目は全部おれなんだよ。兄貴が傷つかないように兄貴に近づくクソムシから守るんだろ?おれが…すべて、兄貴のすべてを───。」
弟の性格がいきなり変わって困っている…と
亮は言っていた。
その意味がやっとわかった。
『お兄ちゃん』と呼んでいるときと全然雰囲気が違う。
「クソムシ、そろそろ戻ろう?お兄ちゃん心配してるよ?」
スッと殺気を消してにこにことした笑顔に変わる。ぞくっとする。
あぁ…苦手かもしれない。
怖く思えてしまう。
だが────おれが考えるのはただ一つ。
亮を────おれが守らないと…その思いだけが頭の中でグルグルと回っていたんだ。
しばらくすると二人が戻ってきた。
弟は相変わらずにこにこと笑みを浮かべていたが黎はう~んと悩んでいるようだった。
「どうした?」と声をかけると
「亮は物じゃない。」といわれた。ん?どういうこと?
「ちょっ…黎に変なこといってねぇだろうな!?」
おれがそう勇太に話しかけた。すると
「…ちょっときて。」
今度は逆におれを廊下に連れ出そうとする。
「え、なに!?」
「…いいから黙ってついてこいよ、クソ兄貴が。」
勇太はおれの手を強引に引っ張る。痛いっ!痛いから!!
おれを廊下に連れ出し睨んできた。
「な、なんだよ!?おれ、なんかしたか「──────やっぱりそうだった。」
「はっ!?」
一体なんなんだ!?よくわからない。何がいいたいんだ!?
「──────あいつは黒だ。」
「くろ?」
何の話をしてるのか。さっぱりわからない。
くろってなんだ?黎は黒?黒が好きなのか?
「なにいってっ…「あいつに近づくな。」
「え?」
ギロッと勇太はおれを睨みつける。
「あいつって…?」
「黎、クソムシのことだ。もう二度とかかわるな。」
何をいってるんだ?意味がわからない。おれはびっくりして上手く言葉が出なかった。
「…意味わかんねぇ。なんでお前は黎のこと、そうやって嫌うんだ。」
「んなの、おれが嫌いだから。それだけだ。」
…やっぱり意味がわからない。
なんでおれが黎と一緒にいちゃいけないんだよ。
そんなこと、なんで勇太に言われなければならない?
黎のこと何にも知らないくせに…。
「…嫌だ。」
「あ?」
「嫌にきまってんだろ!
黎はおれの大切な友達…初めてできた友達なんだよ。だから黎と一緒にいたいよ。
…てか、なんで勇太が口出しすんだよ。
…意味わかんねぇよ。」
おれがそういうと勇太は嫌な笑みを浮かべた。
「…初めての友達…ね。まぁそうだよね。お兄ちゃん今までお友達いなかったもんね。
…かわいそうに。」
勇太はおれをギロッと見る。逃がさないっ…とおれを…鋭い目で────
そして─────言う。
「友達なんて作ってんじゃねぇよ。兄貴は────おれがいればいいだろ。」
そういっておれの意志を、心を縛り付ける。
こいつは─────弟は────ヤバい、奴だ。
「させないぞ。おれが────亮を守る。」
おれは思ったんだ、おれが───この弟から亮を守ってあげないとと、救ってあげないと───と。
「守る?クソ兄貴を、お前が?なにいってんだ?その役目は全部おれなんだよ。兄貴が傷つかないように兄貴に近づくクソムシから守るんだろ?おれが…すべて、兄貴のすべてを───。」
弟の性格がいきなり変わって困っている…と
亮は言っていた。
その意味がやっとわかった。
『お兄ちゃん』と呼んでいるときと全然雰囲気が違う。
「クソムシ、そろそろ戻ろう?お兄ちゃん心配してるよ?」
スッと殺気を消してにこにことした笑顔に変わる。ぞくっとする。
あぁ…苦手かもしれない。
怖く思えてしまう。
だが────おれが考えるのはただ一つ。
亮を────おれが守らないと…その思いだけが頭の中でグルグルと回っていたんだ。
しばらくすると二人が戻ってきた。
弟は相変わらずにこにこと笑みを浮かべていたが黎はう~んと悩んでいるようだった。
「どうした?」と声をかけると
「亮は物じゃない。」といわれた。ん?どういうこと?
「ちょっ…黎に変なこといってねぇだろうな!?」
おれがそう勇太に話しかけた。すると
「…ちょっときて。」
今度は逆におれを廊下に連れ出そうとする。
「え、なに!?」
「…いいから黙ってついてこいよ、クソ兄貴が。」
勇太はおれの手を強引に引っ張る。痛いっ!痛いから!!
おれを廊下に連れ出し睨んできた。
「な、なんだよ!?おれ、なんかしたか「──────やっぱりそうだった。」
「はっ!?」
一体なんなんだ!?よくわからない。何がいいたいんだ!?
「──────あいつは黒だ。」
「くろ?」
何の話をしてるのか。さっぱりわからない。
くろってなんだ?黎は黒?黒が好きなのか?
「なにいってっ…「あいつに近づくな。」
「え?」
ギロッと勇太はおれを睨みつける。
「あいつって…?」
「黎、クソムシのことだ。もう二度とかかわるな。」
何をいってるんだ?意味がわからない。おれはびっくりして上手く言葉が出なかった。
「…意味わかんねぇ。なんでお前は黎のこと、そうやって嫌うんだ。」
「んなの、おれが嫌いだから。それだけだ。」
…やっぱり意味がわからない。
なんでおれが黎と一緒にいちゃいけないんだよ。
そんなこと、なんで勇太に言われなければならない?
黎のこと何にも知らないくせに…。
「…嫌だ。」
「あ?」
「嫌にきまってんだろ!
黎はおれの大切な友達…初めてできた友達なんだよ。だから黎と一緒にいたいよ。
…てか、なんで勇太が口出しすんだよ。
…意味わかんねぇよ。」
おれがそういうと勇太は嫌な笑みを浮かべた。
「…初めての友達…ね。まぁそうだよね。お兄ちゃん今までお友達いなかったもんね。
…かわいそうに。」
勇太はおれをギロッと見る。逃がさないっ…とおれを…鋭い目で────
そして─────言う。
「友達なんて作ってんじゃねぇよ。兄貴は────おれがいればいいだろ。」
そういっておれの意志を、心を縛り付ける。
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