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第161話 思ったよりも
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リネット達にあの場を任せた俺達は町を完全出たところで狼煙を上げる。
「その発煙筒思ったよりも煙が出るんだな……」
「ここまで近づけば奴等に気付かれたとしても問題ない」
「ガレインさん達もすぐそこまで来てるはずだ。気付けばこの辺りを包囲してくれるだろう」
その後俺とディアナは目前に迫っている百人くらいの一団に近づいて、後ろから先制攻撃を仕掛ける。
まずディアナがしんがりを務めていた数十人の敵兵の中に突っ込んでいく。
その間に俺は横から中央の敵陣に突っ込み、敵を倒しながらマスロンを探す。
敵は突然現れた俺達に戸惑うも、すぐに陣形を取って魔法と剣で向かってくる。
「邪魔をするな! 【紅焔塵】!」
俺の手のひらから赤い炎が巻き起こり、その炎で四方を囲んでいた敵を一気に薙ぎ払う。
炎に包まれた敵兵達は地面を転がり回って味方の魔法使いに助けを求める。
「たかが敵は一人だ! 狼狽えるな!」
敵の中から屈強そうな男が出てきて怒鳴り声を上げる。
男の周囲にはドーム状の魔法壁が張られていて、後ろには二人の男女が立っている。
「そのガキは俺達が始末する! お前達はマスロン様を安全な場所にお連れしろ!」
屈強そうな男が兵士達にそう命令して俺に向き直る。
「どうしてお前みたいなガキが俺達を追って来やがってるんだ?」
「お前に用はない! マスロン! こいつ等の後ろに隠れてないで出てこい! もうこの辺りは包囲されていて逃げること出来ないぞ!」
「てめえ! 俺のことは眼中に無いってか!?」
「お前に用はないと言ったはずだ! そこを退け!」
「チッ! ガキの分際で英雄気取りかよ! 」
男が魔法壁の外に飛び出て斬り掛かってくる。
「やるなら容赦しない!」
俺は斬り掛かってくる男の剣を弾き飛ばして斬り返す。しかし、男も瞬時に俺から距離を取って攻撃を避ける。
「やるじゃないか小僧!」
「あんたも中々やるようだが今は相手をしている暇ない。出てこないなら無理にでも引きずりだしてやるだけだ!」
敵軍は男達を置いて次々と街道に向かって撤退していく。
そのとき、敵軍の横からこちらの軍の騎兵隊がやってきて撤退を阻止し始める。
「【鎧袖一触】」
敵軍の中に大剣持った男が突っ込んでいき、体を半回転させながら敵兵を薙ぎ払う。
衝撃波を伴ったその一撃で十数人の敵が吹き飛び、敵軍の陣形を崩れる。
「もう着いたんですねガレインさん!」
「ああ! 俺達は馬で来たからな! 狼煙を上げといてくれて助かったぜ!」
俺の後方からも敵を片付けたディアナとファグルドさんが合流する。
そして続々と集まってきたこちらの軍勢が残った敵を囲み出す。
ガレインさんが大剣を担いで目の前の男に投降を呼び掛ける。
「もうお前達に逃げ場はない。守っているマスロンを出せ。それともここで無駄死にするか?」
すると屈強そうな男達の後ろから、白銀の鎧を着た三十代後半くらいの男が俺達の前に姿を現す。
鎧を着た男はウェーブがかった長い髪をかきあげて、俺達を忌々しそうに見てくる。
「鬱陶しいハエ共が……。先にパシヴァールのやつに報復してやろうと思ったがそうもいかなくなったか」
「お前がマスロンか!?」
「そうだ、俺がこの地を治めるマスロンだ。グラヴェールさえ裏切らなければお前達などに遅れを取らなかったものを……」
「味方と国を見捨てて逃げ出すようなやつが言うな! お前に残された選択肢は二つ。武装解除して大人しく捕まるか、抵抗して俺達にやられるかのどちらかだ!」
「……どこの誰かは知らないがあまり調子に乗るなよ? 俺はお前達に勝てないから退却するわけじゃない。パシヴァールを殺しに行くため撤退しているだけだ」
「もうじきお前の父親であるネルデル王がこの国を取り戻す。仮にお前がグラヴェールに報復したところで帰る場所ないぞ!」
「帰る場所だと? ははっ! いずれこの世界を手に入れる俺にはそんなものは必要ない!」
「それがお前の望みか!? そんなことしなくても王子としてネルデル王の後を継げはいいだろう!」
「俺はネルデルの息子として与えられたものなど要らん! 俺は……俺は自分だけの力で欲しいものを手に入れられることを証明する!」
「そのちっぽけなプライドのせいで多くの人が犠牲になった! その覚悟も出来ているんだろうな!?」
「塵芥に等しい虫けら共が何人犠牲になろうと大した問題ではない!
むしろ俺が世界の王になるための礎となれたことに感謝すべきだ!」
「救いようがないな。今お前に人々の怒りを分からせてやる!」
「お前は先程二つの選択肢があると言ったな? なら俺はお前達を殺して逃げるという三つ目の選択肢を選ぶとしよう……」
そう言ってポケットから小さな飴玉のようなもの取り出して飲み込む。
その途端マスロンの全身がオーラに包まれて髪が逆立ち始める。
こめかみに血管が浮き出たマスロンは、自分の力を確かめるように握り拳を作って歓喜の声を上げる。
「くあぁぁ! 溢れてくる! 力が溢れてくるぞぉぉぉ!」
なんだ……あの力は……? マスロンの体から膨大な魔力を感じるぞ……だが……。
「ここで戦うとしばらく戦えんが仕方ない。こいつ等を片付けて退却するぞラムダ」
マスロンは細身の剣を抜いて屈強そうな男達に命令をする。
「俺とセルゲイは前方の敵を排除するんでその他のヤツは頼みます。カレンは俺達を援護しろ!」
男は魔法癖を張っていた女と槍を携えた男にそう告げて新しい剣を抜く。
「俺とディアナでマスロンをやるので、 ファグルドさん達はあいつ等をお願いします」
「俺は雑魚の相手か……。まあいい、持っているものは中々の代物みたいだから、暇潰しくらいにはなるだろう」
ファグルドさんが長い太刀を抜いて屈強そうな男に歩み寄っていく。
「あいつちょっと普通じゃなさそうだから気を付けろよソウタ。他の者は残った敵を片付けろ!」
ガレインさんも騎士団員に指示を出して戦闘に参加する。それぞれの戦いをするため再び戦場が動き始める。
「こいつもラティエの敵だ! 絶対倒すぞディアナ!」
「ああ! ネルデル王には悪いがこいつは生かせておくわけにはいかない!」
俺とディアナは二人でマスロンに斬り掛かかる。
「その発煙筒思ったよりも煙が出るんだな……」
「ここまで近づけば奴等に気付かれたとしても問題ない」
「ガレインさん達もすぐそこまで来てるはずだ。気付けばこの辺りを包囲してくれるだろう」
その後俺とディアナは目前に迫っている百人くらいの一団に近づいて、後ろから先制攻撃を仕掛ける。
まずディアナがしんがりを務めていた数十人の敵兵の中に突っ込んでいく。
その間に俺は横から中央の敵陣に突っ込み、敵を倒しながらマスロンを探す。
敵は突然現れた俺達に戸惑うも、すぐに陣形を取って魔法と剣で向かってくる。
「邪魔をするな! 【紅焔塵】!」
俺の手のひらから赤い炎が巻き起こり、その炎で四方を囲んでいた敵を一気に薙ぎ払う。
炎に包まれた敵兵達は地面を転がり回って味方の魔法使いに助けを求める。
「たかが敵は一人だ! 狼狽えるな!」
敵の中から屈強そうな男が出てきて怒鳴り声を上げる。
男の周囲にはドーム状の魔法壁が張られていて、後ろには二人の男女が立っている。
「そのガキは俺達が始末する! お前達はマスロン様を安全な場所にお連れしろ!」
屈強そうな男が兵士達にそう命令して俺に向き直る。
「どうしてお前みたいなガキが俺達を追って来やがってるんだ?」
「お前に用はない! マスロン! こいつ等の後ろに隠れてないで出てこい! もうこの辺りは包囲されていて逃げること出来ないぞ!」
「てめえ! 俺のことは眼中に無いってか!?」
「お前に用はないと言ったはずだ! そこを退け!」
「チッ! ガキの分際で英雄気取りかよ! 」
男が魔法壁の外に飛び出て斬り掛かってくる。
「やるなら容赦しない!」
俺は斬り掛かってくる男の剣を弾き飛ばして斬り返す。しかし、男も瞬時に俺から距離を取って攻撃を避ける。
「やるじゃないか小僧!」
「あんたも中々やるようだが今は相手をしている暇ない。出てこないなら無理にでも引きずりだしてやるだけだ!」
敵軍は男達を置いて次々と街道に向かって撤退していく。
そのとき、敵軍の横からこちらの軍の騎兵隊がやってきて撤退を阻止し始める。
「【鎧袖一触】」
敵軍の中に大剣持った男が突っ込んでいき、体を半回転させながら敵兵を薙ぎ払う。
衝撃波を伴ったその一撃で十数人の敵が吹き飛び、敵軍の陣形を崩れる。
「もう着いたんですねガレインさん!」
「ああ! 俺達は馬で来たからな! 狼煙を上げといてくれて助かったぜ!」
俺の後方からも敵を片付けたディアナとファグルドさんが合流する。
そして続々と集まってきたこちらの軍勢が残った敵を囲み出す。
ガレインさんが大剣を担いで目の前の男に投降を呼び掛ける。
「もうお前達に逃げ場はない。守っているマスロンを出せ。それともここで無駄死にするか?」
すると屈強そうな男達の後ろから、白銀の鎧を着た三十代後半くらいの男が俺達の前に姿を現す。
鎧を着た男はウェーブがかった長い髪をかきあげて、俺達を忌々しそうに見てくる。
「鬱陶しいハエ共が……。先にパシヴァールのやつに報復してやろうと思ったがそうもいかなくなったか」
「お前がマスロンか!?」
「そうだ、俺がこの地を治めるマスロンだ。グラヴェールさえ裏切らなければお前達などに遅れを取らなかったものを……」
「味方と国を見捨てて逃げ出すようなやつが言うな! お前に残された選択肢は二つ。武装解除して大人しく捕まるか、抵抗して俺達にやられるかのどちらかだ!」
「……どこの誰かは知らないがあまり調子に乗るなよ? 俺はお前達に勝てないから退却するわけじゃない。パシヴァールを殺しに行くため撤退しているだけだ」
「もうじきお前の父親であるネルデル王がこの国を取り戻す。仮にお前がグラヴェールに報復したところで帰る場所ないぞ!」
「帰る場所だと? ははっ! いずれこの世界を手に入れる俺にはそんなものは必要ない!」
「それがお前の望みか!? そんなことしなくても王子としてネルデル王の後を継げはいいだろう!」
「俺はネルデルの息子として与えられたものなど要らん! 俺は……俺は自分だけの力で欲しいものを手に入れられることを証明する!」
「そのちっぽけなプライドのせいで多くの人が犠牲になった! その覚悟も出来ているんだろうな!?」
「塵芥に等しい虫けら共が何人犠牲になろうと大した問題ではない!
むしろ俺が世界の王になるための礎となれたことに感謝すべきだ!」
「救いようがないな。今お前に人々の怒りを分からせてやる!」
「お前は先程二つの選択肢があると言ったな? なら俺はお前達を殺して逃げるという三つ目の選択肢を選ぶとしよう……」
そう言ってポケットから小さな飴玉のようなもの取り出して飲み込む。
その途端マスロンの全身がオーラに包まれて髪が逆立ち始める。
こめかみに血管が浮き出たマスロンは、自分の力を確かめるように握り拳を作って歓喜の声を上げる。
「くあぁぁ! 溢れてくる! 力が溢れてくるぞぉぉぉ!」
なんだ……あの力は……? マスロンの体から膨大な魔力を感じるぞ……だが……。
「ここで戦うとしばらく戦えんが仕方ない。こいつ等を片付けて退却するぞラムダ」
マスロンは細身の剣を抜いて屈強そうな男達に命令をする。
「俺とセルゲイは前方の敵を排除するんでその他のヤツは頼みます。カレンは俺達を援護しろ!」
男は魔法癖を張っていた女と槍を携えた男にそう告げて新しい剣を抜く。
「俺とディアナでマスロンをやるので、 ファグルドさん達はあいつ等をお願いします」
「俺は雑魚の相手か……。まあいい、持っているものは中々の代物みたいだから、暇潰しくらいにはなるだろう」
ファグルドさんが長い太刀を抜いて屈強そうな男に歩み寄っていく。
「あいつちょっと普通じゃなさそうだから気を付けろよソウタ。他の者は残った敵を片付けろ!」
ガレインさんも騎士団員に指示を出して戦闘に参加する。それぞれの戦いをするため再び戦場が動き始める。
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