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ミアside
ここ、どこ?まっ暗い。黒はシャドウの色。なんだか心地がいい。ずっとここに居たい。ここでなら、何も考えなくてもいい、疲れることもない。なのに、なんでだろう。誰かが何かを喋ってる。もう、静かにしてよ。私はもう眠たいの。起きたら話を聞くから。だから寝させて。
「ねえ!ねえってば!眠ってはダメよ!意識をしっかり持ちなさい。あなた、死んでしまうわ」
「しぬ?わたしが?わたしはげんきよ。ぜんぜんへいきよ?」
「違うわ!あなたはここでは元気かもしれない。でも現実の世界で、2度と目を覚ませ無くなる。戻れなくなるのよ!あなたはそれでいいの?あの人を置いてこっちに逃げたまま。きっとあの人、病んでしまうわ。」
「あのひと………………しゃどうのことね。なんであなたがしってるの?あなたはだれ」
「私はあなたよ。あなたは私。昔の、あなた。」
「わたしはあなたのことなんてしらないわ。はじめてあったのよ?それに、わたしはひとりよ」
「そうね。でもそうじゃないの。あなたの記憶には無いでしょうけど、私は一回死んでいる。それが納得できなくて、もう一回の人生を神様にお願いしたの。それで産まれたのがあなた。」
「よく、わかんない」
「うん。直ぐには理解できないことだよね。うーん。まとめると、あなたは転生者ってことね。あなたの人生は、2回目なの。だから産まれた時から物心があったでしょ?」
「………………、ちょっと、わかった。でも、あなたはわたしでしょ?なんでわたしにはなしかけられるの?」
「私、ほんとはもう消えるはずだった。全てをあなたに託してね。それで上手くいくはずだった。今度こそ、私が幸せな人生を送れるんだって、そう思ってた。けど予想外の事が起きた。あなたは捨てられたわ。産まれて直ぐに。それでも神様が慈悲をくれたのかしら?拾ってくれる人が現れて、私を、あなたを愛してくれた。その時直ぐに私は消えようとしたわ。でも………少しだけ、幸せな光景を見ていたくなって。今考えると、正解だったわね。また死んでしまう所だったわ。」
「でも、わたしはここにいたいの。ここはふわふわしててきもちいいから」
「そうね。何も考えないのは、楽で気持ちいわ。でも…………、お願い。もう少しだけ。もう少しだけでいいの。私が納得して消えられるように、幸せを見せて。あの人のそばに居てあげて。私が消えたら、あとはあなたが好きにすればいい。ここに戻ってきてもいいわ。お願い。お願いよ。」
「あなたは、ううん。むかしのわたしは、しあわせじゃなかったのね。」
「そうよ」
「わたしはしあわせになれるのかな?」
「ええ。もちろんよ。だってあの人は、あなたを愛してくれているもの。少し、いや、かなり重いけどね。ふふっ!愛があれば、人は誰でも幸せになれるのよ。私しってるもの。」
「じゃあ、ちょっとだけ…………わたしのために」
「嬉しいわ。ありがとう、私」
昔のわたしは、優しく、でも力強く、ドアを押した。ドアは鈍いギィッて音を鳴らした。少ししか開かなかったけど、これでもう充分なのだと笑って、私は見えなくなってしまった。待っててね、見ててね。私。
ここ、どこ?まっ暗い。黒はシャドウの色。なんだか心地がいい。ずっとここに居たい。ここでなら、何も考えなくてもいい、疲れることもない。なのに、なんでだろう。誰かが何かを喋ってる。もう、静かにしてよ。私はもう眠たいの。起きたら話を聞くから。だから寝させて。
「ねえ!ねえってば!眠ってはダメよ!意識をしっかり持ちなさい。あなた、死んでしまうわ」
「しぬ?わたしが?わたしはげんきよ。ぜんぜんへいきよ?」
「違うわ!あなたはここでは元気かもしれない。でも現実の世界で、2度と目を覚ませ無くなる。戻れなくなるのよ!あなたはそれでいいの?あの人を置いてこっちに逃げたまま。きっとあの人、病んでしまうわ。」
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「私はあなたよ。あなたは私。昔の、あなた。」
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「よく、わかんない」
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「………………、ちょっと、わかった。でも、あなたはわたしでしょ?なんでわたしにはなしかけられるの?」
「私、ほんとはもう消えるはずだった。全てをあなたに託してね。それで上手くいくはずだった。今度こそ、私が幸せな人生を送れるんだって、そう思ってた。けど予想外の事が起きた。あなたは捨てられたわ。産まれて直ぐに。それでも神様が慈悲をくれたのかしら?拾ってくれる人が現れて、私を、あなたを愛してくれた。その時直ぐに私は消えようとしたわ。でも………少しだけ、幸せな光景を見ていたくなって。今考えると、正解だったわね。また死んでしまう所だったわ。」
「でも、わたしはここにいたいの。ここはふわふわしててきもちいいから」
「そうね。何も考えないのは、楽で気持ちいわ。でも…………、お願い。もう少しだけ。もう少しだけでいいの。私が納得して消えられるように、幸せを見せて。あの人のそばに居てあげて。私が消えたら、あとはあなたが好きにすればいい。ここに戻ってきてもいいわ。お願い。お願いよ。」
「あなたは、ううん。むかしのわたしは、しあわせじゃなかったのね。」
「そうよ」
「わたしはしあわせになれるのかな?」
「ええ。もちろんよ。だってあの人は、あなたを愛してくれているもの。少し、いや、かなり重いけどね。ふふっ!愛があれば、人は誰でも幸せになれるのよ。私しってるもの。」
「じゃあ、ちょっとだけ…………わたしのために」
「嬉しいわ。ありがとう、私」
昔のわたしは、優しく、でも力強く、ドアを押した。ドアは鈍いギィッて音を鳴らした。少ししか開かなかったけど、これでもう充分なのだと笑って、私は見えなくなってしまった。待っててね、見ててね。私。
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