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2章
暗闇
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「だいぶ腫れているな」
絶叫の後、ミズキはしゃがみこんで恨みがましそうにジェリドを見ていた。
いいえ、睨んでいました。
「・・・ジェリドさん言う事があるんじゃ無いですか?私に!!」
「・・・ああ、すまん!背中の傷にコレを塗ってやる、ジッとしてろ」
ジェリドは言うなりポケットの中から軟膏を出して、ミズキの了解が無いのに軟膏を塗り出した。
「いいッ!」
痛いと言おうとしたが、余りの痛さに声が、息が出来ない。
拳に力が入る。
「ジェリドさんあっち向いて!!」
痛さに体が強張ってジェリドを睨んでいたが、涙をこぼして鼻を赤くして睨む姿は情けない。
ミズキは垂れる鼻水をずずーとすすった。
そんなミズキを見たジェリドはハイハイと言って後ろを向いた。
「絶対に振り向かないで下さいよ!」
「ああ」
「絶対ですよ」
「分かった」
「本当ですよ」
「分かったと言っている」
「本当ですか?」
「何度も言わせるなよ、ミズキ」
ジェリドの声のトーンが下がった。
「・・・でも、前科がありますからね~」
「なんだ前科って、人を犯罪者扱いか?」
「仕方ないじゃないですか?悪いのは全部ジェリドさんなんだから」
「・・・相変わらず口の減らない・・・お前がそう言うならその通りにしてやろうか?」
「・・・・・・」
「・・・ミズキ?」
「・・・・・・」
「おい返事しろ!ミズキ!」
「・・・・・・ジェリド・・・さん・・・こっちです」
ジェリドは振り向くとミズキの姿が見えなかった。
周りを見てもミズキの姿が見つけられなかった。
あのじゃじゃ馬、どこに行った。
「・・・ジェリドさん・・こっちです・こっち・・早く来て」
ミズキの震える声を聞いて、ジェリドはただ事では無い事に気が付いた。
剣に手をかけて、声のする方に歩み寄って行くと岩陰に絞った服に着替えたミズキが呆然と立ちすくんでいた。
ジェリドはミズキの姿を見るとホッとしてミズキに近付いた。
どうせ、虫か何かに怯えただけだと思ってミズキの顔を覗くと暗闇でも分かるくらいに血の気が無く、真っ青になっていた。
「ミズキ?どうした?」
「・・・あれ」
ミズキはゆっくりと人差し指をジェリドの目の前に出した。
ミズキの指の先のは、元は人であったであろう、成れの果てを指していた。
干からびてミイラとかしている。
ミイラの足には鎖が繋がれていた。
「・・・ジェリドさん・・・これって一体」
「ああこれは、捕虜を鎖で繋いでそのまま放置って事だな?」
「鎖で繋いで放置って・・・死んじゃいますよ」
「そうだな」
「ジェリドさんは驚かないんですか?人が死んでいるんですよ」
「そうだな、ミズキは死体を見た事が無いのか?」
「・・・無い、見た事が無いしこんなミイラも見た事が無い」
ミズキの顔が真っ青のまま呟いた。
「あの子もまさかミイラになっていないよね?」
「こればかりはなんとも言えないな」
ジェリドは腕を組んで答えた。
「・・・ジェリドさん、何がなんでもあの子を助けて下さい。お願いします」
ミズキは涙目でジェリドを見上げた。
「初めてだな?お前が俺を頼るのは」
ジェリドが、ふっと笑った様に見えた。
ミズキは一瞬ジェリドの笑みに見惚れた。
絶叫の後、ミズキはしゃがみこんで恨みがましそうにジェリドを見ていた。
いいえ、睨んでいました。
「・・・ジェリドさん言う事があるんじゃ無いですか?私に!!」
「・・・ああ、すまん!背中の傷にコレを塗ってやる、ジッとしてろ」
ジェリドは言うなりポケットの中から軟膏を出して、ミズキの了解が無いのに軟膏を塗り出した。
「いいッ!」
痛いと言おうとしたが、余りの痛さに声が、息が出来ない。
拳に力が入る。
「ジェリドさんあっち向いて!!」
痛さに体が強張ってジェリドを睨んでいたが、涙をこぼして鼻を赤くして睨む姿は情けない。
ミズキは垂れる鼻水をずずーとすすった。
そんなミズキを見たジェリドはハイハイと言って後ろを向いた。
「絶対に振り向かないで下さいよ!」
「ああ」
「絶対ですよ」
「分かった」
「本当ですよ」
「分かったと言っている」
「本当ですか?」
「何度も言わせるなよ、ミズキ」
ジェリドの声のトーンが下がった。
「・・・でも、前科がありますからね~」
「なんだ前科って、人を犯罪者扱いか?」
「仕方ないじゃないですか?悪いのは全部ジェリドさんなんだから」
「・・・相変わらず口の減らない・・・お前がそう言うならその通りにしてやろうか?」
「・・・・・・」
「・・・ミズキ?」
「・・・・・・」
「おい返事しろ!ミズキ!」
「・・・・・・ジェリド・・・さん・・・こっちです」
ジェリドは振り向くとミズキの姿が見えなかった。
周りを見てもミズキの姿が見つけられなかった。
あのじゃじゃ馬、どこに行った。
「・・・ジェリドさん・・こっちです・こっち・・早く来て」
ミズキの震える声を聞いて、ジェリドはただ事では無い事に気が付いた。
剣に手をかけて、声のする方に歩み寄って行くと岩陰に絞った服に着替えたミズキが呆然と立ちすくんでいた。
ジェリドはミズキの姿を見るとホッとしてミズキに近付いた。
どうせ、虫か何かに怯えただけだと思ってミズキの顔を覗くと暗闇でも分かるくらいに血の気が無く、真っ青になっていた。
「ミズキ?どうした?」
「・・・あれ」
ミズキはゆっくりと人差し指をジェリドの目の前に出した。
ミズキの指の先のは、元は人であったであろう、成れの果てを指していた。
干からびてミイラとかしている。
ミイラの足には鎖が繋がれていた。
「・・・ジェリドさん・・・これって一体」
「ああこれは、捕虜を鎖で繋いでそのまま放置って事だな?」
「鎖で繋いで放置って・・・死んじゃいますよ」
「そうだな」
「ジェリドさんは驚かないんですか?人が死んでいるんですよ」
「そうだな、ミズキは死体を見た事が無いのか?」
「・・・無い、見た事が無いしこんなミイラも見た事が無い」
ミズキの顔が真っ青のまま呟いた。
「あの子もまさかミイラになっていないよね?」
「こればかりはなんとも言えないな」
ジェリドは腕を組んで答えた。
「・・・ジェリドさん、何がなんでもあの子を助けて下さい。お願いします」
ミズキは涙目でジェリドを見上げた。
「初めてだな?お前が俺を頼るのは」
ジェリドが、ふっと笑った様に見えた。
ミズキは一瞬ジェリドの笑みに見惚れた。
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