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「あれ?ミアちゃん!来てくれたの?」ラクスはミアの姿を見た瞬間にパッと笑顔になった。


「ラクス、しばらくの間、ミアを預かってほしい」


「もちろん!ほら、ミアちゃん、おいで」


「うん!」走ってくるミアを優しく抱き上げて頬ずりした。


「じゃあ、行ってくる」シャドウが転移の魔法をかけようとした時だった。


「あ、僕のぶんも取っといてね?」後ろから冷たい声が聞こえた。


「なぜ知ってるんだ」


「リルが教えてくれた。僕だって許せないよ。大切な妹だもん」


「もう先約がいるからな。少ししか残らないかも」


「ふふ。じゃあそれで我慢するよ」


「なんのはなし?」残酷な会話を素っ頓狂な声が遮って、辺りを和ませた。


「「なんでもない」」さっきまでの顔はどこへ行ったのか、優しい顔で返答する。


「ふうん」まだ納得できていなさそうな声だ。でもその声が可愛すぎて2人の男が悶えているのをミアは知らない。


「じゃあね、頼んだよ。ラクス。かすり傷でもついてたらどうなるか、覚悟しといて」


冷たい目。少し赤色に変色している事が、本気だと証明している。


ラクスはその言葉に納得がいかなかったのか、目が全く笑っていない笑顔で


「僕がミアちゃんに怪我?甘く見ないでくれるかなぁ。安心して行ってきなよ。僕はミアちゃんとイチャイチャするからさ。ふふっ」


「チッ」


急に始まった睨み合いにミアは混乱してわたわたしている。でも次の瞬間にはミアに柔らかい表情を向けた。


「じゃあね、ミア。寂しくなったら直ぐに僕を呼ぶんだよ。……………………。やっぱり寂しくなくても呼んで」


少し赤面しながらボソッと呟いた最後の言葉にミアがキュンとしたのは言うまでもない。


「ふんっ」今度はラクスが不貞腐れる。シャドウはその表情を見て満足気に転移した。


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