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2-1.転生冒険者と男娼王子の新しい日常
四十話
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フレデリック様に構ってもらっていると、新たな来訪者を告げる鐘が鳴る。
今日は、よく人が来るな……。
「少し見てきます。こちらでお待ち下さい」
「わかった」
人前にフレデリック様を出したくないので、このまま部屋で待ってもらうように告げれば、フレデリック様は俺の頭を両手で触れるように掴むと頬に口づけを落として微笑む。
「早く戻ってこい」
引き留めたり、連れていってと言うわけでもなく、駆け引きを楽しむように笑うフレデリック様にぎゅっと心を掴まれた気分になった。
「すぐ戻ってきます!」
これ以上フレデリック様の笑みを見ていると心が持たないと、家の中だというのに転移魔法で玄関へと向かう。
「……誰だ」
「ギルドからの使いです。依頼を受けていた宝飾店の者をお連れしました」
扉を開けて、来訪者の一人に問えば、そう答えが返ってきた。
そういえばギルドを経由して、依頼を出していたな……。
二人の来訪者のうち一人は、何度か見かけたことのあるギルドの職員で、もう一人は、宝飾店の人間らしい。
身なりを見れば、宝飾店の者というだけあって綺麗な身なりをしている。
飾り立てまくっているというわけではないので、それなりに品の良いところに依頼してくれたのだろう。
「そうか。案内する。入れ」
「かしこまりました」
俺がそう言うと、来訪者二人は大人しく着いてくる。余計な事をするような人間ではなさそうなので良かった。余計な事をしようがどうとでもできるのだが。
「で、どんなものを持ってきてくれたんだ?」
「こちらが品物となります」
案内した応接室で長椅子に腰掛けながら問えば、宝飾店の人間はテーブルへと手に持っていたトランクを置き、その中身を見せるように開いた。
「……ほう」
中に入っていたのは、俺の依頼していたアクセサリー各種だ。ピアスやネックレス、指輪だけでなく、ニップルピアスや性器ピアスの類いも揃っている。
サイズなどはあらかじめ伝えてあったから、どれも問題なく使用できるものを持ってきたようだ。
「全て既製品か?」
「いえ、ご依頼を受けてから作らせていただきました。金だけではなく、白金や魔法銀などのアクセサリーもご希望との事でしたので」
俺の問いに答える商人。依頼を出したのは二週間ほど前。そして、トランクに入っているアクセサリーの数は、五十近くある。この数を今日までに仕上げてきたというのだから感心せざるを得ない。
「……いくらだ?」
「……はい?どちらの品でしょうか?」
「全てだ」
俺の言葉に聞き返してきた来訪者へと改めて答えれば、来訪者の動きが止まる。
「いくらになる。白金貨百で足りるか?」
収納魔法から白金貨を纏めた袋を取り出して、テーブルへと置く。前世的な価値で言えば、一億くらいか。
……いや、そう考えると安い気がしてくるな。後、二、三袋追加しておくか。
「お、お待ち下さい!白金貨百枚でも多すぎます!」
三つ目の袋を追加したところで、商人から制止がかかる。
「そうか?まあ、持っていってくれていい。良いものを持ってきてくれた礼だ」
金なんていらないくらいある、ギルドにもたくさん受け取り保留にしている報酬もあるからな。白金貨が二、三百枚減ってもどうってことない。
「さ、左様ですか……」
「あ、そうだ。ついでに次の依頼も頼む。今回はシンプルな物にしたがもう少し飾り立てた物が欲しい。だが、あまり下品にならない程度にしてくれ」
ついでに次の依頼の前金として、二袋追加すれば、商人の顔から魂が抜けたようになった。商人らしくないなこいつ。
放心気味の商人は放っておいて買い取ったアクセサリーを収納魔法に放り込む。
「納品は、ゆっくりで構わない。数が揃ったらギルド経由で来てくれ」
まだ放心気味の商人をギルド職員に任せて帰す。ぎっちりと白金貨が詰まったトランクが重そうだったから、次は小切手にしてやろうと思いながら二人を見送り、自室へと転移する。
「お待たせしました」
「ああ、お帰り。なんだったんだ?」
「ギルドに依頼していた商人が来まして……」
長椅子で寛いでいたフレデリック様に迎えられながら、俺はテーブルへと購入したアクセサリーを並べた。
「宝飾品か。ふむ……どれも、いいセンスだ」
並べられたアクセサリーの中からピアスを手に取り、眺めるフレデリック様。その姿すら絵になるのだから、我が最愛の主は美しい。
「全てフレデリック様の物として作らせました。俺からの贈り物です」
「ほう……それじゃあ、ありがたく貰おうか」
俺の言葉に笑みを浮かべ、手に持っていたピアスを耳に当てる。
赤い宝石にホワイトゴールドのピアスは、フレデリック様を鮮やかに彩り、その妖艶さを際立たせた。
「似合うか?」
「とても」
ありふれた褒め言葉しか返せなかったが、フレデリック様は嬉しそうに笑う。
「ああ……ニップルピアスや性器ピアスもあるのか」
「今あるのは、王宮でつけられた物ですし……いずれは俺から贈ろうと思っていまして……」
なんだかんだと着けたままにしていたそれらを替えるのはいい機会かと……なんて、言い訳がましく呟く俺にフレデリック様が妖艶に微笑んだ。
そして、プツリプツリと自らシャツのボタンを外していく。
「そうか。では、お前の手で付け替えてくれ」
はだけたシャツの向こう。ぷっくりと色づいた肉粒が俺の眼前へと晒された。
今日は、よく人が来るな……。
「少し見てきます。こちらでお待ち下さい」
「わかった」
人前にフレデリック様を出したくないので、このまま部屋で待ってもらうように告げれば、フレデリック様は俺の頭を両手で触れるように掴むと頬に口づけを落として微笑む。
「早く戻ってこい」
引き留めたり、連れていってと言うわけでもなく、駆け引きを楽しむように笑うフレデリック様にぎゅっと心を掴まれた気分になった。
「すぐ戻ってきます!」
これ以上フレデリック様の笑みを見ていると心が持たないと、家の中だというのに転移魔法で玄関へと向かう。
「……誰だ」
「ギルドからの使いです。依頼を受けていた宝飾店の者をお連れしました」
扉を開けて、来訪者の一人に問えば、そう答えが返ってきた。
そういえばギルドを経由して、依頼を出していたな……。
二人の来訪者のうち一人は、何度か見かけたことのあるギルドの職員で、もう一人は、宝飾店の人間らしい。
身なりを見れば、宝飾店の者というだけあって綺麗な身なりをしている。
飾り立てまくっているというわけではないので、それなりに品の良いところに依頼してくれたのだろう。
「そうか。案内する。入れ」
「かしこまりました」
俺がそう言うと、来訪者二人は大人しく着いてくる。余計な事をするような人間ではなさそうなので良かった。余計な事をしようがどうとでもできるのだが。
「で、どんなものを持ってきてくれたんだ?」
「こちらが品物となります」
案内した応接室で長椅子に腰掛けながら問えば、宝飾店の人間はテーブルへと手に持っていたトランクを置き、その中身を見せるように開いた。
「……ほう」
中に入っていたのは、俺の依頼していたアクセサリー各種だ。ピアスやネックレス、指輪だけでなく、ニップルピアスや性器ピアスの類いも揃っている。
サイズなどはあらかじめ伝えてあったから、どれも問題なく使用できるものを持ってきたようだ。
「全て既製品か?」
「いえ、ご依頼を受けてから作らせていただきました。金だけではなく、白金や魔法銀などのアクセサリーもご希望との事でしたので」
俺の問いに答える商人。依頼を出したのは二週間ほど前。そして、トランクに入っているアクセサリーの数は、五十近くある。この数を今日までに仕上げてきたというのだから感心せざるを得ない。
「……いくらだ?」
「……はい?どちらの品でしょうか?」
「全てだ」
俺の言葉に聞き返してきた来訪者へと改めて答えれば、来訪者の動きが止まる。
「いくらになる。白金貨百で足りるか?」
収納魔法から白金貨を纏めた袋を取り出して、テーブルへと置く。前世的な価値で言えば、一億くらいか。
……いや、そう考えると安い気がしてくるな。後、二、三袋追加しておくか。
「お、お待ち下さい!白金貨百枚でも多すぎます!」
三つ目の袋を追加したところで、商人から制止がかかる。
「そうか?まあ、持っていってくれていい。良いものを持ってきてくれた礼だ」
金なんていらないくらいある、ギルドにもたくさん受け取り保留にしている報酬もあるからな。白金貨が二、三百枚減ってもどうってことない。
「さ、左様ですか……」
「あ、そうだ。ついでに次の依頼も頼む。今回はシンプルな物にしたがもう少し飾り立てた物が欲しい。だが、あまり下品にならない程度にしてくれ」
ついでに次の依頼の前金として、二袋追加すれば、商人の顔から魂が抜けたようになった。商人らしくないなこいつ。
放心気味の商人は放っておいて買い取ったアクセサリーを収納魔法に放り込む。
「納品は、ゆっくりで構わない。数が揃ったらギルド経由で来てくれ」
まだ放心気味の商人をギルド職員に任せて帰す。ぎっちりと白金貨が詰まったトランクが重そうだったから、次は小切手にしてやろうと思いながら二人を見送り、自室へと転移する。
「お待たせしました」
「ああ、お帰り。なんだったんだ?」
「ギルドに依頼していた商人が来まして……」
長椅子で寛いでいたフレデリック様に迎えられながら、俺はテーブルへと購入したアクセサリーを並べた。
「宝飾品か。ふむ……どれも、いいセンスだ」
並べられたアクセサリーの中からピアスを手に取り、眺めるフレデリック様。その姿すら絵になるのだから、我が最愛の主は美しい。
「全てフレデリック様の物として作らせました。俺からの贈り物です」
「ほう……それじゃあ、ありがたく貰おうか」
俺の言葉に笑みを浮かべ、手に持っていたピアスを耳に当てる。
赤い宝石にホワイトゴールドのピアスは、フレデリック様を鮮やかに彩り、その妖艶さを際立たせた。
「似合うか?」
「とても」
ありふれた褒め言葉しか返せなかったが、フレデリック様は嬉しそうに笑う。
「ああ……ニップルピアスや性器ピアスもあるのか」
「今あるのは、王宮でつけられた物ですし……いずれは俺から贈ろうと思っていまして……」
なんだかんだと着けたままにしていたそれらを替えるのはいい機会かと……なんて、言い訳がましく呟く俺にフレデリック様が妖艶に微笑んだ。
そして、プツリプツリと自らシャツのボタンを外していく。
「そうか。では、お前の手で付け替えてくれ」
はだけたシャツの向こう。ぷっくりと色づいた肉粒が俺の眼前へと晒された。
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