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1章
護衛4
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晩餐会が、恙無く、進むはずでした。
公爵様は、紹介したい人がいると言って!ランスロットを紹介しました。
「こちらが、孫のランスロットだ!そして、この子が、ミズキと言う儂のお気に入りだ!仲良くな」
「初めまして、ランスロットさん!」私は、握手のつもりで、右手を出すと、ランスロットは、手の甲に、唇を落とした。
思わず、「げっ!」と言ってしまったのは、しょうがないよね。
「クックック、君は、相変わらず、面白いね」なんて、言ってきた。
聞いたことのある声!廊下で迷子の時助けてくれた、名無しの護衛さんが、何故、ここにいる?サボりか?さぼりなのか?ダリル兄さんやジェリドさんが、困るじゃないか!
なんとか、ランスロットの耳元まで、近付き、小声で、「ダメじゃないですか、こんなとこでサボっちゃ!護衛の仕事ってそんなに、暇なんですか?」
「ブっ!!君は、僕が、本当に護衛だと思っているの?」
「だって、あの時、護衛の人って聞いた時何も言わなかったでしょう?」
「うん!そうだね、言わなかった。勝手に勘違いをしたのはそちらでしょう?」
「ぐっ!!」本当の事なので、何も言い返せず。
でも、黙っても、いられず!「性悪」毒を吐いてしまった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
なっなんで、皆、黙ってしまうの?
それに、視線が痛い
「なっ何よ!!」
「いや、なんでもない、性悪か~、ミズキは口が悪いね。今度は、どんな事を言ってくれるにかな?」
私の暴言に、喜んでいる?
どMだ!どM!がここにいる。
まさか、異世界に来て、どMに会えるなんて・・・。
ランスロットの一言で、その場が、和んだのは確かだった!
ランスロットに助けられた?
いやいや、最初にランスロットが黙っていたから、いけないのでしょう?
私は、私は悪くない!!
後ろの、ドアが、バタンと強めに開いた。
「ミズキ!謝りなさい」
背後から、ジェリドの声が、静かに聞こえた。しかも、凄く、怒っている。
「・・・・わたし、悪くないわ・・・」
ジェリドの怒りに、ミズキは、震えた。
だって、本当の事だもの!
「ミズキ!いい加減にしろ!!!」
ジェリドはミズキの頭を無理やり、下げた。
「殿下、申し訳御座いません、こいつは常識が全然わかっておりません!どうかお許し下さい」
一緒にジェリドも頭を下げた。さらに、ジェリドはミズキの頭を押し下げた。
こうなっては、ミズキは謝るしかない。
「・・・ごめん・・な・・さい」
「ふん!興ざめだね、君のおかげで」ランスロットはジェリドを睨みつける。
「あと、ミズキは、このまま下がらせます。申し訳ございません、それでは、失礼します」
ジェリドは、ミズキを連れて、晩餐会を後にした。
強い力で、ジェリドは、ミズキを引っ張っていく、目が見えていても、このスピードでは、足がもつれてしまう。
「ジェリドさん!止まって、ねえ止まって!怖いよ~ねぇ!」
「・・・・」
全然、返事をしてくれない。
「ねぇ、ジェリドさん!」
呼吸が乱れる。
突然、ジェリドは止まって!ミズキに振り返る、ミズキは、ぶつかると思ったら、両肩が悲鳴をあげた。
ジェリドが両肩を掴んでいた。
「お前は、死にたいのか?」
「・・・・」
ジェリドが何を言いたいのかわからない。
「死にたいのかと聞いているんだ!ミズキ!!」
「し、死にたくはない」声が震える。
「じゃあ何故、王族に刃向かった」
「だって、あの人がいけないのよ!私は、悪くない」
「それでも、それでも、王族に刃向かってはダメだ!」
「どうして!」
「この世界では、王族が絶対なんだ!お前の命なんて、殿下の気分一つで、どうにでもなるって事を覚えとけ!」
「そっそんな事できるわけ・・・・」
「出来るんだよ、ミズキ、ここでは、それが、常識なんだ!お前のいた世界と一緒にするな!いいな!わかったな!ミズキ!2度と、殿下に近づくな!!」
頭が。着いて行かない。ただ・・・ハッキリ分かるのは、どうして、自分がこんなところに居るの?という事だ。
ダリルを、ジェリドを、困らせたくはない、でも、涙は、ミズキの意思とは、関係なく、ポロポロとこぼれていく。
「・・・帰りたい・・・・こんなところ、居たくない、お家に帰りたい・・・帰して・・・お願い・・・帰して・・・うっ・・・うぅっ・・・こんなところ、来たくなかったの!来たくなかった!・・・・帰りたい、お母さん・・お母さん・・」
帰りたいのを、ずっと・・我慢してきた、ダリルたちに迷惑がかかると思って、考えないようにしていた・・・心を誤魔化していた・・もう心の限界だった。
心が擦り切れ、悲鳴を上げていた、涙が、止まらない、手で拭っても、拭っても、枯れない泉のように、目からあふれてはこぼれていった。
ミズキはしゃがんで、顔を手で覆いつくして、泣いた。ジェリドは、時折、ミズキの背中を優しく撫でていた。
「・・・ジェリドさん・・・お家に帰して・・・」
ジェリドに言ってもしょうがない事は分かってる、でも言わずにはいられなかった。言わなかったら、心が壊れてしまうのが、目に見えるから・・・
泣きながら何度も何度も、ジェリドに帰してと、家に帰してと、泣きついた!!
ジェリドを何度も叩きながら、思いをぶつけるようにミズキは、ジェリドを叩いた。
ジェリドは一言だけ、「すまん」と呟いた。
ジェリドに、抱きしめられた腕の中は、とても暖かかった。
暖かくて、ジェリドさんの匂いがして、とっても、疲れた。
公爵様は、紹介したい人がいると言って!ランスロットを紹介しました。
「こちらが、孫のランスロットだ!そして、この子が、ミズキと言う儂のお気に入りだ!仲良くな」
「初めまして、ランスロットさん!」私は、握手のつもりで、右手を出すと、ランスロットは、手の甲に、唇を落とした。
思わず、「げっ!」と言ってしまったのは、しょうがないよね。
「クックック、君は、相変わらず、面白いね」なんて、言ってきた。
聞いたことのある声!廊下で迷子の時助けてくれた、名無しの護衛さんが、何故、ここにいる?サボりか?さぼりなのか?ダリル兄さんやジェリドさんが、困るじゃないか!
なんとか、ランスロットの耳元まで、近付き、小声で、「ダメじゃないですか、こんなとこでサボっちゃ!護衛の仕事ってそんなに、暇なんですか?」
「ブっ!!君は、僕が、本当に護衛だと思っているの?」
「だって、あの時、護衛の人って聞いた時何も言わなかったでしょう?」
「うん!そうだね、言わなかった。勝手に勘違いをしたのはそちらでしょう?」
「ぐっ!!」本当の事なので、何も言い返せず。
でも、黙っても、いられず!「性悪」毒を吐いてしまった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
なっなんで、皆、黙ってしまうの?
それに、視線が痛い
「なっ何よ!!」
「いや、なんでもない、性悪か~、ミズキは口が悪いね。今度は、どんな事を言ってくれるにかな?」
私の暴言に、喜んでいる?
どMだ!どM!がここにいる。
まさか、異世界に来て、どMに会えるなんて・・・。
ランスロットの一言で、その場が、和んだのは確かだった!
ランスロットに助けられた?
いやいや、最初にランスロットが黙っていたから、いけないのでしょう?
私は、私は悪くない!!
後ろの、ドアが、バタンと強めに開いた。
「ミズキ!謝りなさい」
背後から、ジェリドの声が、静かに聞こえた。しかも、凄く、怒っている。
「・・・・わたし、悪くないわ・・・」
ジェリドの怒りに、ミズキは、震えた。
だって、本当の事だもの!
「ミズキ!いい加減にしろ!!!」
ジェリドはミズキの頭を無理やり、下げた。
「殿下、申し訳御座いません、こいつは常識が全然わかっておりません!どうかお許し下さい」
一緒にジェリドも頭を下げた。さらに、ジェリドはミズキの頭を押し下げた。
こうなっては、ミズキは謝るしかない。
「・・・ごめん・・な・・さい」
「ふん!興ざめだね、君のおかげで」ランスロットはジェリドを睨みつける。
「あと、ミズキは、このまま下がらせます。申し訳ございません、それでは、失礼します」
ジェリドは、ミズキを連れて、晩餐会を後にした。
強い力で、ジェリドは、ミズキを引っ張っていく、目が見えていても、このスピードでは、足がもつれてしまう。
「ジェリドさん!止まって、ねえ止まって!怖いよ~ねぇ!」
「・・・・」
全然、返事をしてくれない。
「ねぇ、ジェリドさん!」
呼吸が乱れる。
突然、ジェリドは止まって!ミズキに振り返る、ミズキは、ぶつかると思ったら、両肩が悲鳴をあげた。
ジェリドが両肩を掴んでいた。
「お前は、死にたいのか?」
「・・・・」
ジェリドが何を言いたいのかわからない。
「死にたいのかと聞いているんだ!ミズキ!!」
「し、死にたくはない」声が震える。
「じゃあ何故、王族に刃向かった」
「だって、あの人がいけないのよ!私は、悪くない」
「それでも、それでも、王族に刃向かってはダメだ!」
「どうして!」
「この世界では、王族が絶対なんだ!お前の命なんて、殿下の気分一つで、どうにでもなるって事を覚えとけ!」
「そっそんな事できるわけ・・・・」
「出来るんだよ、ミズキ、ここでは、それが、常識なんだ!お前のいた世界と一緒にするな!いいな!わかったな!ミズキ!2度と、殿下に近づくな!!」
頭が。着いて行かない。ただ・・・ハッキリ分かるのは、どうして、自分がこんなところに居るの?という事だ。
ダリルを、ジェリドを、困らせたくはない、でも、涙は、ミズキの意思とは、関係なく、ポロポロとこぼれていく。
「・・・帰りたい・・・・こんなところ、居たくない、お家に帰りたい・・・帰して・・・お願い・・・帰して・・・うっ・・・うぅっ・・・こんなところ、来たくなかったの!来たくなかった!・・・・帰りたい、お母さん・・お母さん・・」
帰りたいのを、ずっと・・我慢してきた、ダリルたちに迷惑がかかると思って、考えないようにしていた・・・心を誤魔化していた・・もう心の限界だった。
心が擦り切れ、悲鳴を上げていた、涙が、止まらない、手で拭っても、拭っても、枯れない泉のように、目からあふれてはこぼれていった。
ミズキはしゃがんで、顔を手で覆いつくして、泣いた。ジェリドは、時折、ミズキの背中を優しく撫でていた。
「・・・ジェリドさん・・・お家に帰して・・・」
ジェリドに言ってもしょうがない事は分かってる、でも言わずにはいられなかった。言わなかったら、心が壊れてしまうのが、目に見えるから・・・
泣きながら何度も何度も、ジェリドに帰してと、家に帰してと、泣きついた!!
ジェリドを何度も叩きながら、思いをぶつけるようにミズキは、ジェリドを叩いた。
ジェリドは一言だけ、「すまん」と呟いた。
ジェリドに、抱きしめられた腕の中は、とても暖かかった。
暖かくて、ジェリドさんの匂いがして、とっても、疲れた。
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