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第68話 キレイなフォームで
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兵士達の中から飛び出して来た人影は、俺と同じくこの世界に勇者候補として召喚された三人だった。
三人とも見た目はガラリと変わってしまっているが、あのとき会った体格のよい男とサラリーマン風の男、それにエプロン姿の女性に間違いない。
あの人達無事だったのか!?
クリケットの話だと毎晩飲み歩いてるって言ってたけど、一体どうするつもりだ?
体格のよい男は女の前に立つや否や、いきなり土下座をする。
続いて二人の勇者も同じく膝をつき頭を下げる。
「なあ! 聞いてくれ! 俺達はこの国に勝手に異世界から召喚されて、あんた達を倒せって言われただけなんだ! あんた達の実力は分かった! 俺達はもう争う気はないから勘弁してくれ!」
許しをこうとサラリーマン風の男と女性も後に続く。
「そ、そうなんですよ! 元々我々三人は皆さんに恨みなんてありませんし、野蛮なことは反対だったんですけど、元の世界に戻してもらうため仕方なく協力したんです」
「そうなんですよ! 皆さんだってこの世界と無関係な私達を殺したりしたら、後味が悪いでしょ?」
き、汚い……。
異世界から来たという立場を利用して助けてもらおうするなんてそれはズルいだろ。
グラヴェールの勇者達といい、異世界から召喚されたのはこんな奴等ばっかりなのか?
「おい! 団長さん! あんたも一緒に詫びを入れるんだよ! 今のでこのキレイな姉ちゃんをやれなかったんだから、もうどうやったって勝ち目がねえだろ!? なっ? ほら! 他の奴等も早くしろ!」
体格のよい男はウラガン団長や残ったサルブレム兵にも一緒に謝罪しろ呼び掛ける。
ウラガン団長はフゥッと、ため息をしてオーブを持った女にお願いをする。
「そいつ等が異世界から来たというのは本当だ。そいつ等だけは助けてやってけないか?」
「いいだろう。元々お前達が抵抗しなければ争うつもりはなかったし、その異世界から来た人間のいう通りお前達に勝ち目はない。まだこの無益な戦いを続けるつもりか?」
「悪いな。勝ち目が無くとも最後まで戦うのがこの国を守護する騎士団の仕事だ。それにここまでやられて引き下がれるかよ!」
「このオーブを持ち帰るの先だが、こちらも被害が出てる以上徹底的にやらせてもらうぞ?」
「それはこちらとて同じ! 続きと行こうぜ! クリケット! ロマリ! 急げよ?」
ウラガン団長は二人の返事を待たずに一人でアークの軍勢に向かっていく。
「これが! この国のSランク剣とスキルだ! 【神円劫火】!」
ウラガン団長の剣から発生した炎の輪っかは、クルクルと回転しながら巨大化していき、黒煙を巻き上げながらアークの軍勢に飛んでいく。
この技が先程クリケットが使ったものよりも威力が高いと判断したのか、ゲイツが一歩前に出て拳をつき出す。
「【翡翠散旋】!」
ゲイツが装備している籠手から凄まじい旋風が巻き起こる。
それがウラガン団長の放った炎とぶつかり、周囲に衝撃だけを残して炎と旋風は消える。
「なんだとお!!?」
ウラガン団長はこの現象に驚きを隠せず大きな声を上げる。
「何を驚くことがある? お互いにSランク同士のスキルなんだから当然だろ?」
そのウラガン団長に対してゲイツは平然な顔をして諭す。
「一体何者なんだお前等……。Aランクはともかく、Sランクのギフトは量産も出来ないうえこの世界に何個もないんだぞ……。どうしてお前達がそんなものを持ってるんだ!?」
「我々アークはムングスルド、及びグラヴェールに国を焼かれ、家族を殺された者の集まりだ。復讐するために亡命した騎士団員も居れば国の王子も居る」
「つまり、それぞれの国からギフトを集めたってわけだ? Sランクのギフトなら小国にもあるからな」
「そうだ。亡命するときに預かり受けた者もいる。そうして復讐のために集まった小さな組織は存在していたが、手を結ぶことはなかった。なぜなら集まったところで四大国には勝てないからな」
「なるほど、そんなときにジューラールとその女が現れたわけだ……」
「手を結ばなかったもう一つの理由として、集まっても上手くまとまらずに内部崩壊する危険もあったからだ。しかし、お二人が単独でギフトを奪い、新たな目標を提示してくれたおかげで、我々は一つにまとまることが出来たのだ」
「まあ、確かにあの二国はやりすぎた……。いずれにせよ俺達サルブレムとアルパルタ、それに小国との衝突は避けられなかったと思うがな。お前等はこの世界をどうしたんだ?」
「それは、これからお前の目でしかと見るがいい」
そういうことか。色んな小国のギフトを持った人間が集まったからあれだけの戦力があるのか。
あの様子だと亡命するときに小国側も協力してるんだろうな。
「さあ、ベルナデッド殿は先にオーブを持って行ってください。後の始末は我々がしますので」
「頼む。後は任せた」
ゲイツがそう言うとオーブを持った女が立ち去ろうとする。
「逃げられるぞ!」
正直俺が行ったところでこの状況を覆すの無理だと分かっているが、あの女を止めないといけないと思いほぼ無意識に走りだす。
「ちょっと! 待ちなさいよ!」
「いや、これ以上はサルブレム側も無理だろう。お姉さ……エクシエルさんと先生はここにいてください。行くぞフィオ、サーシャ!」
四人も慌てて俺を追ってくる。
俺が物陰から姿を現すとクリケットがそれに気付く。
「なんだ?! ……お前は! 城にいた少年か!? どうしてこんなところに?!」
突然兵士じゃない服装の人間が出てきて面を食らったのか、お互いの軍は俺を見て動きが止まる。
ゲイツが兵士達に俺を取り押さえるよう命じるが、それをひらりとかわし勇者達の居るところまでたどり着く。
どうしよう!? いきおいでここまで来たけど何を言えばいいんだ?
ギフトを返してくれって言っても聞いてくれないだろうし……。
三人とも見た目はガラリと変わってしまっているが、あのとき会った体格のよい男とサラリーマン風の男、それにエプロン姿の女性に間違いない。
あの人達無事だったのか!?
クリケットの話だと毎晩飲み歩いてるって言ってたけど、一体どうするつもりだ?
体格のよい男は女の前に立つや否や、いきなり土下座をする。
続いて二人の勇者も同じく膝をつき頭を下げる。
「なあ! 聞いてくれ! 俺達はこの国に勝手に異世界から召喚されて、あんた達を倒せって言われただけなんだ! あんた達の実力は分かった! 俺達はもう争う気はないから勘弁してくれ!」
許しをこうとサラリーマン風の男と女性も後に続く。
「そ、そうなんですよ! 元々我々三人は皆さんに恨みなんてありませんし、野蛮なことは反対だったんですけど、元の世界に戻してもらうため仕方なく協力したんです」
「そうなんですよ! 皆さんだってこの世界と無関係な私達を殺したりしたら、後味が悪いでしょ?」
き、汚い……。
異世界から来たという立場を利用して助けてもらおうするなんてそれはズルいだろ。
グラヴェールの勇者達といい、異世界から召喚されたのはこんな奴等ばっかりなのか?
「おい! 団長さん! あんたも一緒に詫びを入れるんだよ! 今のでこのキレイな姉ちゃんをやれなかったんだから、もうどうやったって勝ち目がねえだろ!? なっ? ほら! 他の奴等も早くしろ!」
体格のよい男はウラガン団長や残ったサルブレム兵にも一緒に謝罪しろ呼び掛ける。
ウラガン団長はフゥッと、ため息をしてオーブを持った女にお願いをする。
「そいつ等が異世界から来たというのは本当だ。そいつ等だけは助けてやってけないか?」
「いいだろう。元々お前達が抵抗しなければ争うつもりはなかったし、その異世界から来た人間のいう通りお前達に勝ち目はない。まだこの無益な戦いを続けるつもりか?」
「悪いな。勝ち目が無くとも最後まで戦うのがこの国を守護する騎士団の仕事だ。それにここまでやられて引き下がれるかよ!」
「このオーブを持ち帰るの先だが、こちらも被害が出てる以上徹底的にやらせてもらうぞ?」
「それはこちらとて同じ! 続きと行こうぜ! クリケット! ロマリ! 急げよ?」
ウラガン団長は二人の返事を待たずに一人でアークの軍勢に向かっていく。
「これが! この国のSランク剣とスキルだ! 【神円劫火】!」
ウラガン団長の剣から発生した炎の輪っかは、クルクルと回転しながら巨大化していき、黒煙を巻き上げながらアークの軍勢に飛んでいく。
この技が先程クリケットが使ったものよりも威力が高いと判断したのか、ゲイツが一歩前に出て拳をつき出す。
「【翡翠散旋】!」
ゲイツが装備している籠手から凄まじい旋風が巻き起こる。
それがウラガン団長の放った炎とぶつかり、周囲に衝撃だけを残して炎と旋風は消える。
「なんだとお!!?」
ウラガン団長はこの現象に驚きを隠せず大きな声を上げる。
「何を驚くことがある? お互いにSランク同士のスキルなんだから当然だろ?」
そのウラガン団長に対してゲイツは平然な顔をして諭す。
「一体何者なんだお前等……。Aランクはともかく、Sランクのギフトは量産も出来ないうえこの世界に何個もないんだぞ……。どうしてお前達がそんなものを持ってるんだ!?」
「我々アークはムングスルド、及びグラヴェールに国を焼かれ、家族を殺された者の集まりだ。復讐するために亡命した騎士団員も居れば国の王子も居る」
「つまり、それぞれの国からギフトを集めたってわけだ? Sランクのギフトなら小国にもあるからな」
「そうだ。亡命するときに預かり受けた者もいる。そうして復讐のために集まった小さな組織は存在していたが、手を結ぶことはなかった。なぜなら集まったところで四大国には勝てないからな」
「なるほど、そんなときにジューラールとその女が現れたわけだ……」
「手を結ばなかったもう一つの理由として、集まっても上手くまとまらずに内部崩壊する危険もあったからだ。しかし、お二人が単独でギフトを奪い、新たな目標を提示してくれたおかげで、我々は一つにまとまることが出来たのだ」
「まあ、確かにあの二国はやりすぎた……。いずれにせよ俺達サルブレムとアルパルタ、それに小国との衝突は避けられなかったと思うがな。お前等はこの世界をどうしたんだ?」
「それは、これからお前の目でしかと見るがいい」
そういうことか。色んな小国のギフトを持った人間が集まったからあれだけの戦力があるのか。
あの様子だと亡命するときに小国側も協力してるんだろうな。
「さあ、ベルナデッド殿は先にオーブを持って行ってください。後の始末は我々がしますので」
「頼む。後は任せた」
ゲイツがそう言うとオーブを持った女が立ち去ろうとする。
「逃げられるぞ!」
正直俺が行ったところでこの状況を覆すの無理だと分かっているが、あの女を止めないといけないと思いほぼ無意識に走りだす。
「ちょっと! 待ちなさいよ!」
「いや、これ以上はサルブレム側も無理だろう。お姉さ……エクシエルさんと先生はここにいてください。行くぞフィオ、サーシャ!」
四人も慌てて俺を追ってくる。
俺が物陰から姿を現すとクリケットがそれに気付く。
「なんだ?! ……お前は! 城にいた少年か!? どうしてこんなところに?!」
突然兵士じゃない服装の人間が出てきて面を食らったのか、お互いの軍は俺を見て動きが止まる。
ゲイツが兵士達に俺を取り押さえるよう命じるが、それをひらりとかわし勇者達の居るところまでたどり着く。
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