27 / 30
厄介事6
しおりを挟む
「やっと追いついたよ。全く面倒なことをしてくれたね。馬は駄目になったし新米勇者達は溺れて意識不明。どうやって償って貰おうかずっと考えていたよ」
エンゾは心底疲れた様子でそう言った。その横では弓を構えた勇者が未だ動けないジョスイに狙いを付けている。
「あの程度でそのありさま?聖印騎士団ってのも大したことないのね!」
マノンの軽口にエンゾが顔を顰める。
「貴様みたいなハズレ召喚者でも精霊石を使えばあれほどのことが出来るということだ。精霊石の素晴らしさを確認させてもらったよ。水の精霊石。あれは私が持つのに相応しい。さっさとよこしたまえ」
「ばっかじゃないの?欲しけりゃ金貨1000枚は用意してきなさいよ!」
「やれ!」
ジョスイの前に飛び出して、光の矢をショートソードで弾き返す。防がれたというのに弓の勇者はピクリとも表情を変えない。そして無造作に次の矢を放つ。先程より速い矢に少し押し込まれながらもなんとか逸らす。これはマズイな。動けない。
「ハクロウ君はジョスイを守るのに精一杯なようだね」
エンゾの身体が青白く輝き、その周りに幾つもの水の球が浮かんだ。
「さて、君はどうするのかなっ!」
水球の1つがマノンに向かって放たれる。
「くっ、पानी की」
マノンがウォーターバレットで水球を打ち抜いて相殺した。
「素晴らしい威力のウォーターバレットだ。益々精霊石が欲しくなったよ!」
エンゾから次々と水球が放たれる。マノンもウォーターバレットでなんとか撃ち合うが、詠唱が必要な分、徐々に遅れ始める。
「マノン!」
「きゃっ!」
水球が回転しながらマノンに着弾し、身体がくの字に折れ曲がる。エンゾは手を緩めず次々と水球が着弾し、みるみるマノンが崩れていく。
「……ハクロウ殿…儂よりマノン殿を…」
背後からジョスイの声がした。意識を取り戻したようだ。
「…お願いですじゃ…マノン殿を連れて逃げて下され…儂が隙を作ります故」
俺は答えられずに、ただ黙々と光の矢を弾き返す。
「…儂が詠唱したら一瞬、目を閉じて下され。行きますぞ」
クソ。どうすりゃいい。
「फ्लैश लाइट!」
一瞬目を閉じて開くと、あたりは背景をなくしてただ白い光に包まれていた。
エンゾは心底疲れた様子でそう言った。その横では弓を構えた勇者が未だ動けないジョスイに狙いを付けている。
「あの程度でそのありさま?聖印騎士団ってのも大したことないのね!」
マノンの軽口にエンゾが顔を顰める。
「貴様みたいなハズレ召喚者でも精霊石を使えばあれほどのことが出来るということだ。精霊石の素晴らしさを確認させてもらったよ。水の精霊石。あれは私が持つのに相応しい。さっさとよこしたまえ」
「ばっかじゃないの?欲しけりゃ金貨1000枚は用意してきなさいよ!」
「やれ!」
ジョスイの前に飛び出して、光の矢をショートソードで弾き返す。防がれたというのに弓の勇者はピクリとも表情を変えない。そして無造作に次の矢を放つ。先程より速い矢に少し押し込まれながらもなんとか逸らす。これはマズイな。動けない。
「ハクロウ君はジョスイを守るのに精一杯なようだね」
エンゾの身体が青白く輝き、その周りに幾つもの水の球が浮かんだ。
「さて、君はどうするのかなっ!」
水球の1つがマノンに向かって放たれる。
「くっ、पानी की」
マノンがウォーターバレットで水球を打ち抜いて相殺した。
「素晴らしい威力のウォーターバレットだ。益々精霊石が欲しくなったよ!」
エンゾから次々と水球が放たれる。マノンもウォーターバレットでなんとか撃ち合うが、詠唱が必要な分、徐々に遅れ始める。
「マノン!」
「きゃっ!」
水球が回転しながらマノンに着弾し、身体がくの字に折れ曲がる。エンゾは手を緩めず次々と水球が着弾し、みるみるマノンが崩れていく。
「……ハクロウ殿…儂よりマノン殿を…」
背後からジョスイの声がした。意識を取り戻したようだ。
「…お願いですじゃ…マノン殿を連れて逃げて下され…儂が隙を作ります故」
俺は答えられずに、ただ黙々と光の矢を弾き返す。
「…儂が詠唱したら一瞬、目を閉じて下され。行きますぞ」
クソ。どうすりゃいい。
「फ्लैश लाइट!」
一瞬目を閉じて開くと、あたりは背景をなくしてただ白い光に包まれていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
21
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる