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第59話 俺にも喋らせてよ
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話もまとまった次の日。
セレーナは相変わらず不在のようだが、国王に話があると言ってから三日が経過したので聞いてみることにする。
こっちは遊んでる時間なんてないんだから帰ってきてくれてると助かるけどな。
城門の前でしばらく待っていたら、門番が兵士を連れてきてくれて城の中へと案内してくれる。
兵士に案内されて向かった先には、セレーナの部屋よりも大きめの部屋の前だった。
中に通されて入ると、少し気が弱そうな年配の男が、椅子から立ち上がり握手を求めてくる。
「今日まで時間が取れなく済まなかったね。私はこの国の大臣でロンベルと申します。君とは会ったことはないけど勇者の一人として召喚された少年らしいね?」
「あっ! もしかして俺が貸してもらってる家に元々住んでた人ですか? 初めてまして地球から召喚されたソウタって言います」
「そうかそうか! 君が手違いで召喚されたソウタ君か。あそこの家は気に入ってくれてるかな? 古いがそこそこキレイにしてあったと思うんだがね? ささっ、適当に座って」
ロンベルがソファーに座るよう促してくれる。
最初の『手違い』はいらないけど気がするけど……。
「ええ、おかげですごく助かってますよ。部屋数も多いし、キッチンも広いですから不自由は何一つしてません」
「うんうん、私もそう言ってもらえると嬉しいよ。それでなんでも急ぎの用事あるとかで、どんな用件なのかな? 国王は今不在だから私が代わりに聞こう」
俺がアークとグラヴェールについて話そうとした矢先、ノックもせず部屋の扉をバンッ! と乱暴に開けて誰かが入ってくる。
俺とロンベルさんはその音にビックリして一瞬体が固まり、入って来た人物の方に目をやる。
ドアを開けた人物は軽鎧に身を包んだ若い女性で、扉を押さえたまま怒りに満ちた表情でロンベルさんを見ている。
「ロンベルさん! まだ国王は帰ってこないんですか?! こっちはいい加減待ちくたびれてるんですけどね!」
ロンベルさんはその迫力にやや怯えながらも、大臣の威厳を保つためか、やや偉そうな言葉使いで女性に返答する。
「ノックくらいしろクリケット。私は確かに国王の代理だが、許可なく勝手に会議を開く訳にはいかないんだ。もうしばらく待つんだ」
女性も引く気が無いようで、そう言われてもおかまいなく話を続ける。
「分かってるんですか? ジュラールがアークとかいう組織を作ってこの国のギフトを狙ってるんですよ!? 悠長に話し合いなんてしてる場合じゃないんじゃないですか?」
「Bランク以上のギフトを解禁するのはそんなに簡単なことじゃないんだ。だからこそ国王がいま会談に行ってるんじゃないか」
「それで帰ってきて今度は会議ですか? そうしてる間に敵が攻めてきたらどうするんです?」
「むう……。私だってすぐにお前達騎士団にAランクのギフトを使うのを許可したいがそういうわけにもいかないだろ?」
「解りました! ロンベル大臣にはもうお願いしません。それと、あの勇者達を早く送り返してもらえないでしょうかね?」
「どうしてだ? 今攻めこまれたら頼りになるのは勇者達だろう。彼等は今何をしてるんだ?」
「何もしてないですよ。グラヴェールの勇者達が負けて以降はこの城で待機してるだけです。剣も魔法の訓練もせず、町に繰り出して毎日好き放題やってるだけ」
クリケットは今までの不満を早口でまくし立てる。
威厳を保とうとしていたロンベルさんもこの勢いには弱腰になってしまう。
「そ、そうか。ははっ、それも考えものだな。お前の気持ちはよく分かった。彼等には私からも言っておこう」
話を聞くに、彼女はアークが攻めて来る前にAランクのギフトを使わせろってことか。
グラヴェールの軍もあのアヴロンとかいうやつが出てくるまで劣勢だったから、当然と言えば当然か。
「あら、その少年は?」とクリケットがようやく俺の存在に気付き俺と目が会う。
「彼はこの世界に手違いで召喚された少年だ。用事あって来てくれたのにお前のせいでまだ話すら聞いてないんだ」
クリケットは何かを思い出したかのように俺に厳しい目を向ける。
「私も知ってますよ。勇者候補として異世界から召喚されたけど、能力の引くさゆえに候補からも外され人間ですよね。君、お金の無心にでもきたの?」
勇者達が好き放題やってるって言ってたから、異世界から来た人間の印象が悪くなってるんだろうな……。
俺が言いたかったアークの事をこの女性が言ってくれたし、少し補足しておくくらいでいいか。
俺が「お金じゃなくて」と話し出した途端今度は別の兵士に割り込まれる。
兵士は急いでるみたいで、息が上がりながらも大声で二人に報告する。
「た、大変です! 敵が! 敵が城の前に現れました!」
クリケットが兵士に詳細を確認する。
「落ち着け! 敵の数は? 目的は? とどんな連中だ?」
「数は三十人程度で、アークと名乗る連中が国王を呼べと要求しております!」
「もう来たのか……くそっ!」
クリケットは歯ぎしりをしてすぐ取り押さえるよう命令をする。
「それが……。取り押さえようとしたのですが、奴等の方が強くて我々では対処出来ません。しかし、向こうは戦う意思はないようでして現在休戦状態です」
「よし分かった! すぐに向かおう。各団長には報告してあるのか?」
「はい! もうすでに向かっております!」
「ご苦労! 私もすぐに駆けつけると伝えておけ」
兵士は「はっ!」と敬礼をして足早に去っていく。
「だから早くして欲しいと頼んだのです!ロンベル大臣! 行きますよ!」
「こんなときに……!」とロンベルは両手で頭を抱えて、すっかり狼狽えてしまっている。
クリケットはそれを無視してロンベルの手を引っ張る。
「しっかりして下さい! 国王不在の今、国で一番偉いのはあなたなんですよ! 向こうは戦いに来たわけではないのですから、とりあえず行って話を聞きましょう!」
観念したのか、泣き顔になりながらも椅子から立ち上り、クリケットと一緒に城の外へと出ていく。
早いな! グラヴェール強襲からもう次の行動に移したのか。
アークの対策は何一つ出来てないみたいだし、サルブレムもこのままだとギフトを奪われるぞ。
一人取り残された俺も急いで二人の後を追う。
セレーナは相変わらず不在のようだが、国王に話があると言ってから三日が経過したので聞いてみることにする。
こっちは遊んでる時間なんてないんだから帰ってきてくれてると助かるけどな。
城門の前でしばらく待っていたら、門番が兵士を連れてきてくれて城の中へと案内してくれる。
兵士に案内されて向かった先には、セレーナの部屋よりも大きめの部屋の前だった。
中に通されて入ると、少し気が弱そうな年配の男が、椅子から立ち上がり握手を求めてくる。
「今日まで時間が取れなく済まなかったね。私はこの国の大臣でロンベルと申します。君とは会ったことはないけど勇者の一人として召喚された少年らしいね?」
「あっ! もしかして俺が貸してもらってる家に元々住んでた人ですか? 初めてまして地球から召喚されたソウタって言います」
「そうかそうか! 君が手違いで召喚されたソウタ君か。あそこの家は気に入ってくれてるかな? 古いがそこそこキレイにしてあったと思うんだがね? ささっ、適当に座って」
ロンベルがソファーに座るよう促してくれる。
最初の『手違い』はいらないけど気がするけど……。
「ええ、おかげですごく助かってますよ。部屋数も多いし、キッチンも広いですから不自由は何一つしてません」
「うんうん、私もそう言ってもらえると嬉しいよ。それでなんでも急ぎの用事あるとかで、どんな用件なのかな? 国王は今不在だから私が代わりに聞こう」
俺がアークとグラヴェールについて話そうとした矢先、ノックもせず部屋の扉をバンッ! と乱暴に開けて誰かが入ってくる。
俺とロンベルさんはその音にビックリして一瞬体が固まり、入って来た人物の方に目をやる。
ドアを開けた人物は軽鎧に身を包んだ若い女性で、扉を押さえたまま怒りに満ちた表情でロンベルさんを見ている。
「ロンベルさん! まだ国王は帰ってこないんですか?! こっちはいい加減待ちくたびれてるんですけどね!」
ロンベルさんはその迫力にやや怯えながらも、大臣の威厳を保つためか、やや偉そうな言葉使いで女性に返答する。
「ノックくらいしろクリケット。私は確かに国王の代理だが、許可なく勝手に会議を開く訳にはいかないんだ。もうしばらく待つんだ」
女性も引く気が無いようで、そう言われてもおかまいなく話を続ける。
「分かってるんですか? ジュラールがアークとかいう組織を作ってこの国のギフトを狙ってるんですよ!? 悠長に話し合いなんてしてる場合じゃないんじゃないですか?」
「Bランク以上のギフトを解禁するのはそんなに簡単なことじゃないんだ。だからこそ国王がいま会談に行ってるんじゃないか」
「それで帰ってきて今度は会議ですか? そうしてる間に敵が攻めてきたらどうするんです?」
「むう……。私だってすぐにお前達騎士団にAランクのギフトを使うのを許可したいがそういうわけにもいかないだろ?」
「解りました! ロンベル大臣にはもうお願いしません。それと、あの勇者達を早く送り返してもらえないでしょうかね?」
「どうしてだ? 今攻めこまれたら頼りになるのは勇者達だろう。彼等は今何をしてるんだ?」
「何もしてないですよ。グラヴェールの勇者達が負けて以降はこの城で待機してるだけです。剣も魔法の訓練もせず、町に繰り出して毎日好き放題やってるだけ」
クリケットは今までの不満を早口でまくし立てる。
威厳を保とうとしていたロンベルさんもこの勢いには弱腰になってしまう。
「そ、そうか。ははっ、それも考えものだな。お前の気持ちはよく分かった。彼等には私からも言っておこう」
話を聞くに、彼女はアークが攻めて来る前にAランクのギフトを使わせろってことか。
グラヴェールの軍もあのアヴロンとかいうやつが出てくるまで劣勢だったから、当然と言えば当然か。
「あら、その少年は?」とクリケットがようやく俺の存在に気付き俺と目が会う。
「彼はこの世界に手違いで召喚された少年だ。用事あって来てくれたのにお前のせいでまだ話すら聞いてないんだ」
クリケットは何かを思い出したかのように俺に厳しい目を向ける。
「私も知ってますよ。勇者候補として異世界から召喚されたけど、能力の引くさゆえに候補からも外され人間ですよね。君、お金の無心にでもきたの?」
勇者達が好き放題やってるって言ってたから、異世界から来た人間の印象が悪くなってるんだろうな……。
俺が言いたかったアークの事をこの女性が言ってくれたし、少し補足しておくくらいでいいか。
俺が「お金じゃなくて」と話し出した途端今度は別の兵士に割り込まれる。
兵士は急いでるみたいで、息が上がりながらも大声で二人に報告する。
「た、大変です! 敵が! 敵が城の前に現れました!」
クリケットが兵士に詳細を確認する。
「落ち着け! 敵の数は? 目的は? とどんな連中だ?」
「数は三十人程度で、アークと名乗る連中が国王を呼べと要求しております!」
「もう来たのか……くそっ!」
クリケットは歯ぎしりをしてすぐ取り押さえるよう命令をする。
「それが……。取り押さえようとしたのですが、奴等の方が強くて我々では対処出来ません。しかし、向こうは戦う意思はないようでして現在休戦状態です」
「よし分かった! すぐに向かおう。各団長には報告してあるのか?」
「はい! もうすでに向かっております!」
「ご苦労! 私もすぐに駆けつけると伝えておけ」
兵士は「はっ!」と敬礼をして足早に去っていく。
「だから早くして欲しいと頼んだのです!ロンベル大臣! 行きますよ!」
「こんなときに……!」とロンベルは両手で頭を抱えて、すっかり狼狽えてしまっている。
クリケットはそれを無視してロンベルの手を引っ張る。
「しっかりして下さい! 国王不在の今、国で一番偉いのはあなたなんですよ! 向こうは戦いに来たわけではないのですから、とりあえず行って話を聞きましょう!」
観念したのか、泣き顔になりながらも椅子から立ち上り、クリケットと一緒に城の外へと出ていく。
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