念願の異世界に召喚されたけど役に立ちそうもないんでその辺で遊んでます~森で謎の姉妹に出会って本物の勇者を目指すことに~

朱衣なつ

文字の大きさ
76 / 180

第76話 異世界対談

しおりを挟む
 ウラガン団長、ロンベル大臣と共に再び部屋へと戻り話をすることに。

 「何度もすまないね。私は昨日イストウィアという世界から来たイネスという者だ」

 「いえ、改めてお話を窺いましょう。私はこの国の騎士団をまとめている、騎士団長のウラガンです」

 「よろしく頼むよ。この二人は私より先にこの世界に来ていたリネットとフィオだ。この世界については少しだけ話は聞いている」

 イネス先生は自己紹介をして、ウラガン団長にもう一度自分達がここに来た目的を話す。

 「……気になるところはありますが、話は大体解りました。アークの連中がこのままオーブを使えばあなた達の世界にも被害が出るから、それを止めに来たということですね?」

 「そうなるね。それで今日来たのは私達の存在を認めてほしいのと、この世界で生活するあたって援助を頼みたいんだ」

 「国王は不在ですがそれくらいは構わないと思いますし、アークを倒すのが目的なら協力関係は築けるはずです」

 「私達だけではあれだけの人数をどうにか出来ないからね。そうしてもらえると助かるよ」

 「そうですか……」

 ウラガン団長は下を向いて何かを考え始める。

 俺は第三者の立場としてウラガン団長に三人のことを補足しておく。

 「ひょんなことから彼女達と知り合いになったんですけど、この人達の言うこと本当だと思いますよ。初めて会ったときエルソールには絶対無いと思われる服装でしたし、ギフトではない別の力も持ってました」

 そう言うとウラガン団長は考えるの止め、俺の方に顔を向けて返答をする。

 「君はサルブレムから召喚された身だからこの人達と違う世界の人間だものな。それに君は来客扱いだからこの人達に加担する理由もないか」

 「俺も初めて会ったときは警戒しましたけどね。その後ずっと一緒に行動して見てきましたけど、彼女達は色々大変なことがあってもこの世界のことを救おうとしてましたよ」

 「昨日は君のおかげで敵が退却してくれたのもあるしな、君がそう言うなら俺は信用するよ」

 ホッ、良かった。ウラガン団長は信じてくれてるんだな。
 
 ウラガン団長はイネス先生に気になった疑問を投げ掛ける。

 「先程自分達の方が可能性があるとおっ
しゃってましたが、そちらの軍勢だったらどうにかなりそうなんですか?」

 「そうは言ったが実際どうだろうね。私達の世界から大人数を転移させるなんて出来ないし、なによりあのベルナデッドとかいうのが問題だね。他はどうにかなってもあいつはうちでもちょっと厳しそうだ」

 「私も初めて対峙しましたが明らかに異常ですね。今まで大きな争いが無かったから気付きませんでしたが、あんな人間が居るとは思いもしませんでした。昨日はこちらも能力を上げて挑んだのにあの様です……」

 「ソウタから聞いたがジュラールってやつが本命なんだろ? そいつもあの女と同じくらい強いと考えていいね」

 「ジュラール……。私も噂でしか聞いたことがないのですが、話によるとニフソウイ国内では闘神と崇められてたそうです」

 「それと、理由は判明してないんだけど、私達の世界から何人か人が来てるらしいんだ。ムングなんとかって国と繋がってるらしくてね。こいつらもどうにかしなきゃいけない」

 「なんですって! 我々はムングスルドとは友好な関係ですがそんな話聞いたことないですよ。まあ、最近あの国は良からぬことばかりしてるみたいだから、我々に黙っててもおかしくはないでしょうけど……」

 「アークの連中はムングスルドを狙うだろうから、お互いに戦って疲弊したところを仕留めたいところだがね。そううまくはいかないだろう」

 「国王が今ムングスルドやグラヴェールに呼び掛けて会議を開いてますが、果たしてどうなることやら……。もしアークを潰すために協力関係を結べたとしても、あまり良い選択肢とは言えないでしょうしね」

 「元々ムングスルドってのが悪いわけだから、協力してアークを壊滅させてもまた新たな火種を生むだけだろうね」

 「ムングスルドとグラヴェールを無視してきた我々も悪いんです。もう少し早く手を打つべきでした」

 「お前さん一人が悪いわけじゃないんだし、世界の流れってのは否応なしにそういう進みかたをするもんさ。そのムングスルドってのはどんなことやったんだい?」

 「少し前から人間狩りをしたり、他国に細菌兵器をばら蒔いたりしてるらしいんです。こちらも問い詰めはしたんですが、知らぬ存ぜぬの一点張りでしてね。調べてもみたんですが証拠もないし、そんなことをする理由も無いと思ってました」

 人間狩りなんてしてたのか。やっぱりアーク連中よりムングスルドやグラヴェールの方が数段質が悪いな。

 イネス先生はウラガン団長の話を聞いて、少しだけ険しい顔付きになり話を続ける。
 
 「それが本当ならろくでもない国だね。それならアークの連中は報復するまで止まらないだろうよ。ということは、ムングスルドとアークを止めるのを同時にやらなきゃね」

 「そうなりますね。いずれにせよ戦力の増強は必要ですからね。他の国々とも連携を取っていかないといけません」

 「戦いってのは結局のところ数がものをいうからね。出来るだけ集めた方がいいだろうけど、そこはどうなんだい?」

 「とりあえずアルパルタという国とは絶対協力しないといけません。現状唯一SSランクのギフトを保持している国だから、ムングスルドやグラヴェールに対する切り札になるでしょう」

 「アークはアルパルタにあるそのギフトも狙ってるらしいから、絶対死守しないといけないね。他にも同盟国はあるのかい?」

 「幸いなことにサルブレムは敵を作らずに小国とも友好な関係を築いてきましたから、一緒に戦ってくれる国はあるでしょう。後、出来ればあそこ協力がしてくれると助かるのですが……」
 
 ウラガン団長は奥歯に物が挟まったような言い方をして首を捻っている。
 
 「ん? なんだい? はっきりしない物言いだね」

 「ダルカデルという傭兵や冒険者のギルドがある国なんですが、そこは国こそ小さいものの、国力は四大国に匹敵するほどなんです」

 「そこを口説き落とせればかなり有利になりそうだが、そうすることが難しい何かの問題があるんだね」

 「そうなんです。ただ、その国は少し特殊でしてね。自国の人間が少ないし皆自由に行動してますから、いくら世界の危機とはいえ協力してもらうのは難しいと思ったんです。それに我々のような力がある大きな国のことを良くは思ってないみたいですしね」

 「他国から来た人間が多いんだったらまとめるのは確かに難しそうだね。……ソウタ。あんた、説得をするためにその国に行ってみないかい?」

 イネス先生の口から突然俺の名前が出てきて思わず生返事をしてしまう。

 「へっ?」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます!

トリガー
ファンタジー
町工場の専務が女神の力で異世界に転生します。剣や魔法を使い成長していく異世界ファンタジー

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...