僕と間の人達

ルート

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こうなる事は分かっていた。
大きくなったから耐えられるなんてレベルの話じゃない。その不安は生きている限り条件が揃ってしまえば出てきてしまう。
ルートから離れない普の目は暗くて、不安で怖くて…苦しいのだと訴えていた。






「伊藤ちょっといいか?」

呼ばれて振り向くと同僚はかなり困っていた顔をして資料を持って立っていた。
どうしたのかと聞けば同時期にいくつか入ってきた任務でみんな忙しいのに急に面倒な任務がきたのだと。
資料を見れば内容はいつもの任務とあまり変わらないように見えるが…
「新人を何人か連れて行くのか…」

「現場慣れさせたいらしいがタイミングが悪すぎて人が集まらないんだよ。伊藤行けるか?普と話してから決めてもらってもいいぞ。他の奴にも声かけてくるから」

「話したら連絡いれる」

話し終わると同僚はリストを見ながら次の人の元へ走っていった。
おそらく同時期に入った任務に関わっていない人のリストだろう。任務が終わって休暇に入っている者もいる。ここはそれなりに働いている人が多いけれど回ってくる任務は他がやりきれないものが多い。内容次第では軍だろうが警察だろうが自分たちでやれと押し返す。処理するのに問題を起こしそうだなと思う任務は押し返さない。
「犯人でもない人をこいつだろと強引に犯人にして解決した後、本物の犯人に被害者がケガを負わされた事件」や「不審者が出た地域にある川で人が死んでいたからそいつを不審者として処理した(体格がかなり違うのに)」なんて話も真面目な関係者の口から聞いたことがある。上もそういったことを把握しているのだろう。

「普…散歩に出てるかな」







「普ちゃん」

「良貴どうしたの?」

部屋にいなくて机の上のメモに散歩と書いてあったからと言えば携帯端末を見てメッセージに気づかなくてごめんなさいと謝られた。外が暖かくてうとうとしていたらしい。遠くから見てもうとうとしているように見えた。
「急な任務がある。まだ行くか決めていない。新人を連れて行くから想定外の事も起こる。早く帰ってこられるかわからない。普ちゃんを一人にしたくない」

「僕が付いていくことはできる?」

「できない」

「…」

考え込んでいるというより言いたいけど言えないのだろう。自分たちのもとへ帰ってきてから普の側には基本誰かがいる。こうして散歩をしていても外の警備についている仲間が見守っている。
精神面を考えれば一人の時間を長く作ってしまうのは避けたい。眠るとき以外は安定しているように見えるけれど実際ぎりぎり耐えていることもある。
「行かな「ルート兄一緒にいてくれるかな…」

任務には伊藤が必要だから誰かに助けを求めてみることにしたということだろう。
「ルートに事情は話しておくから…普ちゃん無理はしないで」

こうして伊藤は心配しながらも任務へ行くことになった。







次の日(夜)
 
インターホンが鳴る。画面を見て誰かを確認してから玄関へ向かい鍵を開けた。

「ルート兄来てくれてありがとう」

「いいんですよ。頼ってもらえて嬉しいです。ご飯はこれからですか?」

「これから作って食べる予定」

「それでは一緒に作り…ん?あれはエリザと虎二ですね。この階には住んでいないはずですが」

普は通路に出てルートの見ている方を見てみると向こうも気づいたらしく走ってきた。たくさん何かが入った袋を持って。

「こんばんは普!!食べながら映画見よ!」

ルートの方を見ると普のことを見返してきたが予定にないことだと無言で伝えてくる。
「突然すまない。伊藤さんから連絡があったんだ。俺とエリザは仕事が想定より早く終わったから食べ物と飲み物を買いに行ってここに来た。…エリザ連絡いれるって言っていただろ」

「連絡忘れちゃった」

「その…とりあえずみんな入って」


どうやら伊藤は当日二人にメッセージを送っていたようだ。不安を紛らわすには何人かいたほうがいいと考えたのかもしれない。
家のなかに入りテーブルの上に買ってきたものが置かれる。某ファストフード店のハンバーガーやポテトにナゲット…量が多すぎるとルートは思った。
「この量食べきれますかね?」

「私結構食べる方だよ。普がたくさん食べてるの見たことあったし、余れば帰ってきた伊藤さんも食べられるしさ」

「俺はエリサほどではないが食べる。飲み物は通常サイズのペットボトルにした。余れば分けて持ち帰ればいい」

映画の前に食べることにして4人は食べ始めた。ルートも食べつつ普を見た。
確かに普よく食べている。普段の食事は大盛りではないが少なくもない感じだったはずだがまだ成長が止まっていないということか。年齢から考えれば食べ盛りではある気がする。でも何か見たことのある光景に似ている気がする。

「ルートこれも食べるか?」

考え事をしながら食べていたから目の前にバーガー来て驚いた。表情には出さないようにしたけど。

「限定のバーガーですか。食べてみます」







「普あのバーガーとナゲット好きなんだね」

映画を見れるようにセットしながらエリザは話しかける。
多分小さい頃から好きだと思うと普は答えながらテーブルを片付けている。
テレビ前のテーブルに飲み物を移動させそれぞれ分担したことを終え映画を見るかと座り始めるとインターホンが鳴った。











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