品種改良で異世界生活（仮）

プロローグ 2 異世界へ

盛大に泣いてる目の前の女を見ながら彼は

（あ～めんどくせ～）

顔をしかめてしまう、泣けば何を言っても許されると思ってる女の泣き方だと今迄のやりとりから彼は思ってしまう。別に彼は女性を泣かせるのが趣味ではないし、普段はそんな事はどんなにイヤな女性でも言わない。だが自分が死んだことと自分の置かれた訳のわからない状況が

「泣いたらなんでも許されるなんて、甘いんだよお前みたいな自称綺麗でしょ女なんて誰が許すか！」

「男なら、泣いてる女の子に優しくするもんでしょ～」

「知らねーよ、てかお前みたいな高慢ちきでナルシストで外も中身もブサイクなヤツは女の子じゃね～ゴミ以下に決まってるだろうがお前はゴミに優しくするのかよ」

ゴミ扱いした事でまた泣き出す自称女神、これではラチがあかないと考えた彼は

「もう泣くなクソ女神、お互いこの不快で不愉快な状況を変えたいだろ？だったらこの状況を変えられるのはお前だけだろ？さっさと説明しろ呼んだ理由を」

「グスッ、グスッ、ワタシだってあんたみたいな奴には早く居なくなって欲しいわよ、アンタが酷いことばっかり言うから、説明出来ないんじゃないのよ」

「わかった、わかった、早く説明しろ、だけど気にくわないからってウソ言ったり説明を省くなよ、それから俺の質問にはちゃんと答えろよ、じゃなきゃ今度は立ち直れないぐらいにズタボロに言うからな」

「神は嘘はつかないのよ、てかつけないし、そんな事したら存在自体が消えるんだから」

「怪しいもんだな、ウソついてみろよお前が消えたら信じてやるよ」

「そんな事できるわけないじゃない、アンタ馬鹿なの？神は存在が消えたら2度と復活出来ないのよ、美しいワタシが消えるのよ」

「消えて欲しいんだけどな」

「うるさ～い、さっさと説明するわよ」

彼女の説明によれば、彼は呼びかけに応じて異世界と呼ばれる世界に行くことは決定事項なのだそうだ。神の裁量により産まれ直しだったり、若返ったり様々だが必ずその際には何かしらの才能を持たされて行く事になる。それはランダムになるのだがその世界に有益な能力になるとの事だしかしこの女神の場合

「ワタシの世界にも沢山の転生者は居たし、今も居るわでも全てが魔法やら戦闘能力に偏ってるのよ」

「それって、俺が行く世界はいわゆる剣と魔法のファンタジー世界って事か？」

「ワタシの管理する世界では当たり前なんだけど、お前が居た世界の言葉に直せばそうなるわね、エルフや獣人がいて、魔物と呼ばれる怪物が居る世界よ」

「で、俺はそこで何をするの？」

「何もないわ、お前が生きて死ぬ事で世界に変化が起こるかもしれないし、起こらないかもしれないそれは神が関知することじゃない
私達は世界を見てるだけ、世界の変化によって神は存在を強くも弱くも出来る、たまにはお告げをしたりするけど基本的には世界にタッチしないのよ」

「それで俺は魔法使えるのか？」

「適正はあるわよ、ただし持つスキルも魔法の適正も行くまでどんなものかはわからない」

「言葉は通じるんだろうな？お金は？」

「あんたは赤ん坊からの転生じゃないけど言葉は通じるわよ、お金も、服も収納も異世界へ行く人間の特典であるし、アンタ達の世界ではないステータスも見れるわよ」

「わかった、まぁなんとかなるかな？」

「わかってなら、さっさと行きなさいちゃんと説明したし、わかったって言ったからね」

そう言うと、彼の真下に穴が開き下に落ちる

「あんたなんか神龍にさっさと殺されて死んでしまえ～」

「クソ女、騙しやがったなぁ～」

「騙してないし、ウソもついてないわよ～あんたが希望を言わないからワタシが決めただけだし～不快なヤツは早く死んじゃえ～」

そうして落ちた彼は女神に対して呪詛の言葉を吐きながら目の前の光景をみて

（あのクソ女死んだら絶対祟ってやる）

目の前にはアニメや映画で観たドラゴンが居た。