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本編
23:ノイと言う男
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仕事をできるようになって、私はそれはそれは、水を得た魚のような充実感を得ていた。
書類を全て纏め終えて、ノイとレスバトルを繰り広げ、それをアデル様に仲いいねと言われ、二人揃ってよくないです!と返し……。
なんだかんだ一ヶ月経ったけどわかったことがある。
ノイ。嫌味だけど忠臣だった。
あれだけ、アデル様にもあたり強いから不正の一つや二つしてそうじゃない? してないんだなこれが。
ただ、忠誠を誓っている人が違うだけで。
「ノイ、私だけじゃなくアデル様もボロクソに言うじゃん? なんで真面目に働いてるの?」
「失礼すぎる物言いだし、淑女の言葉遣いとしてありえないぞ」
ノイと頭を付き合わせながら税収の計算をしている時にそんな事を言えばため息を吐かれた。
数多のレスバトルのおかげか、礼節も全て吹き飛ばして明け透けなく話すようになったのだが、これがアデル様に仲がいいねと言われる原因なのだと思う。
「私は、先代様からこの家を頼まれただけだ」
「その為にアデル様に仕えて、あのろくでなしを支援するの?」
「それが私の任されたアロガス伯爵家だからな」
なんともまあ、見事な忠誠心。次代がドロ舟なのに、共に沈む覚悟とは天晴れだ。
私には理解できないが。
「失礼な事考えただろう」
「いいえー。っと、ここ記載ミスある」
「そうか。直しておけ」
修正箇所を確認してもらおうと思ったのだけど、ノイは確認しようとせずに、私へと対応を任せる。
……信頼がわかりにくい男。
まあ、最悪な初対面だったが、それなりに信頼できる男だし、私も信頼されたのだと思う。
まあ、あのドラ息子を次代と祭り上げている時点で根本的には相容れないが。
仕事仲間としては、能力も高いし妥協点と言った人物だろう。
私が経営者だったら雇う事はないが。
「おい」
「なに?」
「そろそろ、アデル様連れて休憩してこい」
もう少し書類が残っているのにノイがそんな事を言い出す。
「まだ、残ってるけど」
「私がやっておく。お前が来てからアデル様まで働きすぎるんだ」
それを言われるとちょっと弱い。
私が仕事を手伝うようになってからというもの、効率が上がり、つられるようにアデル様も仕事に追われるようになったのだ。
仕事はできるがおっとりしているアデル様。仕事中毒気味な私とノイ。元々の耐久値が違いすぎた。
「倒れられる前に対応しろ。私の職務外だ」
これが心配する言葉なんだから、そんな男である。そして、面倒くさい。
だけど、その気遣いはいただいていこう。
「アデル様ー。そろそろお茶の時間ですよー」
「えっ、もうそんな時間?」
過集中でなにも聞こえていなくなっているアデル様の隣へ立って、肩を叩けばアデル様がハッ……! とした表情を浮かべる。
「そうですよー」
「ああ、わかった。お茶にしようか。ノイ少し外すね」
「かしこまりました」
とりあえず休憩を取ってくれるアデル様にホッとしつつ、提案する。
「今日は、晴れてますし……庭園でお茶しましょう!」
「そうだね」
私の提案にアデル様は微笑み頷く。
仕事も楽しい、アデル様は可愛い。私の婚約者生活順風満帆では?
なんて思いながら、アデル様と共に庭園へと向かうのだった。
書類を全て纏め終えて、ノイとレスバトルを繰り広げ、それをアデル様に仲いいねと言われ、二人揃ってよくないです!と返し……。
なんだかんだ一ヶ月経ったけどわかったことがある。
ノイ。嫌味だけど忠臣だった。
あれだけ、アデル様にもあたり強いから不正の一つや二つしてそうじゃない? してないんだなこれが。
ただ、忠誠を誓っている人が違うだけで。
「ノイ、私だけじゃなくアデル様もボロクソに言うじゃん? なんで真面目に働いてるの?」
「失礼すぎる物言いだし、淑女の言葉遣いとしてありえないぞ」
ノイと頭を付き合わせながら税収の計算をしている時にそんな事を言えばため息を吐かれた。
数多のレスバトルのおかげか、礼節も全て吹き飛ばして明け透けなく話すようになったのだが、これがアデル様に仲がいいねと言われる原因なのだと思う。
「私は、先代様からこの家を頼まれただけだ」
「その為にアデル様に仕えて、あのろくでなしを支援するの?」
「それが私の任されたアロガス伯爵家だからな」
なんともまあ、見事な忠誠心。次代がドロ舟なのに、共に沈む覚悟とは天晴れだ。
私には理解できないが。
「失礼な事考えただろう」
「いいえー。っと、ここ記載ミスある」
「そうか。直しておけ」
修正箇所を確認してもらおうと思ったのだけど、ノイは確認しようとせずに、私へと対応を任せる。
……信頼がわかりにくい男。
まあ、最悪な初対面だったが、それなりに信頼できる男だし、私も信頼されたのだと思う。
まあ、あのドラ息子を次代と祭り上げている時点で根本的には相容れないが。
仕事仲間としては、能力も高いし妥協点と言った人物だろう。
私が経営者だったら雇う事はないが。
「おい」
「なに?」
「そろそろ、アデル様連れて休憩してこい」
もう少し書類が残っているのにノイがそんな事を言い出す。
「まだ、残ってるけど」
「私がやっておく。お前が来てからアデル様まで働きすぎるんだ」
それを言われるとちょっと弱い。
私が仕事を手伝うようになってからというもの、効率が上がり、つられるようにアデル様も仕事に追われるようになったのだ。
仕事はできるがおっとりしているアデル様。仕事中毒気味な私とノイ。元々の耐久値が違いすぎた。
「倒れられる前に対応しろ。私の職務外だ」
これが心配する言葉なんだから、そんな男である。そして、面倒くさい。
だけど、その気遣いはいただいていこう。
「アデル様ー。そろそろお茶の時間ですよー」
「えっ、もうそんな時間?」
過集中でなにも聞こえていなくなっているアデル様の隣へ立って、肩を叩けばアデル様がハッ……! とした表情を浮かべる。
「そうですよー」
「ああ、わかった。お茶にしようか。ノイ少し外すね」
「かしこまりました」
とりあえず休憩を取ってくれるアデル様にホッとしつつ、提案する。
「今日は、晴れてますし……庭園でお茶しましょう!」
「そうだね」
私の提案にアデル様は微笑み頷く。
仕事も楽しい、アデル様は可愛い。私の婚約者生活順風満帆では?
なんて思いながら、アデル様と共に庭園へと向かうのだった。
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