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第6章 エイゼル市に響くウェディングベル
第6章第035話 大使館に取立てです
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第6章第035話 大使館に取立てです
・Side:ツキシマ・レイコ
大使だか伯爵だかがどれほど偉いのかはともかく。私がカーラさんの為に作った老眼鏡を二束三文で持ってってしまった、バンシクル王国大使のオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵。
まだそういう感覚で貴族をやっている奴が…と思いましたけど。ネイルコード国の外から来ているんですね。仕方がないとは言いません、ここは抗議の一手です。
軍はカステラード殿下が掌握していますし。アイズン伯爵の施政が上手いことフィルターになっていて、この国では内政の出来ない貴族ってのは大きな顔が出来ません。自分で出来ない貴族は領政の権利を国や寄親貴族に委託し、派遣された代官が施政を取り仕切ることとなります。
エカテリンさんが言うには、昔の栄光を笠に着た貴族然とした貴族は皆無ではないそうですが。領地の資金管理は親族や代官に押さえられ、極端な贅沢や横暴なことも出来ないようです。まぁ豊かな国で働かなくても食うに困らないだけでも十分幸せだとは思いますけどね。
いつぞやのアマランカ領のチャラ貴たちも、高位の家出身だから偉そうにしていただけで。実際の権能はほとんど無かったようですし。バッセンベル領もトップが入れ替わったおかげで、内政実力主義に移行しつつあります。
外国からこの国に大使としてくるのなら、そういう事前の情報収集も大使のお仕事なんじゃないですかね? 観光に来たんじゃないんですから。
メガネの所有権はまだ私にあります。私に許可なく持っていったのですから、私にはあの眼鏡を奪還する権利があります。
…別に暴力が好きなわけではありませんが、五体満足で自国に帰られるかは向こう次第。カーラさんに暴力振るっていたら完全アウトでしたけど。
「クーククッ!」
私に飛び移ったレッドさんが辛うじてフードに潜り込んだところで、ファルリード亭を飛び出してきました。
向かうは貴族街。色々とぶつからないように速度を抑えていますが、何台か馬車を飛び越えましたよ。数分で貴族街の門前に到着です。
門前で衛兵の人に身元確認をされましたが問題なし。何度も通っていますし、門番の方ももう顔見知りですが、必ずゴルゲットを確認します。うん、真面目にお仕事ご苦労さまです。ついでにバンシクル王国の大使館とやらの場所を聞いておきます。
門から2ブロックぐらい進むと、バンシクル王国大使館前です。
この辺の区画は、庭付き一戸建てというよりヨーロッパの都市にあるような隣の建物とくっついた四階建てくらいの石造りですね。
まぁ当然のごとく入口は普段から閉めっぱなしですので、立派な扉の横にある小扉の前に門番と思しき人が二人立っています。
「バンシクル王国大使オルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵に用があるんですけど」
「ん?なんだお嬢さん。誰かのお使いかね?」
これが貴族街の外ならどこの子だと追い返されそうですが。さすがに貴族街で女の子が一人で歩いていたら、どっかの家の子かと思われますかね?
この門番の人、この街に来て間もないのかな? 自分が有名人だなんてぞっとしますけど。私はこの辺では珍しい黒髪ですし、頭の後ろからレッドさんがしがみついてます。知っている人なら見れば一発の風貌だとは思いますが、知らない人は知らないということですか。
「ここの伯爵が盗ってった物を返して欲しいんだけど」
「伯爵様が盗ったとは穏やかじゃないな。なんだ?姉でも連れていかれたか?」
「…そんなことまでしてるの? ここの伯爵はっ」
「いやいや、流石に他国でそんなことしたら大問題だ。ただ、河向こうの不夜城には入り浸っているようだから、女好きではあるんだろうけど…」
「しかも料金を大使館にツケているって話だぜ。うらやましいこった」
不夜城、中州の砦を丸ごと歓楽街にした所です。
砦に押し込めているのは治安のため。女性が相手をしてくれるような店は昔は街のあちこちにあったようですが。女性が嵌められて借金奴隷にされたり地方から攫われてきたりと、犯罪と裏組織の温床にもなっていたので。友好的な裏の有力者と協力して押さえ込み、結構な広さの砦を丸ごと占用地として与えたという話です。
女の私としては思うところはありますが。男性にしろ、こういう所でしか働けない女性にしろ、こういう所はどこでも必要とされるのでしょう。野放しより公認して管理するという方針のようです。
にしても、そんな情報洩らして良いんですか?
二人ともこの国の人ではなさそうですが。いかにも雇われ門番って雰囲気で、伯爵への忠誠心とかは特にないようです。
「私はツキシマ・レイコといいます。ともかく、ここの伯爵に取り次いで欲しいんですけど」
「仮にも他国の大使が子供にほいほいと会ってくれるわけ無いだろ。うーん、まぁ本当になにか取られたって言うのなら、まず親に相談しなさい」
もっと傍若無人な対応されるかと思っていましたけど。結構まともですね、この門番の人達。
「ん?ちょっとまて相棒。レイコ…様って… 黒い髪に後ろの赤い…トカゲ?犬? 」
「クーーッ!」
失礼なっ!とレッドさんが憤慨しています。
片方の門番の人は、私のこと全く知らないというわけでも無いようですね。
見た目とかはともかく、襟元で半分隠れているゴルゲットを引っ張り出して見やすいようにします。
「これが身分証になると思いますけど?」
ネイルコード国公認の証のロゼット…は分かると思いますが。ここの伯爵も持っているそうですしね。
流石に地球大使のロゼットの方は、見たこと無い人は知らないでしょうが。ネイルコード国のロゼットは、子供が持っているからとなおざりにして良い物ではないことには気がついたようです。
「…本物か? いや、偽物ならそもそも貴族街に入って来れないだろうし…」
「昨日からエイゼル市庁のほうからせっつかれている件じゃないのか? 結構な剣幕で職員が何回か来てただろ。伯爵も家令殿も真面目に対応していなかったが…。念のため再度報告してこい」
」
すでに市や国が動いてくれているようですが、まだ解決には至っていないようです。
うーん、他国の大使ってところがたしかに扱いが難しいところですか。地球だと大使館は治外法権ですが、こちらではどうなんでしょう?
しばらくして、いかにも執事という感じの人が来ました。
「これはこれはかわいらしいお客ですな。この度はどのような御用事で?」
軟らかく当たろうとしていますが、なんか品定めするような視線ですね。
「一昨日、ファルリード亭のカーラさんから取り上げた眼鏡を返してください」
「取り上げたとは聞き捨てなりませんな。あれは対価を払って買い取ったと伺っています」
「銀貨3枚30ダカムでですか?」
「えっ?」
驚いたような顔をしています。…幾ら払ったのか知らなかったのですかね?
「し…しかし、平民が持っていた物などそれくらいの価値でしょう?」
「だったら店で買ったら良いじゃないですか。売ってたらですけど」
30ダカム。日本だと三千円くらいの価値です。まぁ貴族なら百個単位で買えるお値段でしょう。もし30ダカムで売っているのならですが。
「あれは平民が持つにはすぎたものです。我が国の貴族に献上できたのですからむしろ光栄に思っていただかないと」
…まぁこういう選民思考の貴族の方が普通なのかもしれませんが。
「…ここ、けっこう良いお屋敷ですね。あなた方が住むには勿体ないので私に売ってくれませんか? 30ダカムなんてけちくさいことは言いません、100ダカム出しますよ?」
と、100ダカム小金貨を差し出した。1万円くらいです。
「なっ…なに馬鹿なことを…」
「自分で勝手に値付けするって、そういう無茶ってことですよ。爵位を縦に強引に持って行かれて光栄に思うわけないでしょっ?」
「…スラウェン殿。この娘は噂の赤竜神の巫女様では? 本国からも接触を取るようにと言われていたのではないかと」
家令の横に付いていた騎士っぽい人が囁きます。
そろってこちらを見る二人に、もう一度ゴルゲットを見せます。
「見たことの無い模様のロゼット…それにネイルコード国が認めた大使の証のロゼット…」
その模様は例の国連っぽいマークですね。地球国の国章…という事になっています。ネイルコード国公認の地球大使です。
「あなた達にあの眼鏡の価値が分かるんですか? あれが30ダカムで作れるわけ無いでしょう? ユルガルム製のレンズに、マルタリクで私が手ずから作ったフレーム、マルタリクの細工師が作った金具類。バンシクル王国ではこれが30ダカムで買えるんですか?」
「い…いえ。バンシクルでは見たことが無いが便利な物だと、伯爵も喜んでいたのですが…」
「だったら返してください。それとも私がバンシクル王国に正式に抗議した方が良いですか?」
「…わかりましたっ。伯爵に話して参りますっ」
この家令さん、辛うじて私のことは知っているようです。冷や汗書いて慌てて大使館の中に入っていきました。
・Side:ツキシマ・レイコ
大使だか伯爵だかがどれほど偉いのかはともかく。私がカーラさんの為に作った老眼鏡を二束三文で持ってってしまった、バンシクル王国大使のオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵。
まだそういう感覚で貴族をやっている奴が…と思いましたけど。ネイルコード国の外から来ているんですね。仕方がないとは言いません、ここは抗議の一手です。
軍はカステラード殿下が掌握していますし。アイズン伯爵の施政が上手いことフィルターになっていて、この国では内政の出来ない貴族ってのは大きな顔が出来ません。自分で出来ない貴族は領政の権利を国や寄親貴族に委託し、派遣された代官が施政を取り仕切ることとなります。
エカテリンさんが言うには、昔の栄光を笠に着た貴族然とした貴族は皆無ではないそうですが。領地の資金管理は親族や代官に押さえられ、極端な贅沢や横暴なことも出来ないようです。まぁ豊かな国で働かなくても食うに困らないだけでも十分幸せだとは思いますけどね。
いつぞやのアマランカ領のチャラ貴たちも、高位の家出身だから偉そうにしていただけで。実際の権能はほとんど無かったようですし。バッセンベル領もトップが入れ替わったおかげで、内政実力主義に移行しつつあります。
外国からこの国に大使としてくるのなら、そういう事前の情報収集も大使のお仕事なんじゃないですかね? 観光に来たんじゃないんですから。
メガネの所有権はまだ私にあります。私に許可なく持っていったのですから、私にはあの眼鏡を奪還する権利があります。
…別に暴力が好きなわけではありませんが、五体満足で自国に帰られるかは向こう次第。カーラさんに暴力振るっていたら完全アウトでしたけど。
「クーククッ!」
私に飛び移ったレッドさんが辛うじてフードに潜り込んだところで、ファルリード亭を飛び出してきました。
向かうは貴族街。色々とぶつからないように速度を抑えていますが、何台か馬車を飛び越えましたよ。数分で貴族街の門前に到着です。
門前で衛兵の人に身元確認をされましたが問題なし。何度も通っていますし、門番の方ももう顔見知りですが、必ずゴルゲットを確認します。うん、真面目にお仕事ご苦労さまです。ついでにバンシクル王国の大使館とやらの場所を聞いておきます。
門から2ブロックぐらい進むと、バンシクル王国大使館前です。
この辺の区画は、庭付き一戸建てというよりヨーロッパの都市にあるような隣の建物とくっついた四階建てくらいの石造りですね。
まぁ当然のごとく入口は普段から閉めっぱなしですので、立派な扉の横にある小扉の前に門番と思しき人が二人立っています。
「バンシクル王国大使オルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵に用があるんですけど」
「ん?なんだお嬢さん。誰かのお使いかね?」
これが貴族街の外ならどこの子だと追い返されそうですが。さすがに貴族街で女の子が一人で歩いていたら、どっかの家の子かと思われますかね?
この門番の人、この街に来て間もないのかな? 自分が有名人だなんてぞっとしますけど。私はこの辺では珍しい黒髪ですし、頭の後ろからレッドさんがしがみついてます。知っている人なら見れば一発の風貌だとは思いますが、知らない人は知らないということですか。
「ここの伯爵が盗ってった物を返して欲しいんだけど」
「伯爵様が盗ったとは穏やかじゃないな。なんだ?姉でも連れていかれたか?」
「…そんなことまでしてるの? ここの伯爵はっ」
「いやいや、流石に他国でそんなことしたら大問題だ。ただ、河向こうの不夜城には入り浸っているようだから、女好きではあるんだろうけど…」
「しかも料金を大使館にツケているって話だぜ。うらやましいこった」
不夜城、中州の砦を丸ごと歓楽街にした所です。
砦に押し込めているのは治安のため。女性が相手をしてくれるような店は昔は街のあちこちにあったようですが。女性が嵌められて借金奴隷にされたり地方から攫われてきたりと、犯罪と裏組織の温床にもなっていたので。友好的な裏の有力者と協力して押さえ込み、結構な広さの砦を丸ごと占用地として与えたという話です。
女の私としては思うところはありますが。男性にしろ、こういう所でしか働けない女性にしろ、こういう所はどこでも必要とされるのでしょう。野放しより公認して管理するという方針のようです。
にしても、そんな情報洩らして良いんですか?
二人ともこの国の人ではなさそうですが。いかにも雇われ門番って雰囲気で、伯爵への忠誠心とかは特にないようです。
「私はツキシマ・レイコといいます。ともかく、ここの伯爵に取り次いで欲しいんですけど」
「仮にも他国の大使が子供にほいほいと会ってくれるわけ無いだろ。うーん、まぁ本当になにか取られたって言うのなら、まず親に相談しなさい」
もっと傍若無人な対応されるかと思っていましたけど。結構まともですね、この門番の人達。
「ん?ちょっとまて相棒。レイコ…様って… 黒い髪に後ろの赤い…トカゲ?犬? 」
「クーーッ!」
失礼なっ!とレッドさんが憤慨しています。
片方の門番の人は、私のこと全く知らないというわけでも無いようですね。
見た目とかはともかく、襟元で半分隠れているゴルゲットを引っ張り出して見やすいようにします。
「これが身分証になると思いますけど?」
ネイルコード国公認の証のロゼット…は分かると思いますが。ここの伯爵も持っているそうですしね。
流石に地球大使のロゼットの方は、見たこと無い人は知らないでしょうが。ネイルコード国のロゼットは、子供が持っているからとなおざりにして良い物ではないことには気がついたようです。
「…本物か? いや、偽物ならそもそも貴族街に入って来れないだろうし…」
「昨日からエイゼル市庁のほうからせっつかれている件じゃないのか? 結構な剣幕で職員が何回か来てただろ。伯爵も家令殿も真面目に対応していなかったが…。念のため再度報告してこい」
」
すでに市や国が動いてくれているようですが、まだ解決には至っていないようです。
うーん、他国の大使ってところがたしかに扱いが難しいところですか。地球だと大使館は治外法権ですが、こちらではどうなんでしょう?
しばらくして、いかにも執事という感じの人が来ました。
「これはこれはかわいらしいお客ですな。この度はどのような御用事で?」
軟らかく当たろうとしていますが、なんか品定めするような視線ですね。
「一昨日、ファルリード亭のカーラさんから取り上げた眼鏡を返してください」
「取り上げたとは聞き捨てなりませんな。あれは対価を払って買い取ったと伺っています」
「銀貨3枚30ダカムでですか?」
「えっ?」
驚いたような顔をしています。…幾ら払ったのか知らなかったのですかね?
「し…しかし、平民が持っていた物などそれくらいの価値でしょう?」
「だったら店で買ったら良いじゃないですか。売ってたらですけど」
30ダカム。日本だと三千円くらいの価値です。まぁ貴族なら百個単位で買えるお値段でしょう。もし30ダカムで売っているのならですが。
「あれは平民が持つにはすぎたものです。我が国の貴族に献上できたのですからむしろ光栄に思っていただかないと」
…まぁこういう選民思考の貴族の方が普通なのかもしれませんが。
「…ここ、けっこう良いお屋敷ですね。あなた方が住むには勿体ないので私に売ってくれませんか? 30ダカムなんてけちくさいことは言いません、100ダカム出しますよ?」
と、100ダカム小金貨を差し出した。1万円くらいです。
「なっ…なに馬鹿なことを…」
「自分で勝手に値付けするって、そういう無茶ってことですよ。爵位を縦に強引に持って行かれて光栄に思うわけないでしょっ?」
「…スラウェン殿。この娘は噂の赤竜神の巫女様では? 本国からも接触を取るようにと言われていたのではないかと」
家令の横に付いていた騎士っぽい人が囁きます。
そろってこちらを見る二人に、もう一度ゴルゲットを見せます。
「見たことの無い模様のロゼット…それにネイルコード国が認めた大使の証のロゼット…」
その模様は例の国連っぽいマークですね。地球国の国章…という事になっています。ネイルコード国公認の地球大使です。
「あなた達にあの眼鏡の価値が分かるんですか? あれが30ダカムで作れるわけ無いでしょう? ユルガルム製のレンズに、マルタリクで私が手ずから作ったフレーム、マルタリクの細工師が作った金具類。バンシクル王国ではこれが30ダカムで買えるんですか?」
「い…いえ。バンシクルでは見たことが無いが便利な物だと、伯爵も喜んでいたのですが…」
「だったら返してください。それとも私がバンシクル王国に正式に抗議した方が良いですか?」
「…わかりましたっ。伯爵に話して参りますっ」
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