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第9話 謎の二人組と青い鳥
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町から離れ、地図を見ながら探してたらだんだん砂利道になり、気づけば周囲に鬱蒼と草木が生い茂っている。
どうやらもう森の中に入ったみたいだな。
辺りを見回すが、パームグラスらしきものは見当たらない。
参ったな、すぐわかるとは言ってたけど、そう簡単には見つからないか。話しよると至るところにあるらしいけど。
砂利道から外れて茂みの中に入って行く。道に迷ったら最悪だなと思いつつ、少し奥に進む。
ん? あれそうじゃないか?
少し大きめの葉っぱが目に付く。ポケットから借りてきた乾燥パームグラスを取り出す。
多分これだな。葉っぱが五枚に別れてるし見た目も匂いも同じように感じる。
さっそくもぎ取って空のビンに詰め込み、他にないかと顔を上げ注意深く探す。
よく見ると他の植物に混じって生えてるのがわかる。それらをもぎ取りどんどんビンに詰め込んでいく。
なるほど大きな木のそばに自生してるんだな。
採取するのが楽しくなりどんどん奥に入っていく。
ビンの中が一杯になり、こんなもんで終わろうと考えていたら、ガサガサッとなにかが近づいてくる音が聞こえる。
獣?! 一瞬頭を横切る。
奥に入りすぎたか! 音がする方に警戒しながら逃げる体勢を取り、そちらに目を向ける。
なおも音を立てながらこちらに向かってきて、遂に音の主が姿を現す。
人だ!
向こうもこちらの存在に気づいたらしく目が合う。
「「きぃやああああぁぁー!!!!!」」
目が合うや否や大きな奇声をあげるので、こっちもつられて奇声を出してしまう。
俺は腰を抜かしそうになり、前のめりになりながら距離を取る。
人間じゃないのか? 見ちゃいけないものをみたのか?
頭の中がパニックで頭が回らないが、どうにか落ち着かせようと奇声が聞こえた方を確認する。
ほっ、どうやら女性のようだ。やっぱり人だったんだな。
向こうのピンクの髪色をした女性もよほど驚いたのか、腰を抜かし地べたにへたりこんでいる。
その状態のまま青ざめ表情でこっちに向かって「ご、ごきげんよう」と挨拶をしてくる。
落ち着きを取り戻した俺も「こんにちは」と返す。
山で人とすれ違ったらお互い挨拶するのは常識だからな。
その時どこからともなく一羽の鳥がなにかを喋りながら空から飛んでくる。
「リネットさまぁ! この森の出口がわかりましたよ」
ひっ! 鳥がしゃべった!?
いや待て、異世界だし鳥だし、そのくらい話すだろ。
俺は再びパニックになりながらもなんとか理性を保とうとする。
「さ、最近の鳥ってそんなにハッキリしゃべるんですね。ボク初めてでビックリしましたよ」
顔をひきつらせながら必死にこの場を取り繕う。
青い鳥は俺がいたことに気付き、やはり奇声をあげる。
「うぎゃあー!! まさかリネット様、ばれたんですか?! あれだけ最初は隠密に行動しないとって言ってたのに!」
リネットと呼ばれた女性は舌打ちをしながら、鳥を強引に掴み上げ、慌てて懐にしまう。
「おっほっほ! そ、そうですわね非常に珍しい鳥なんですのよ。ごめんなさい、さぞ驚かれたでしょう」
女性は立ち上がって、棒読みで喋る。
よく見ればこの女性の服装もおかしくないか? この世界にミスマッチなブーツに袖無しのジャケットとかを着ているし……。
………………。
お互い顔を見合せたまま長い沈黙が続く。
女性はなにかを諦めたかのように深いため息をして、腰からナイフを取り出す。
「大義のためなら多少の犠牲は伴うものよね。あなたにはなんの恨みもないけど仕方ないわ」
そう言うとナイフを逆手に持ち俺の方に近づいてくる。
えぇー! いきなり殺されんの? 「ちょっと待って」と両手を前に出して抵抗する。
すると木の向こう側から誰かが声を掛けてくる。
「どうです? リネット。道はありましたか? とりあえず着替えを……」
た、助かった!
声が聞こえる方に必死に助けを求める。
「助けてくださーい! 殺されそうなんです! この人頭おかしいんです!」
俺の声が届いたのか、声の主がこっちに向かって走ってくる。
現れたのはおっとりした顔の女性で、俺達を見るとナイフを持った女性に問いかける。
「あら、大変。リネット何をしてるの?」
「この姿を見られたからには殺すしかないわ。この男が誰かに通報でもしたら、全てがおじゃんよ。幸いまだ他に誰にも見られてないからまだ間に合うわ」
「でも人殺しなんてダメよ、話せばわかってくれるはずよ」
「私だってこんなことしたくないけど、万が一があってはならないのは姉さんだってわかるでしょ」
「……そうね。大義のためなら多少の犠牲は付きものですものね。せめて安らかに眠らせてあげましょう」
両手を組み、祈るように空を見上げる。
「安らかに」、じゃねえよ! 納得するの早すぎるだろ。
まったく二人揃って同じこと言いやがって、状況が振り出しに戻っただけじゃねぇか。
リネットが鋭く尖ったナイフを俺の首に目掛けて走ってる。
リネットから勢いよく突進された俺は転倒してしまい、地面に仰向けで倒れる。
リネットは倒れた俺に股がってきて、馬乗りの体勢でナイフを突き立ててくる。
下からナイフを持ったリネットの腕を掴んで抵抗するも、徐々に押されはじめる。
「ち、ちょっと待ってくれ、あんたらも異世界からきた人間なんだろ? 他の国から召喚された勇者候補なんじゃないのか?!」
押し込んでいる力を少し緩める。
「『あんたらも』ってことはあなたは他の世界からきた人間ってこと?」
「そうだよ! 勇者候補として召喚されたばっかりだよ」
そこまで言うと、姉さんと呼ばれた女性が「やはり人殺しは良くないわ」と、リネットの腕を掴む。
「ダメよ! こいつ嘘ついてるかもしれないし」
「話せばわかってくれるかもしれないじゃない。最悪、身ぐるみを剥いで縛りあげればいいわ」
大人しそうな顔してさらりと大胆なことを言う。
「そこまで言うなら分かったわよ」
リネットは腰にナイフをしまい、「悪かったわね」と謝ってくる。
ふぅ、なんとか一命をとりとめたか。
俺は立ち上がって服についた土を払う。
「で、あんたら何者なんだ? どう見てもその服装はこの世界の人間じゃないみたいだし」
「その前にちょっと着替えてきていいかしら? また誰かに会っても困るから」
俺がそれに了承すると、二人は茂みの中に入っていく。
二人はゴソゴソとなにかを話しながら着替えをしてるようだ。
「逃げるなよ」と言うと「覗くなよ」返される。
なんてやつらだ! 殺されそうになった挙げ句着替えまで待ってやってるというのに。
しかし、召喚されたわけではないみたいだから勇者候補でもなさそうだ。本当に何者なんだ?
どうやらもう森の中に入ったみたいだな。
辺りを見回すが、パームグラスらしきものは見当たらない。
参ったな、すぐわかるとは言ってたけど、そう簡単には見つからないか。話しよると至るところにあるらしいけど。
砂利道から外れて茂みの中に入って行く。道に迷ったら最悪だなと思いつつ、少し奥に進む。
ん? あれそうじゃないか?
少し大きめの葉っぱが目に付く。ポケットから借りてきた乾燥パームグラスを取り出す。
多分これだな。葉っぱが五枚に別れてるし見た目も匂いも同じように感じる。
さっそくもぎ取って空のビンに詰め込み、他にないかと顔を上げ注意深く探す。
よく見ると他の植物に混じって生えてるのがわかる。それらをもぎ取りどんどんビンに詰め込んでいく。
なるほど大きな木のそばに自生してるんだな。
採取するのが楽しくなりどんどん奥に入っていく。
ビンの中が一杯になり、こんなもんで終わろうと考えていたら、ガサガサッとなにかが近づいてくる音が聞こえる。
獣?! 一瞬頭を横切る。
奥に入りすぎたか! 音がする方に警戒しながら逃げる体勢を取り、そちらに目を向ける。
なおも音を立てながらこちらに向かってきて、遂に音の主が姿を現す。
人だ!
向こうもこちらの存在に気づいたらしく目が合う。
「「きぃやああああぁぁー!!!!!」」
目が合うや否や大きな奇声をあげるので、こっちもつられて奇声を出してしまう。
俺は腰を抜かしそうになり、前のめりになりながら距離を取る。
人間じゃないのか? 見ちゃいけないものをみたのか?
頭の中がパニックで頭が回らないが、どうにか落ち着かせようと奇声が聞こえた方を確認する。
ほっ、どうやら女性のようだ。やっぱり人だったんだな。
向こうのピンクの髪色をした女性もよほど驚いたのか、腰を抜かし地べたにへたりこんでいる。
その状態のまま青ざめ表情でこっちに向かって「ご、ごきげんよう」と挨拶をしてくる。
落ち着きを取り戻した俺も「こんにちは」と返す。
山で人とすれ違ったらお互い挨拶するのは常識だからな。
その時どこからともなく一羽の鳥がなにかを喋りながら空から飛んでくる。
「リネットさまぁ! この森の出口がわかりましたよ」
ひっ! 鳥がしゃべった!?
いや待て、異世界だし鳥だし、そのくらい話すだろ。
俺は再びパニックになりながらもなんとか理性を保とうとする。
「さ、最近の鳥ってそんなにハッキリしゃべるんですね。ボク初めてでビックリしましたよ」
顔をひきつらせながら必死にこの場を取り繕う。
青い鳥は俺がいたことに気付き、やはり奇声をあげる。
「うぎゃあー!! まさかリネット様、ばれたんですか?! あれだけ最初は隠密に行動しないとって言ってたのに!」
リネットと呼ばれた女性は舌打ちをしながら、鳥を強引に掴み上げ、慌てて懐にしまう。
「おっほっほ! そ、そうですわね非常に珍しい鳥なんですのよ。ごめんなさい、さぞ驚かれたでしょう」
女性は立ち上がって、棒読みで喋る。
よく見ればこの女性の服装もおかしくないか? この世界にミスマッチなブーツに袖無しのジャケットとかを着ているし……。
………………。
お互い顔を見合せたまま長い沈黙が続く。
女性はなにかを諦めたかのように深いため息をして、腰からナイフを取り出す。
「大義のためなら多少の犠牲は伴うものよね。あなたにはなんの恨みもないけど仕方ないわ」
そう言うとナイフを逆手に持ち俺の方に近づいてくる。
えぇー! いきなり殺されんの? 「ちょっと待って」と両手を前に出して抵抗する。
すると木の向こう側から誰かが声を掛けてくる。
「どうです? リネット。道はありましたか? とりあえず着替えを……」
た、助かった!
声が聞こえる方に必死に助けを求める。
「助けてくださーい! 殺されそうなんです! この人頭おかしいんです!」
俺の声が届いたのか、声の主がこっちに向かって走ってくる。
現れたのはおっとりした顔の女性で、俺達を見るとナイフを持った女性に問いかける。
「あら、大変。リネット何をしてるの?」
「この姿を見られたからには殺すしかないわ。この男が誰かに通報でもしたら、全てがおじゃんよ。幸いまだ他に誰にも見られてないからまだ間に合うわ」
「でも人殺しなんてダメよ、話せばわかってくれるはずよ」
「私だってこんなことしたくないけど、万が一があってはならないのは姉さんだってわかるでしょ」
「……そうね。大義のためなら多少の犠牲は付きものですものね。せめて安らかに眠らせてあげましょう」
両手を組み、祈るように空を見上げる。
「安らかに」、じゃねえよ! 納得するの早すぎるだろ。
まったく二人揃って同じこと言いやがって、状況が振り出しに戻っただけじゃねぇか。
リネットが鋭く尖ったナイフを俺の首に目掛けて走ってる。
リネットから勢いよく突進された俺は転倒してしまい、地面に仰向けで倒れる。
リネットは倒れた俺に股がってきて、馬乗りの体勢でナイフを突き立ててくる。
下からナイフを持ったリネットの腕を掴んで抵抗するも、徐々に押されはじめる。
「ち、ちょっと待ってくれ、あんたらも異世界からきた人間なんだろ? 他の国から召喚された勇者候補なんじゃないのか?!」
押し込んでいる力を少し緩める。
「『あんたらも』ってことはあなたは他の世界からきた人間ってこと?」
「そうだよ! 勇者候補として召喚されたばっかりだよ」
そこまで言うと、姉さんと呼ばれた女性が「やはり人殺しは良くないわ」と、リネットの腕を掴む。
「ダメよ! こいつ嘘ついてるかもしれないし」
「話せばわかってくれるかもしれないじゃない。最悪、身ぐるみを剥いで縛りあげればいいわ」
大人しそうな顔してさらりと大胆なことを言う。
「そこまで言うなら分かったわよ」
リネットは腰にナイフをしまい、「悪かったわね」と謝ってくる。
ふぅ、なんとか一命をとりとめたか。
俺は立ち上がって服についた土を払う。
「で、あんたら何者なんだ? どう見てもその服装はこの世界の人間じゃないみたいだし」
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