人食い熊、襲来!

Mr.ビギニング

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討伐成功 その3

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M村に戻ってきた討伐隊の一行は、人食い熊討伐を祝って村の飲み屋で
簡単な飲み会を開くことになった。
飲み屋に夜の八時集合。そう約束し、俺は駐在所に戻った。
駐在所に入るとやはり、荒巻先輩は椅子に座って居眠りをしていた。
あまりにイビキがうるさいときは起こすが、基本は放置だ。
制服警官用のコートをハンガーに引っ掛け、制帽を脱ぐ。
イスに腰かけ、「ふう」とため息をついた。疲れた・・・・

ふと、気になったことがあり、俺はノートパソコンを開いた。
クマが人を襲った事件は結構あるのだろうかと、気になったのだ。
インターネットで「クマ 人 襲う」と検索すると、「三毛別熊事件」という
記事が出てきた。

「三毛別熊事件」とは、大正四年の十二月に北海道苫前郡苫前村の三毛別で
発生した獣害事件で、クマの獣害事件としては記録的被害を出した。
エゾヒグマが数度にわたって開拓民の家を襲い、7名が死亡、3名が重傷を負った。
討伐隊が組織され、クマが射殺されたことで事件は終結したが、
このエゾヒグマは体重340kg、体長は2.7mもあったという。
成人男性の倍以上だ。

事件の記録を読むうち、ひとつ発見があった。
三毛別熊事件のクマは、食いかけの開拓民の遺体を保存する目的で雪の中に
埋めていたそうだ。
今回の事件でも、森山英太と一緒に発見された金田という女性は、
食いかけの肉片の状態で雪に埋められていた。
なぜ埋められていたのか疑問だったが、やっと分かった。
保存するためだったのだ。


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