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飛鳥告白編

3話 嫌なんだ…亮が飛鳥君と付き合うことが…

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おれは黎の言葉に喜びが上がる。

黎は、おれのことを友達と言ってくれる。

それが…とても嬉しいのだ。

「…悩んでるのは…。」
「弟のことか?」
「あ、ううん。飛鳥君のこと。」
「あ…、亮、飛鳥君に告白された…らしいな。」
「え!?なんで、そんなこと…!?」
「飛鳥君が教えてくれたんだ…。」

あーとおれは思うと少し恥ずかしく思う。

くそっ…黎に知られてるとは…!
てか飛鳥君が教えたのかよっ。なんておれは思いつつ黎を見る。

「亮はその返事に困っているのだろう?」

図星らしい。当てられてしまった…。おれは恥ずかしいのと焦りであわあわしてしまう。

「でも、黎。おれはもう…答えは決めたんだ。」
「…そうか。」

黎はそういうと目から光が消えた。えっ!?と思いおれはびっくりした。黎はとても暗く落ち込んでいた。

「おれは…昨日飛鳥君が亮に告白をしたと聞いていた。そのとき…おれは二人が結ばれればいいと思ったんだ。」

「え、そうなの!?」

おれは黎が、そう思っていたとは知らずびっくりした。
というか黎は男同士の付き合いというのに嫌な気はしないんだな…と思うとほっと落ち着いた。

「だが…おれはよく考えて嫌だと感じてしまったんだ…。」

黎はそういうと申し訳なさそうに頭を下げた。おれはそれにびっくりする。


「─────ごめん。」


「え!?なんで黎が謝って」

「おれは人の幸せを喜べないひどい奴だからだ!!」

黎はそういってはぁっとため息をついた。

「嫌…なんだ。亮が誰かと付き合うことが…。」


黎は、そういうとおれの顔を真っ直ぐ見ていた。

「おれは別に…」

「ごめん。おれは亮の友達だ。友達の幸せは願わなければならない。
人と付き合うということは幸せことなんだ…なのにおれっ…亮が離れていってしまうのが怖い。」

「え、」

色々言いたいことがあるのだが考えがまとまらず言えなくなる。というか飛鳥君と付き合う前提で話してるのか!?黎!!

「おれは亮が一緒にいてくれたから今まで楽しかったんだ…。でも亮がいなくなってしまったら…またおれは1人になる。そんなの…どうしても嫌なんだ。」

「ちょっ…まっ、1人?」

「そうだ。だっておれは亮のことが大好きだから!」

ちょっーー!朝からめっちゃ告白されてる!!

黎のことだから本心を話してるだけなんだろうけど…端から見ると告白されているようにしか見えない!

とりあえず…黎に伝えないと──


「黎、ちょっ…落ち着いて。」
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